コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
まま
一回から聞こえるママの声
まま、すぐ怒鳴るから、あまり好きじゃない
キーンと響く声も、耳が痛くなるから
あんまり、喋ってほしくない
あき
あき
まま
まま
まま
まま
あき
可愛い、ハートのヘアピン、
どこいったんだろ
あき
引き出しの中を片っ端から調べていく
引き出しの中身はすべて床にばらまけて、かきわけて
かきわけて
かきわけた
あき
その場にしゃがみ込んでしまった
別に、ぼくが女の子みたいな物を持っているのが好きとか、
そういう理由じゃない
死んだばあちゃんがくれたヘアピンだから
大好きなばあちゃんの形見だから
ただ持っていただけ
いっつも部屋に脱ぎっぱなしのズボンのポケットに
入れてあるはずなのに、
あき
あき
あき
あき
確か、あの時…
あき
あみこ
ばあちゃんはその場にあったお裁縫セットを片付けだす
あき
あみこ
ヨボヨボの手の平を急に僕に見せてきた
あき
あみこ
あみこ
あみこ
あみこ
あみこ
あみこ
あみこ
あみこ
あみこ
あみこ
ばあちゃんは窓の外を見ながら言った
あみこ
ばあちゃんの顔は昔の思い出を見つめるような顔して
ポケットから何かを取り出した
あみこ
それば僕が探していた青色の
鶴だった。
あみこ
あみこ
あき
あき
床に散らばった物を足で蹴りながら
自分の背よりちょっと高いくらいの窓
背伸びをしながら窓の鍵を開けた
あき
あき
尻もちをついてしまった。
あき
すぐ立ち上がり散らかった机の上を見た
あき
深いため息をつくと
後ろからトントンっと肩を叩かれた
あき
目の前にはかっこいい大人の人が立っていた
男の人
なんと不思議な事に、ほうきがういている
そして、その上に男の人がバランスよく、立っているのだ
男の人
まるでアニメみたいだ
男の人
あき
ペコリと頭を下げる
男の人
男の人
男の人
少し、頭を上げて下から顔を覗いた
男の人
男の人
ゴツゴツしたでかい手が
僕の手にそっと手紙を乗せてくれた
あき
男の人
男の人
ほうきが羽に変わって
その羽が男の人の背中について
パタパタと空へ羽ばたいていった
あき
口を開けながら一瞬止まったが
手に乗った手紙の存在を思い出し
すぐに封を開けた
中に手紙と
あき
あき
あき
あき
あき
あき
あき
あき
金色のカードのはじに、赤い刺繍の花が咲いている
あき
あき
あき
床に散らばった物をまた足で蹴りながら
ランドセルを開けて
もので溢れかえったランドセルの中を
ガサゴソといじりだした
あき
足で蹴った道を戻りながら
あき
まだ慣れないひらがなを
書くのに苦戦した
あき
あき
あき
あき
窓近くの机の上をの物床に落として
思いっきりジャンプして飛び乗った
ふらつきながらも窓から下を覗いた
あき
オレンジ色の何かがあるのが見える
あき
ゴミをかきわけた道を戻り
靴もはかないで勝手口から外を見た
あき
あき
薔薇ではなく、コスモスでもない
チューリップでもなければ
マリーゴールドでもない
おばあちゃんがだいっすきなキンモクセイでもないし…
あき
勝手口の近くにあるダンボールの上に
婆ちゃんとよくしたお花屋さんごっこにつかうシャベルがある
あき
あき
あき
サクッサクッとほりはじめる
おもちゃ用のスコップは
全然根っこに到達しそうにない
それでもあきはほりすすめた
あき
あき
おもちゃ用のスコップはその場に投げ捨て
泥だらけの靴下で勝手口から中には入り
勝手口を閉めないで
二階へとかけあがり
ゴミの道を通り
黒いカードの上に花を乗せた
あき
あき
机に登り
窓に身を乗り出して
あき
大声で叫んだ
男の人
あき
箒でまた来るかと思ったら
次は羽でやってきた
男の人
窓の近くにおいていた黒いカードの上を見ていった
男の人
男の人
あき
男の人
あき
男の人
男の人
男の人
つぎは羽が傘になり、遠くの方へふわふわと飛んでいった
あき
ランドセルの近くにある筆箱の中をすべて出した
あき
ハートのヘアピンがオレンジ色の鉛筆と一緒に出てきた
あき
あき
あき
あき
秘密の基地
黒猫
男の人
男の人
男の人
男の人
瓶に詰まったオレンジの花を
まじまじと見つめながら言った
黒猫
男の人
男の人
男の人
男の人
近くの机に置くと
体制を崩した
男の人
男の人