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私の大好きなお兄ちゃんたち

第4話 - 第4話

1,247

2025年03月20日

#一次創作

#恋愛

#創作

#青春恋愛

#学園

さくら

栗原理仁

ふっざけんなっ

栗原理仁

なんで映画中、俺がお前と手を繋がなきゃなんないんだ！

栗原紬希

ま、まあまあ……

伊東善

はぁ？

伊東善

手繋いできたのはそっちからだけど？

栗原紬希

（うう……喧嘩しちゃってる…）

紬希は言い合いをしている二人の間をあたふたしていた。

伊東善

理仁がホラー怖いのかなって思って離さないでいただけ

伊東善

そんな拒否んなくてもいいじゃん

栗原理仁

……気持ち悪い

理仁がそう言うと、善の眉はピクッと動いた。

栗原紬希

…お兄ちゃん、そんな言い方＿＿

伊東善

じゃあ理仁は＿＿

伊東善

俺を誰だと思って手を繋いだの？

栗原理仁

……っ

理仁は図星をつかれたように耳を赤くさせた。

栗原紬希

…？

伊東善

（シスコンLv100だな、コイツ）

伊東善

（素直になればいいのに）

栗原紬希

お兄ちゃんっ

栗原紬希

善くんに謝って！

伊東善

…紬希ちゃん

栗原理仁

……

栗原紬希

今の話、善くんは全然悪くないじゃんっ

理仁は紬希の言葉にムッとさせた。

栗原理仁

……

栗原理仁

悪かった、善

伊東善

…はいはい

栗原紬希

えへっ、お出掛け中に喧嘩はやだよ？

栗原理仁

ごめんね、紬希

理仁は紬希の頭の優しく撫でた。

伊東善

……

栗原紬希

このキーホルダー、お兄ちゃんに似てない？

紬希は目つきの悪い猫のキーホルダーを手に取った。

伊東善

っはは。似てる〜

栗原理仁

似てない

栗原紬希

（似てると思うんだけどなぁ）

伊東善

紬希ちゃんに似てるのは……この可愛いやつ！

善はうさぎのキーホルダーを手に取った。

栗原紬希

かわ…！？

栗原紬希

（なんで善くんからの可愛いは、こんなに反応しちゃうの……）

紬希の顔はボッと赤くなる。

伊東善

……ってあれ

伊東善

なんで理仁も同じキーホルダー持ってんの？

理仁の手には善が手に取った同じキーホルダーを持っていた。

栗原理仁

……っ、こ、これは＿＿

伊東善

……ふっ

伊東善

まさか理仁も紬希ちゃんに似てるって思って＿＿

栗原理仁

ちが…

栗原紬希

えっ、そうなのっ？

紬希は目をキラキラさせた。

栗原紬希

えへへ！嬉しいっ

栗原理仁

……まあな

伊東善

（今否定しようとしたくせに何言ってんだ）

伊東善

理仁から見た紬希ちゃんもウサギみたいに可愛いんだねー？

栗原理仁

ぴょんぴょん跳ねて鬱陶しいってことだ

栗原紬希

ええっ、ひどいっ

伊東善

（なんでそんな素直になれならないんだ、ほんと……）

栗原紬希

でも、このウサギのキーホルダー可愛いねっ

紬希はニコニコ笑ってキーホルダーを見つめていた。

栗原理仁

…うん。可愛い

理仁はその紬希の様子を見てボソッとつぶやく。

伊東善

……

伊東善

（まるでこいつ＿＿）

善は頭に浮かんだある考えをブンブンと消した。

伊東善

（いやいや、ないだろ）

伊東善

（……いや、ないとは言いきれないな）

栗原理仁

なんだよ、急にトイレ一緒に行こうだなんて

栗原理仁

気持ち悪い

伊東善

ひっどいなー

伊東善

男子高校生と言えば連れションじゃ〜ん？

栗原理仁

汚い

伊東善

世の中の男子高校生に謝れ

善は手を洗いながら口を開いた。

伊東善

理仁ってさ

伊東善

好きな人とかいるの？

栗原理仁

……は？

栗原理仁

なに急に

伊東善

高一からの親友だけどさ

栗原理仁

そんなつもりな＿＿

伊東善

俺ら恋バナとか無縁だったから

伊東善

気になるなーって思って

栗原理仁

……別に

栗原理仁

好きな人なんていない

伊東善

そ？

善はハンカチで手を拭きながら無表情の理仁に問いかけていく。

伊東善

同じクラスの佐々木さんとか

伊東善

6組の浜田さんとか美人じゃん？

栗原理仁

誰だよ

理仁は少し怒り口調でそっぽを向きながら話す。

伊東善

1組の石川さんとか吉田先生とか〜

