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このお話は ラストで君は「まさか!」と言う を参考にした物です。

ー登場人物ー ヘタリア アーサー アルフレッド

死 ネ タ 注 意

『自殺の名所』なんて言われているのに、 屋上へ続く扉の鍵は壊されていた。

街から少し離れたところにあるこの古いビルの裏手にまわり、 屋外にある屋上へと続くらせん階段の前で傘もささずに、 金網を見つめた。

侵入禁止の役目をはたしていない金属の南京錠を外し扉を開ける

階段を進むたびに、ギッギッと鉄がきしむ音がして、 らせん階段全体が揺れているような気がする。

足に力を入れないと、階段も靴も濡れているせいで、 転んでしまいそうだ。

約一年着続けてる高校の制服は、雨のせいで いつもより重く感じた。

実際、ここで何人の人が飛び降りたのかは知らない。 少なくとも俺は聞いたことがない。 それでも、ここは『自殺の名所』として有名な場所だ。

九階まで階段で上がるのはきつく、息が切れる。 それでも前に、上に進む。

そして、最後の段差を乗り越えて、目の前にある扉を開けた。

雨がコンクリートに降り注いでいる。

ああ、俺はもうすぐ、ここから飛び降りるのだ。

高いフェンスはなく、胸元くらいまでの高さの壁があるだけ。

そこに乗ってジャンプをすれば、 すぐに地面に落下することができる。

大したことじゃない。 これから生きていくことに比べたら、

飛び降りるなんて一瞬で終わる。 もう少し、恐怖や迷いに襲われるかと思っていた。

けれど、これで解放されるんだという安堵に頬がゆるむ。

ア ル フ レ ッ ド .

何 し て る の 、お に ― さ ん

ア ー サ ー

…… っ !

突然明るい声が聞こえてきて、 体が大げさなほど跳ね上がった。

声のしたほうを見ると、 屋上の縁にひとりの少年が立っている。

その姿に鳥肌が立った。

ア ー サ ー

そ っ ち こ そ 、
な 、何 を し て る ん だ

ちょっとでも前に体を向けたら、落ちる。 風が吹いただけでも、彼はバランスを崩してしまいそうだ。

今から自分も同じことをするつもりだったのに、 観客的にその姿を見ると胃がぎゅっとしぼむ。

ア ル フ レ ッ ド .

こ の 場 所 に 立 っ て る
っ て こ と は 、や る こ と は
ひ と つ で し ょ

少年は小さく笑って答えた。

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