TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

雨を弾くほど真新しさのある学ランから、 中学一年生だろうと思う。

この天気の中、少年は晴れやかな笑顔を俺に向ける。 幼さは残っているものの、整った顔立ちだ。

ア ル フ レ ッ ド .

俺 が 先 だ か ら 、
お に ー さ ん 今 日 は
あ き ら め て よ

ア ー サ ー

な ん で …

俺がそんなことをしなくちゃいけないのか。

ア ル フ レ ッ ド .

同 じ 日 に 同 じ 場 所 で
ふ た り で 死 ぬ の っ て …

ア ル フ レ ッ ド .

な ん か 、ダ サ く な い ?

ア ー サ ー

い や 、知 ら ね ー し 。
お 前 が や め た ら ?

ア ル フ レ ッ ド .

え ー 。じ ゃ あ 、
ど っ ち が 先 に 死 ぬ べ き か
相 談 し よ う よ

ははっと少年は笑った。まるで今から楽しいゲームでも はじめるみたいに。

楽しくて嬉しくてしかたないみたいに。

それは、今から本当に死のうとしているような笑みには、 見えなかった。

っていうか、どうして 「どちらが死ぬべきか」 を話し合わなくちゃいけないのだろう。

見た目からも、明るそうな口調からも、 少年が俺とはちがうことがわかる。

だから 「同じ日に同じ場所でふたりで死ぬのってなんかダサくない?」 だなんてくだらないことを言えるのだ。

そんな軽い気持ちで同じ場所に立っていることが腹立たしい。

ア ー サ ー

俺 は 死 ぬ 。
お 前 が 死 ん で も 。
俺 と 一 緒 が 嫌 な ら 、
お 前 が 諦 め ろ

そう言って、少年に近づき下をのぞき見る。 あそこにたどり着いたらいいだけだ。

制服も心なしか軽くなる。

ア ル フ レ ッ ド .

決 心 が 固 い ん だ ね

ア ー サ ー

当 た り 前 だ ろ

他人と話をし、決意が揺らぐくらいの 気持ちでここに来たわけじゃない。

死ぬなと、死んだら終わりだと、 止める人の気持ちもわかる。

悲しむ人がいることは言われなくても理解している。

それでもなくならない思いを抱きながら、 悩みに悩んで、この決断を下したのだ。

ア ー サ ー

未 来 な ん か 、
も う い ら ね ぇ 。
一 秒 た り と も

N E X T → ♡ 6 0

この作品はいかがでしたか?

337

コメント

1

ユーザー
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