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青く晴れ晴れとした空
その明るさは、私をすり抜ける
歩美
青空が私を包み込んでくれないのなら
代わりに、今も孤独な彼を包み込んでほしい
誰に言うわけでもなく、口から言葉がこぼれる
歩美
歩美
知ることは私には容易だ
しかし、それを知ろうとすることは困難だ
歩美
彼はきっと、暗い部屋の中にいる
私は、彼を励ますことができない
歩美
ふと、横の花壇を見ると 青の朝顔が咲いていた
歩美
歩美
私と彼の思い出、プロポーズの時に 彼から指輪と一緒に貰った花
歩美
キラキラと目を輝かせて、彼が話していたはずだ
歩美
私はじっと朝顔を見つめる
歩美
朝顔に励まされるなんて、らしくない
歩美
決意を言葉にする
たとえ、会えなくても
私は彼と一緒にいよう
私は彼が居るであろう家を目指す
歩美
きっと、今も彼はここにいる
歩美
歩美
私は扉に向かって進む
私は、扉にぶつかることなく 体は扉をすり抜けた
私は、彼が居るであろう部屋を見つけた
歩美
私の目の前には彼がいる
私の仏壇の前に、伏せて眠る彼がいる
歩美
歩美
彼が、こんなことをしているのは 私が死んだからなのだろう
えでも、私はそんなことを望んでいない
歩美
歩美
仏壇をよく見ると、青の朝顔が活けられている
歩美
そう、私がぼやいていると
晴輝
歩美
なんだぁ、寝言か
歩美
寝言もタイミングがいいものだ
晴輝
晴輝
歩美
晴輝
歩美
晴輝
晴輝
きっと、彼は私が死んだときの夢を見ているのだろう
歩美
歩美
私のことをそれだけ想ってくれているのは、凄く嬉しい
歩美
彼に触ろうとした腕は、彼をすり抜ける
歩美
歩美
歩美
歩美
私は彼の体を包みこむ
私の体が感じないはずの、彼の暖かさが
私を暖かくしてくれる
晴輝
歩美
歩美
歩美
歩美
あれ?
何で、視界がぼやけるんだろう
何でこんなに、胸が苦しいんだろう
ああ、そっか
歩美
歩美