栗原理仁

だからいないって＿＿

伊東善

紬希ちゃん、とか

その時、理仁はバッと善の方を振り返った。

伊東善

（……釣れた）

栗原理仁

……

栗原理仁

なんでそこで紬希が出てくる？

伊東善

さあ？

伊東善

なんでそんなこと聞くの？

栗原理仁

……ふざけてるのか

伊東善

（カマかけるか）

伊東善

……あ、でも紬希ちゃんに言っちゃった

伊東善

理仁が紬希ちゃんのこと＿＿

すると理仁は善のガシッと襟元を掴んだ。

伊東善

っ、

栗原理仁

……今の話、

栗原理仁

本当に言ってるのか

伊東善

……

伊東善

その反応、

伊東善

やっぱり理仁さぁ＿＿

善は襟元を掴んでいる理仁の腕をギュッと掴んだ。

伊東善

紬希ちゃんのこと、好きっしょ

栗原理仁

……！

理仁は目を丸くしてゆっくりと善から離れた。

栗原理仁

カマかけたのか？

伊東善

うん。今の話は嘘だけど

伊東善

……好きなのは本当だね？

栗原理仁

……

理仁は俯いてボソッと呟いた。

栗原理仁

ああ、好きだよ

栗原理仁

家族でもなく、友達でもなく

栗原理仁

異性として、好きだ

伊東善

……ふーん

理仁は頭を抱えて善を睨んだ。

栗原理仁

それで？何が目的？

栗原理仁

俺の弱み握ってどうするんだ

伊東善

いやいや！そんなゲスくないよ、俺〜

伊東善

ただ気になっただけ

伊東善

紬希ちゃんにも教えないから大丈夫！

栗原理仁

……はぁ

栗原理仁

言ったらただじゃおかないからな

伊東善

わかってるって。そんな睨まないで〜

伊東善

……あ

伊東善

もしかして理仁が紬希ちゃんに対して冷たいのって……

栗原理仁

……

栗原理仁

俺が紬希に対してこんな気持ち持ってるなんて死んでも気づかれたくない

栗原理仁

冷たく接している方が紬希に対しての気持ちの牽制が出来るんだ

伊東善

そんなの理仁辛くない？

栗原理仁

俺は紬希にとってたった一人の兄だ

栗原理仁

俺が紬希を好きなんて、アイツ知ったら悲しむだろ

栗原理仁

そんなの、嫌なんだ＿＿

伊東善

……へえ

伊東善

それって結局は、

善はいやらしくニヤッと笑った。

伊東善

紬希ちゃんが理仁から離れていくのが怖いだけだよね？

伊東善

気持ちを伝えるのにビビってんだね？

栗原理仁

……は？

栗原理仁

お前、さっきから＿＿

伊東善

わかるよ

伊東善

俺もだもん

善は悲しそうに微笑む。

栗原理仁

…！

理仁は目を丸くして何も言えず口を噤んだ。

栗原理仁

…紬希が待ってる。先戻ってるから

理仁はトイレから出ていってしまった。

伊東善

……

理仁も叶わない恋をしているんだな

伊東善

（あのイケメン爆モテ男がねえ……）

善はニヤニヤする口を隠すように口を右手で覆った。

伊東善

（…うわ、俺性格悪っ）

伊東善

（でもなんか嬉しー）

って言っても、紬希ちゃんが理仁を好きになる可能性が全く無いとは言いきれない

伊東善

（兄妹で付き合うとかたまーに聞くしな…）

善は先程の買い物のことを思い出していた。

伊東善

紬希ちゃんに似てるのは……この可愛いやつ！

栗原紬希

かわ…！？

紬希の顔はボッと赤くなった。

伊東善

（真っ赤……）

伊東善

（……ってことがあったし）

伊東善

（あの感じ、俺は紬希ちゃんに嫌われてはないと思うんだよなー）

というかむしろ好かれてる…？

伊東善

（念には念をかけるか）

伊東善

（紬希ちゃんを利用する形になってしまうけど）

まあ、こればっかりは仕方ないか

いつものことだし！

私の大好きなお兄ちゃんたち

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２回目のコメント失礼します。さくら　さん、私の方で宣伝させてもらっても良いですか❓️ もし「嫌だな」と感じるのであれば、全っっ然断ってくれて構いません！！いきなりスミマセン💦

気になる〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！とうとう明かしたか....

さくら

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