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コメント
1件
角名一目惚れでもしたんかなぁ
角名倫太郎
角名くんの甘くて、低くて、優しい声
落ち着いていて、聞いているとまるでそっと包み込まれているみたいな感覚になる
榎野〇〇
少しだけ迷ってから、私は彼の目を見て言葉を落とす。
榎野〇〇
その名前を呼んだ瞬間、彼の指先がぴたりと止まった。
視線を向けると、角名くんは一瞬まばたきをして、
どこか気まずそうに目線をそらす。
──あれ。耳、赤い……気がする。
そう思ったけど、確信はなくて。 だけど、なんだかちょっとだけ嬉しくなって、 私はそっと視線を伏せた。
先生
先生
ガラリと教室のドアが開いて、担任の声が響く。
角名くんは、ほんの少し間を置いてから席に座り直した。
私も急いで前を向くけど、心の中はまだ落ち着かないままで──
なんとなく、さっきのやりとりが、夢みたいにやわらかく頭に残っていた。
声も、仕草も、名前を呼ばれたときのぬくもりも。
ほんのちょっとだけど、さっきより角名くんの存在が、近くなった気がした。
翌日の朝
席に着いて、筆箱を出そうとしたとき。
角名倫太郎
不意に話しかけられて、私は少しだけ驚いて顔を上げる。
榎野〇〇
角名倫太郎
榎野〇〇
角名くんの動きがぴくっと止まる。
一瞬間が空いて、それからゆっくりこっちを見る。
角名倫太郎
榎野〇〇
榎野〇〇
角名倫太郎
淡々とした声。 怒ってるわけじゃなさそうだけど、ちょっとだけ呆れてる感じ。 けれどその表情は、どこか楽しんでいるようにも見えた。
角名倫太郎
榎野〇〇
思わず言い返したら、角名くんは少しだけ笑って、前を向いた。
昼休み、私はいつも通り自分の席に座っていた。
教室のあちこちで友達同士の声が飛び交ってる中、私は、何もない机の上をぼんやりと見つめてた。
角名倫太郎
不意に、前の席に座った誰かが、くるりと体をひねってこっちを見た。
角名くんだった。
パンを片手に、あたりまえのような顔で私を見てる。
榎野〇〇
少し驚いて答えると、彼はパンの袋をガサガサと開けながら、ほんのり笑った気がした。
角名倫太郎
角名倫太郎
隣でパンをかじっていた角名くんが、こっちを見ていた。
榎野〇〇
わたしが言い訳みたいに返すと、角名くんはふーん、と小さく相づちを打った。
そして一口かじった焼きそばパンを見下ろして、ちょっと考えるように目を細める。
角名倫太郎
榎野〇〇
角名倫太郎
少し口端を上げて、半分になった焼きそばパンを、冗談っぽくわたしの方へ差し出してきた。
その仕草がなんだか子供みたいで、思わず笑ってしまいそうになる。
榎野〇〇
角名倫太郎
くすっと鼻で笑って、彼はまたパンにかぶりついた。
角名倫太郎
榎野〇〇
そう返した瞬間、すぐに視線を逸らされた。
しばらく沈黙が続いて、教室のざわめきだけが耳に残る。 ふいに、角名くんがぽつり。
角名倫太郎
思ってもなかった言葉に、胸の奥がちくっとした。
榎野〇〇
角名倫太郎
そう言って、また目が合う。 いたずらっぽい笑みじゃなくて、ちゃんとまっすぐで、優しい目。
なんか、ずるい。
榎野〇〇
そう言うと、角名くんは「ふーん」って小さく笑って、私のほうを向いたまま、背もたれに腕をかけて、少しだけ近づいてくる。
角名倫太郎
榎野〇〇
角名くんがあまりにあっさりとした顔でそんなこと言うから、動揺せずにはいられなくて。
角名倫太郎
榎野〇〇
角名倫太郎
榎野〇〇
角名倫太郎
榎野〇〇
榎野〇〇
角名倫太郎
角名倫太郎
角名倫太郎
榎野〇〇
榎野〇〇
角名はかじろうとしていたパンを口元で止めた
手の動きが固まり、視線が少しだけ泳ぐ。
角名倫太郎
角名倫太郎
少し間を置いてから、角名はパンを下ろし、わずかに目を逸らすようにして言った。
角名倫太郎
言葉は素っ気ないのに、どこか不器用で、まっすぐだった。
そう呟いたあと、彼の視線はそっと戻ってきて、眉尻がほんの少しだけ下がっていた。
角名倫太郎
角名倫太郎
榎野〇〇
角名倫太郎
ふたりの間に、少し静かな空気が流れた。
でもそれは、気まずさではなくて──お互いに、すこし心の距離が近づいたような、そんな余白。
そんな時。
宮侑
教室の外からけたたましい声が響いた。
驚いて廊下の方に視線を向けると、 2組の宮侑が息を切らせてこっちに走ってきている。焦った様子で手をバタバタさせながら、肩を揺らしている。
角名倫太郎
小声でツッコみぴきっ、とイラつく角名
宮侑
宮侑
角名倫太郎
目を瞬かせた角名が、少しだけ眉を寄せる。
角名倫太郎
一瞬だけ、ゴクリと角名の喉が鳴った。
宮侑
宮侑
宮侑
侑は本気で怯えた表情で、冷や汗をかいていた。
角名倫太郎
顔を少ししかめて、角名は呆れたようにため息をつく。
角名倫太郎
ひょいひょい、と手で侑を遠ざけようとするが、侑はそれでは引き下がらなくて。
そのまま教室のドアをガラッと開けて堂々と1組に乱入した。
宮侑
宮侑
そのまま角名の机に走り寄って〇〇と角名が向かい合って座っているのを、侑ははっきりと見た。
ぴた、と足が止まる。
宮侑
侑は目をぴくぴくと見開いて
宮侑
宮侑