3000を超える事が出来ました!
皆様! ここまで、沢山見ていただき ありがとうございます(*^^*)✨
今回! 3000を超えたので! 爽の過去を2話 そして、“その時”のスバルの心境を1話 書かせて頂きます🖊──
では! よろしくお願いします ⬇⬇⬇⬇⬇⬇⬇⬇⬇⬇
久し振りに ぐっすり眠れそうだ
たぶん…… 安心出来たからだと思う
「お前なら、いつか────」
そんな風に、言われた気がしたから
目を閉じたまま、瞼の裏の父上の姿に 自分の影を、そっと重ねてみた
心の中で、固く誓う
「必ず、父上の背に追いつく あの、眩しくて、温かな背中に────」
────記憶の中に、春の匂いが蘇る
あの日、空が落ちた
大地が裂け、炎に包まれ 獣達の咆哮が、夜を引き裂く
僕の父様と兄様たちは 厄災に敗れ、死んでしまった
────僕も…
母様が覆いかぶさってなければ とっくに死んでいただろう
冷たくなった母様の 腕の隙間から、見えてしまった
父様が────兄様たちが
ひとつ、またひとつと 厄災の腹に飲まれていく光景を
泣き声もあげられず、震えた
それは───地獄そのものだった
心が砕けて 生きる理由を失いかけた時
───頭上に、影が差した
一筋の、鈍く鋭い閃光が────
雷鳴のように、闇を切り裂いた
見上げれば、そこにいたのは ひとりの人間────…
刹那
その人間の攻撃に 全ての厄災を、瞬く間に斬り伏せていく
────まるで、奇跡だった
地獄に差し込んだ 一筋の春光だった
気付けば、僕は駆け出していた
血と、泥にまみれた体のまま
その、足元へ────
何度も転び、何度も躓き ようやく、その人の元へ辿り着いた
その人は、膝をつき 静かに僕を抱き上げる
温かくて、しっかりとした腕に包まれて
僕は、はじめて涙を流した
じわり、と 何かが零れて、溶けた気がした
その人の顔が近づく
じっと、その瞳を見つめた
深く、揺るぎない“光”
その奥にある“悲しみ”と“優しさ”
何より……
僕に「生きなければ」と思わせる 春のような輝き────
僕は、小さく震えながら その人の胸に顔をうずめた
「────この人だ」
まるで、ピシャリと 雷が落ちたような衝撃が走った
僕を見る目、その瞳が
どこか父様と母様に似た 泣きたくなる程に、温かくて……
この人を、“父”と呼ぼう
血の繋がりがなくとも この腕が、心が、僕を包んでくれるなら…
言葉を持たずとも、名前が無くとも この瞬間から、この人は“父上”になった
いつしか、それは 旅の中でも自然に根付き
僕の呼ぶ「父上」と、いう響きは
春のように優しく 僕の心に刻まれた
そうして 僕は父上の背を追う事にした
遠く、眩しく
あたたかな背中を目指して────