テラーノベル
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夜。 雨は止んだはずなのに、空気は重くて静かだった。
私は、自分の部屋で、ベッドの端に座っていた。 胸の奥が、まだざわざわしている。
⸺聞いてしまった。 ⸺答えは、もらえなかった。
ドアが、こん、と鳴る。
ゆあん
兄の声。
ゆあん
返事をする前に、ドアがゆっくり開いた。
ゆあん
兄は一歩、部屋に入って、そこで止まった。
距離はあるのに、近い。
ゆあん
私は俯いたまま、首を振る。
のあ
嘘だった。 声が震えている。
兄はそれに気づいて、苦しそうに眉を寄せた。
ゆあん
その言葉に、私は顔を上げる。
のあ
ゆあん
一歩、近づく。
ゆあん
さらに一歩。
私の目に、涙が溜まる。
のあ
小さな声。
のあ
その言葉が、最後の一押しだった。
兄は腕を伸ばす。
手首を掴んで、引き寄せて⸺ はっとして、止まる。
近すぎる。 息がかかる距離。
驚いて目を見開く。
兄の手が、震えている。
ゆあん
絞り出すような声。
ゆあん
視線を逸しながら、低く続ける。
ゆあん
心臓が、大きく跳ねた。
ゆあん
喉が詰まる。
ゆあん
沈黙。
兄は、ゆっくり手を離した。
ゆあん
苦しそうに笑う。
ゆあん
私は、ぎゅっと服の袖を握る。
のあ
震える声で、顔を上げる。
のあ
兄の呼吸が止まる。
視線が合う。
一瞬、時間が止まったみたいに。
兄は、私の頭にそっと手を置いた。 抱きしめない。 ただ、触れるだけ。
ゆあん
必死に、自分を抑える声。
ゆあん
一拍、間を置いて。
ゆあん
その言葉だけ残して、兄は部屋から出た。
ドアが閉まる。
私は、胸に手を当てた。
⸺答えは、もう聞かなくても、わかっていた。
コメント
2件
最高すぎ~…🤦🏻♀️ 兄妹の線をそろそろ超えていきそう(?) めちゃくちゃ楽しみなんだが!!続き待ってるね♪ めちゃくちゃはやくみれた((