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その日は、酷く雨が降っていた
サーニャ
サーニャ
人間界から魔界に戻る為、人の少ない路地裏に行こうと路地裏に足を進めた。
今日の晩飯はなんだろうか、なんて自分でもつまらないと思う事を考えながら路地裏に人がいないか覗き込んだ。
だけど、そこには……
サーニャ
???
小さなガキがこんな雨の中、傘もささず裸足、そして地面に倒れ込んでいた。
サーニャ
ガキの全体を見ると足以外にも、痣に切り傷、そして所々に出血が起きている。
サーニャ
???
サーニャ
???
ガキが体に力を入れて起き上がり、こちらを見つめ首を傾げた。
光の無い金色の瞳で髪も伸びきってボサボサ、傷が広がり血液が溢れ出る。
サーニャ
???
サーニャ
???
サーニャ
黒く濁って、でも卑しく際立つ金色の瞳は全てを理解して、尚且つ何も疑っていない純粋さを宿していた。
サーニャ
???
サーニャ
???
汚れ切ったガキから滴った血液を拭い舐めとる。
不遇な環境で育ったヤツの血液は美味しくない、期待してなかった。
していなかったんだ。
サーニャ
???
サーニャ
そのガキの血液はいちごミルクやケーキ等とほぼ同等と言える美味さと甘さだった。
美味い血液の人間は勿論いる、だけどコイツまで美味いやつは相当いない。
???
ガキは自分の血の吸血鬼から見た希少さは理解出来てないらしい。
まぁ、当然といえば当然か。
サーニャ
???
サーニャ
サーニャ
サーニャ
???
コイツ、小学1年生辺りの見た目なのに言語や発声が弱々しい
話が支離滅裂にはならないという点は賢いけどな。
サーニャ
???
サーニャ
???
サーニャ
サーニャ
???
サーニャ
???
サーニャ
正直言って今の状況を誰かに見られて誤解されるのが面倒という点もあるが言わないでおこう。
???
???
サーニャ
サーニャ
???
ガキは小さく頷き、目を合わせ肯定をとった。
サーニャ
サーニャ
???
サーニャ
今のは聞かなかった事にする。
何も聞いてない、断じて何も。
サーニャ
???
そう促し、手を差し伸べる。
小さなガキは、俺よりも細く小さな手を重ね、弱く握り締めた。
サーニャ
???