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寺島あおいです🤍 第6話、読み終えました。 ゆあんくんの「完璧でいなきゃ」って仮面の重さに、胸がぎゅっとなりました。白紙の本に書いた本音に「がっかりされて何が悪いんだよ」なんて返事が返ってくるなんて…うりの言葉、すごく優しいのに突き放しすぎなくて、ああ、これがゆあんくんに必要だったんだなって。最後に隣の席に「座ってもいい?」って聞くシーン、距離感が絶妙で、2人の関係がこれからどう動くのか、すごく気になります🌷 ニーナさんの描く人物の心の機微が本当に丁寧で、惹き込まれました!
ゆあんくん
ゆあんくん
俺は誰も来ない放課後の図書室の奥で、本棚に背中を預けて深くため息をついた
学校での俺は『成績優秀で、運動もできて、誰にでも優しいみんなの人気者』
教室内でも廊下でも
常にたくさんの友達に囲まれて、いつも100点満点の笑顔を作っている
先生たちの期待の眼差し、クラスメイトたちの「ゆあんくんなら大丈夫」という無責任な信頼
だけど……
そんな仮面を被り続ける毎日に、俺はもう、ボロボロに疲れ果てていた
一回でも失敗したら、みんなががっかりする
それが怖くて、息をするのも苦しい
誰の目にも入れられたくなくて、
図書委員すらめったに入らない、一番古い本棚が並ぶ薄暗い場所へと逃げ込んできた
窓から差し込む夕日が、埃の舞う古い床をオレンジ色に染めている
ここなら、誰も俺に笑顔を求めてこない
ゆあんくん
ゆあんくん
埃をかぶった本棚の隅に、ぽつんと置かれた古びた一冊の本
なんとなく手に取ってページをめくってみるけれど
タイトルも著者名もなく、中身は真っ白で、何も書かれていなかった
ゆあんくん
ゆあんくん
ぽっかりと穴が空いたような、真っ白なページ
いつもなら、こんなところに落書きなんて絶対にしない
だけど、今日の俺はどうかしていたんだと思う
胸の奥に溜まったドロドロしたものを吐き出したくて、ポケットからペンを取り出すと
誰にも言えない、誰にも見せるはずのない本心を
その白紙のページにノートに書きなぐるように残してしまった
【ゆあんの書き込み】 『みんな俺に「完璧」を求めすぎる。 テストも、運動も、笑顔も、一回でも失敗したらがっかりされる。 みんなが見ているのは俺じゃなくて、 「完璧なゆあんくん」っていう都合のいい幻だけだ。 なんかもう、笑うの疲れちゃったな……』
インクが乾くのも待たずに本を閉じ、本棚の奥に乱暴に押し込む
なんて恥ずかしいことを書いてしまったんだろうと
書いた後に後悔しながらも、俺は逃げるように家に帰った
けれど、次の放課後
ダメだと分かっていながら、足は自然とあの図書室の奥へと向かっていた
ゆあんくん
ゆあんくん
焦る手で本棚からあの白紙の本を引き抜く
そして勢いよくページを開いた俺は、その場で心臓が跳ね上がるのを感じた
ゆあんくん
ゆあんくん
俺の汚い弱音のすぐ下に
見たこともない綺麗な文字で、新しい「言葉」が添えられていた
【??の回答】 『がっかりされて何が悪いんだよ。 人間なんだから、100点じゃない日だってあるだろ。 みんなの前で笑いたくないなら、ここで無愛想な顔して座ってればいいじゃん。 誰も見てないんだから、 1人でいるときまでお前が完璧でいる必要なんて、1ミリもねえよ。』
ゆあんくん
喉の奥が、ぎゅっと熱くなる
責めるわけでもなく、同情するわけでもない
ただ、俺の弱音を優しく包み込んで
今まで無理につけていた仮面をそっと外してくれるような、そんな回答
ゆあんくん
ゆあんくん
この学校のどこかに、俺の本当の限界を知って、受け止めてくれた人がいる
誰なのか、確かめたくて仕方がなくなった俺は、拳をぎゅっと握りしめた
ゆあんくん
今日の放課後、夜になるまでこの図書室の奥の物陰に隠れて
その『誰か』が来るのを待ち伏せてやる
ゆあんくん
時計の針が、夜の時間を指す
とっくに下校時刻は過ぎていて、窓の外は街灯の光が届かない真っ暗闇
静まり返った暗い図書室の隅で、俺は息を潜めて本棚の物陰からじっと白紙の本を見つめていた
誰もいないはずの閉ざされた空間
自分の心臓の音だけが、やけに大きくうるさく耳の奥で鳴り響いている
もし見回りの先生に見つかったら大変だけど
そんな恐怖よりも、「あの文字を書いた人に会いたい」という衝動の方が勝っていた
緊張で、喉がカラカラに乾いていくのが分かった
その時
静寂を破って、カツ、カツ、と静かな足音が床に響いた
誰かが、迷いのない足取りでこの一番古い本棚の並びへと入ってくる
カチッと小さな音がして
手元の懐中電灯の白い明かりが、暗闇の中にぼんやりとした光の輪を作った
??
