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夜。
雨音が窓を叩いて、家の中はいつもより静かだった。
俺はリビングでスマホを見ていたけど、文字はまったく頭に入ってこない。 理由はわかってる。
⸺のあが、今日は一度も話しかけてこなかったから。
ゆあん
階段を降りる足音。 のあが、ゆっくりリビングに入ってきた。
のあ
その声が、少し震えている気がして、顔を上げる。
ゆあん
のあは一歩、近づいて。 でも、いつもみたいに距離を詰めてこない。
しばらく黙って、指先をぎゅっと握る。
のあ
嫌な予感がした。 逃げたくなる。でも、目を逸らせない。
のあ
雷の夜。
抱きつかれた温度が、一瞬で蘇る。
ゆあん
のあは、小さく息を吸った。
のあ
言葉が詰まる。 目が潤んで、必死にこらえてるのがわかる。
のあ
声がかすれる。
のあ
胸が、ぎゅっと締めつけられる。
のあ
俯いた瞬間、のあの目から涙がぽろっと落ちた。
のあ
その一言が、致命傷だった。
ゆあん
反射的に立ち上がる。
ゆあん
呼んだ声が、思ったより低くて必死で。
のあは顔を上げる。 涙で濡れた瞳が、まっすぐこちらを見る。
のあ
のあ
小さな声。 試すようで、でも怖がってる。
俺は、答えられなかった。
その沈黙が、のあの答えみたいで。
のあ
無理に笑おうとして、失敗する。
のあ
背を向けた瞬間。
ゆあん
自分でも驚くほど、感情が漏れた。
のあが振り返る。
のあ
俺は拳を握りしめる。
ゆあん
喉が熱い。
ゆあん
一歩、近づいて、止まる。
ゆあん
のあの瞳が、大きく揺れた。
のあ
問いかけの続きを、言えない。
俺は目を逸した。
ゆあん
苦しそうに、そう言った。
のあ
のあの声は、泣きそうで。
のあ
沈黙。
雨音だけが響く。
俺は、答えなかった。 でも⸺否定もしなかった。
のあは、それだけで、少しだけ救われた顔をした。