主
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第78話『晴れ間に揺れる影』
朝。
梅雨の合間を縫うように雲が割れ、ひさしぶりに陽の光が窓から差し込んでいた。
雨粒でくすんでいたガラスに光が反射し、部屋の空気がわずかに明るくなっている。
いるまはベッドに腰掛け、カーテンの隙間から差し込む光を眺めていた。
頭の重さは、ここ数日の雨の日々に比べれば格段に軽い。
偏頭痛の鋭い痛みがない朝を迎えるのは、いつぶりだろうか。
いるま
思わず、声に出た。
晴れ間の空を見上げる自分に、小さな安堵を覚える。
普段の何気ないことが、こんなにも穏やかに心に沁みるとは思わなかった。
けれど、その安堵はすぐに胸の奥で黒く塗りつぶされていく。
――あの声。
忘れようとすればするほど、くっきりと耳の奥に焼きついて蘇る。
いるま
いるま
頭の痛みがない代わりに、心の中でぐるぐると渦巻く負の感情。
それはただの不安ではない。
飲み込まれるのが、たまらなく恐ろしい。
気づけば、無意識にスマホを手に取っていた。
画面に映る連絡先の一覧を、指先が迷いなくスクロールする。
そして、とある名前で止まった。
――みこと。
一瞬ためらったが、躊躇はすぐに消えた。
発信音が耳に響く。
心臓が鼓動を早め、二度目の呼び出し音の途中で――。
みこと
気の抜けた声。
みこと特有の柔らかい調子が、受話口から流れてきた。
いるまは深く息を吐き、静かな声で言った。
いるま
みこと
短すぎる言葉に、みことの声が戸惑いを含む。
いるま
はっきりとした告白に、みことは一瞬黙った。
それから慎重に言葉を選ぶように答える。
みこと
みことなりのフォロー。
それが優しさであることは分かっている。
だが、いるまはスマホを握りしめたまま、ゆるく首を振った。
いるま
苦笑混じりの声。
次の言葉は、思わず心の底から零れ落ちた。
いるま
いるま
みこと
不意の問いに、みことは思わず息をのむ。
みこと
少し間を置いて、答える。
その声には曖昧さが混じっていた。
いるま
いるま
いるまは乾いた笑みを浮かべた。
だが、その目は笑っていなかった。
いるま
いるま
みことは返す言葉を失う。
いるまの声だけが、淡々と続いていった。
いるま
いるま
いるま
いるま
いるまは少し息を吐き、低く笑う。
いるま
いるま
受話口の向こうで、みことが唇を噛む音がする気がした。
いるま
声が震え始める。
抑えていた感情が、堰を切ったように零れ落ちていく。
いるま
いるま
震える声のまま言い切る。
スマホを持つ手に汗が滲み、呼吸が荒くなる。
だが、みことはすぐには何も言わなかった。
どう返していいのか、分からなかったのだろう。
受話口から伝わる静けさが、逆に胸に重くのしかかる。
いるま
乾いた声でそう言い、いるまは指を通話終了に滑らせかけた。
だが、その直前に――。
みこと
みことの声が遮った。
真剣で、迷いのない声だった。
みこと
みこと
いるまは目を見開いた。胸の奥に小さな光が差し込む。
みこと
みこと
力強い言葉。
その響きに、喉が詰まる。
どうしても涙声になりそうで、いるまは目を伏せた。
いるま
短い言葉を残し、通話を切った。
スマホの画面が暗転する。
窓の外には青空が広がり、柔らかな日差しが部屋に射し込んでいる。
けれど、その心の奥底には、まだ影がとぐろを巻いていた。
晴れ間に揺れる影。
その正体はまだ分からない。
だが――。
たった今、差し伸べられた言葉の温もりだけは確かに胸に残っていた。
第78話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡60
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コメント
6件
まにきどっかで壊れちゃいそうで怖くなってきた……(>︿<。)
いるまくぅぅぅぅん!壊れちゃだめだよぉぉ😭 みこちゃんがかっこいい✨️✨️ 続き楽しみにしてます!!!
サムネ画像を見た僕なりの解釈 📢くんがこの関係を壊しにいくのを☔️くんが止めようとしてるように見えた まぁ表情が描かれてないから分からないけどこうであって欲しいな