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コメント
18件
こ、口角が戻ってくれない......((
尊い なっちゃんとの絡みがみたーい!
2人で食べさせあってるの可愛いт т リクエスト大丈夫ですかね…? 黄くんとの絡みが見てみたいです…!!
rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 二次創作 リクエスト
rara🎼
rara🎼
rara🎼
第29話『あーん』
らん
午前十時を過ぎた頃、らんはキッチンで湯気の立つ鍋をかき混ぜていた。
メニューは昨夜から決めていた――簡単なパスタとサラダ、それにスープ。
昨日の買い物で買ったアスパラが、もう食べたくて仕方なかったからだ。
いるま
いつの間にか背後にいるまが立っていた。
寝癖を無造作に撫でつけ、まだ少し眠たげな目で鍋を覗き込む。
らん
いるま
らん
らん
いるま
昨日と同じく、何気ないやり取り。
けれどらんの心の奥底では、昨日の「掴まれた手」の感触がまだ生々しく残っている。
思い出すたびに、指先が熱を帯びる。
やがて料理が揃い、テーブルには湯気の立つ皿と彩りの良いサラダが並んだ。
いるまが椅子に腰を下ろし、らんも向かいに座る。
いるま
二人同時に手を合わせ、フォークを手に取った。
らんはパスタを一口、くるくると巻いて口に運ぶ。
アルデンテの食感に、ガーリックの香りとアスパラの甘みが広がった。
らん
いるま
らん
らん
食べ進める中で、らんはふといたずら心が湧いた。
昨日の手のことを意識してしまう自分をごまかすように、わざと軽口を叩きたくなったのだ。
らん
いるま
らん
いるま
らん
らん
フォークにくるんと巻いたパスタを差し出す。
いるまの眉がぴくりと動き、口元がわずかに引きつる。
いるま
らん
いるま
らん
いるま
らん
らん
いるま
挑発するようにパスタを引き寄せると、いるまは溜め息をつき――
いるま
観念したように、口を少し開けた。
らんはゆっくりとフォークを近づけ、いるまの口にパスタを運ぶ。
らん
いるま
そっけない返事。
だが耳の先がほんのり赤いのを、らんは見逃さなかった。
食事が進み、皿もだいぶ空いてきた頃。
らんがスープを飲もうとした瞬間、いるまが口角を上げて言った。
いるま
らん
いるま
らん
いるま
らん
いるま
いるま
らん
いるま
いるま
今度はいるまが、フォークに残ったアスパラを刺して差し出してくる。
視線は真っ直ぐ。
昨日とは違い、逃げ場を与えない空気。
らん
いるま
低く言われ、らんは観念した。
渋々口を開けると、アスパラがそっと差し込まれる。
シャキッとした食感と、ほのかなバターの香り。
らん
いるま
いるまは満足げに微笑み、また自分の皿に戻った。
らんは視線を逸らしながらも、胸の奥がじんわり温かくなるのを感じた。
食後、二人で食器を片付ける。
シンクに皿を重ねながら、らんはふと昨日の出来事と今日の「あーん」が頭の中で繋がってしまう。
どちらも、いるまが自分の距離感を越えてくる瞬間だった。
らん
いるま
らん
いるま
らん
いるま
たったそれだけの会話なのに、不思議と心は満たされていた。
昨日掴まれた手の温もりも、今日差し出されたフォークの距離感も――その全部が、静かに胸に残っていた。
第29話・了
rara🎼
rara🎼
rara🎼
rara🎼
rara🎼
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡300
rara🎼
rara🎼