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前編
あらすじ
圭の死を受け入れられないまま帰ろうとした美玲を、圭の母が呼び止めた。
圭の母に導かれるまま、家にお邪魔することに。
圭の部屋を見回していると、
圭のベッドの上に、1枚の封筒が置かれていた。
その内容とは…
美玲
そこには、びっしりと圭の文字が並んでいた。
美玲へ
お前がこの手紙を見てる時は、たぶんもう俺は美玲の隣にいないってことだな。
お前は辛いかもしれないけど、
俺がついてた嘘の真実を、今から話すよ。
泣かずに読んでもらえたら嬉しいな。
俺は、学校祭の日、貧血なんかで倒れたんじゃない。
俺は、大学1年の頃から脳腫瘍にかかってた。
その日、学校祭の日。
お前と無事に結ばれて、美玲が帰ったあと、医者に
「病症が悪化しています」
って言われた。
治療をするかとか、いろんな決断があったなかで、俺は
家に帰って、普通の生活をすることを決めた。
俺がこの前、
「一緒に演奏しよう」って言ったのも嘘なんだ。
ごめんな。
美玲
美玲
美玲
でも全部、
美玲のためにやってきたことなんだよ。
美玲
美玲
お前、俺が病気だって気づいたら
俺の見舞いばっか来て、大好きな歌が歌えなくなるだろ?
それが、どうしても嫌だったんだ。
よく4人でカラオケ行った時、
美玲の歌声を聞く度に、だんだんその声が好きになっていった。
これは本当のことだからな。
だから俺は、
その歌声を死ぬまで耳に焼き付けとくために、
軽音楽部に入った。
(補足)美玲が軽音楽部に入るっていうのは哲也から聞いたんだ。
あいつと家族だけに、病気のことは教えてた。
ほんと、自分勝手でごめんな。
美玲
美玲
3枚目に移ろうとした時、
2枚目の最後に
(ここから先は読まなくてもいいよ)
こう書いてた。
美玲
美玲
そこには……
圭の、最期のお願いが書いてあった。
読んだ瞬間、視界が一気にぼやけた。
そして、手紙の最後には、
美玲。
俺と出会ってくれて、
俺のこと好きになってくれてありがとう。
他の誰よりも、
岡崎 美玲の幸せを祈ってます。
常田 圭
手紙の上に、大粒の涙がこぼれ落ちた
美玲
美玲
圭のお母さんも、ハンカチで目をおさえながら、横で泣いていた。
美玲
まだ、圭が死んだなんて信じられないけど、
少しずつでも前を向かなきゃ…
そうじゃないと、圭に笑われる…
圭。
圭の最期のお願い、
私が叶えるから。
ちゃんと、
空の上から見ててね。
ありがとう。
大好きだよ。
来夢
来夢
来夢
来夢
来夢
来夢
来夢
来夢
来夢
来夢
来夢
来夢
来夢
来夢
コメント
3件
【来夢姉さんへ】 (´・-・。)クスン… (´・-・。)ニャニャー…
ヨシヨシ(。´・ω・)ノ゙ ギュー(つ・ω・(-ω-*)💙
。(°´Д⊂ヽビェェェエエ