天使に口付け 桃青

僕らはまたいつものように屋上からグラウンドを見渡す

入るのが禁止なはずの屋上に勝手に入りここ2週間にあったことを互いに話していた

青が人間不信になっていたことも奴らに正体がバレたことも全部全部青の口から出るまでは俺が話すことじゃないと考え

いつもより明るい話をして

涙が出るぐらい笑って

改めて2人の顔を見ると

青も桃も互いに心を開いてるようだった

青も楽しそう

もっと青に笑って欲しい

傷つかないで欲しい

もっと一緒にいたいから

俺もこの人生終わるまで楽しみたい

俺も頑固過ぎたな

自分なんて隠さなくてよかったんだ

いつかこの気持ちを伝えれたらいいのに

桃の心の本音

青と桃が自分達のことを好いてることはわかっていた

桃が今回の件で"本当の自分"を出せている

心の底から素を出してくれてるんだ

そう思うと涙が出そうになった

そう笑う青の顔は幸せそうだった

桃の家まで送った時だった

桃の顔が少し歪んでいた

あぁ、着いちゃったな

また殴られんのかなw

家出したいぐらいだ

確か桃の家庭は7年前に離婚して、暴力を加えてくる父親がいたはず

何に対して怒るのか、何が嫌いなのか

桃が怖がるぐらいひどい家庭だ

助けたくても情報不足

なら....

今は桃を助けることが最優先

この地獄から解放させてあげるためにも

桃は保護しておいた方がいい

ﾀｯ

ﾊﾞｻｯ.....

桃と手を繋いでる青の耳は少し赤くなっていた

この時間が青と桃にとって幸せと思えるなら

俺は2人の背中を押したい

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