愛

だんだん、体が動くようになってきた

でも、声はでない

冷静になってみると、急に怖くなってきた

フリルのついた服

ぬいぐるみや花が飾られたメルヘンな部屋

紫さん？はどこかへ出かけていった

逃げなきゃ

って思ってたけど

手足には頑丈そうな鎖

扉には鍵

おまけに体は上手く動かない

ただ、鎖があるとはいえ部屋を自由に見て回れるくらいの長さ

とりあえず家の構造を把握することにする

テレビと布団、たくさんのぬいぐるみ、小説、テーブル、観葉植物

改めて部屋を見渡してみると、意外と生活するには困らなさそう

ただ、こんな状況で布団のふかふかさに感動してる自分は大丈夫なのだろうか

リモコンを操作してテレビの電源を付ける

映っているのはニュース番組ばかり

…なのに

俺のニュースだけは一向に報道されない

誘拐されてきたとはいえ、犯人は今ここにはいない

少し安心する

勝手に涙が出る

恐怖からか

はたまた

自分は愛されていないと自覚してしまったからか

がちゃっ

帰ってきた

こわい

どうしよう

こわいｯ

必死に逃げても結局は鎖に繋がれている

どんなに引っ張っても逃げることは叶わない

昼から引っ張り続けた足首と手首は血が出るほど傷ついている

どんなに抵抗しても俺の細腕ではどうにもならなかった

必死に抵抗してるけど弱っちくて可愛い〜

顔ぐちゃぐちゃにして抵抗しても、すぐハイになっちゃうね♡

あと2、3分もすればきっと…

橙くんはなんもわかんなくなっちゃうタイプか〜

ぐちゃぐちゃに泣いてるのも拒否されるのも悪くなかったけど

にこにこの橙くんもほんっと可愛い♡

薬の量間違えたかな

でも可愛いからいっか♡

ﾁｭｯ

ﾁｭｸﾁｭｯ…

やっと呼んでくれた…！

可愛いｯ

可愛いｯｯ

この連載で今後R18書くか迷ってます…

需要ありますか？

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