??
声が聞こえて、隠れていた俺が息を止めてそっと覗き込む
そこにいたのは……
ゆあんくん
ゆあんくん
学校ではいつも一番窓際の席で、誰とも群れずに静かに本を読んでいる
あまり目立たない存在のはずのうりだった
地味で、口数が少なくて、クラスの誰も彼に深い関心を持っていない
そんなうりが、迷わず本棚の奥からあの白紙の本を引き抜いた
そして、懐中電灯の明かりを頼りにページを開くと、
制服のポケットからペンを取り出して、サラサラと迷いなくペンを走らせ始めた
間違いない
昨日、俺を心の底から救ってくれたあの綺麗な文字が、うりの手によって紡がれていく
確信した俺は、物陰から音もなく抜け出し、うりのすぐ後ろへと静かに近づいていった
年季の入った古い床がミシミシと鳴らないよう慎重に、ゆっくりと距離を詰める
そして、彼の背中に届きそうな距離まで迫った時、俺は静かに声をかけた
ゆあんくん
うり
突然背後から声をかけられたうりは、驚いたように肩をビクッと跳ね上がらせて
勢いよく振り返った
レモン色の瞳が丸く見開かれ
驚きのあまり、手に持っていた懐中電灯の光が壁の上をせわしなく揺れる
いつも学校で『完璧な人気者』として大勢に囲まれている俺が
まさかこんな夜の図書室に潜んでいるなんて、夢にも思わなかったんだろう
気まずそうに逃げ出すか、それとも焦って言い訳をするか
……と思いきや
うり
うり
うりは一瞬でいつもの表情に戻ると
フッと口元を緩めて、ニヤッと不敵に笑った
うり
うり
俺を崇めるわけでも、可哀想な奴として大袈裟に同情するわけでもない
ただの1人のクラスメイトとして
ちょっと皮肉っぽく、驚くほど軽いノリで返してくれた
その瞬間、俺の胸をずっと四六時中締め付けていた重い仮面が、綺麗にパァンと割れて
心が嘘みたいに軽くなっていくのを感じた
ゆあんくん
ゆあんくん
俺は、いつも学校でみんなの前で見せている『100点満点の嘘の笑顔』じゃない
俺は久しぶりに、両親にも滅多に見せたことのない素の笑顔で、うりにそう返した
うりは「……っ、何笑ってんだよ」って、一瞬だけ調子を狂わされたようにぶつぶつ呟いて
決まり悪そうに視線を逸らしたけれど
その手にある本を閉じようとはしなかった
ゆあんくん
ゆあんくん
うり
うり
うり
ゆあんくん
ゆあんくん
ゆあんくん
ゆあんくん
ゆあんくん
ゆあんくん
うり
うり
うり
うり
俺は近くにあった机に移動してうりのすぐ隣にすとんと腰を下ろす
本棚の狭い隙間にある席で、2人が横に並べば肩が触れ合うくらいの距離だった
昨日までの押しつぶされそうな孤独が嘘みたいに、温かい気持ちが胸に広がっていく
俺は彼に向かって、誰にも言えなかった新しい本音を、ピュアにぐいぐいと話し始めた
うりの持つ懐中電灯が照らす小さな光の中で
俺たち2人だけの夜限定の秘密の相談室が、 今動き出す_____
#krpt
りん
1,003
#ご本人様とは一切関係ありません