エレベーター

　今日の会議室は少しピリついていた

ライブのセットリストの打ち合わせ

美咲と桜花で言い合いが起きていた

ｶﾞﾁｬﾝ

桜花は椅子から立ち上がり部屋を出た

ｶﾞﾁｬｯ

美咲も桜花を追うように部屋を出た

私が悪い、絶対

言葉選べた、もっと....

桜花の話聞いてあげたら よかっただけ

どんどん歩くスピードが早まる桜花

ﾎﾟﾁｯ

桜花はエレベーターの閉ボタンを押す

美咲はエレベーターが閉まる ギリギリで乗り込んだ

2人きりになった

すると...

ｶﾞﾀﾝｯ

エレベーターの中で大きな音が響いた

ﾎﾟﾁｯ

美咲は焦ってエレベーター のボタンを押した

そう。 私たちはエレベーターの中に 閉じ込められた

桜花はなぜか胸騒ぎがした

やばい、汗止まんない...

冷静な美咲の姿

一方桜花は電話どころではない

一旦落ち着こう....大丈夫だよ、 楽しいこと考えなきゃ

. . .

沈黙が続いた

だめ、落ち着いて....

焦っちゃダメ、深呼吸

桜花は 「閉じ込められた」「出られない」

自分の今の状況への恐怖で、、、、

だんだん呼吸が早くなっていく

冷や汗も、震えも ひどくなっていくのが自分でよくわかる

桜花はとうとう座り込んだ

え？急に、座ったよ桜花、

靴紐かな、？

話しかけるの気まずいし、。

美咲は静かに少し目線を下げた

　そこには息が上がり 様子がおかしい桜花の姿があった

美咲は苦しむ桜花に目線を合わせる

美咲は完全に自分の発言のせいで 過呼吸になっていると勘違いしている

美咲の手、？ さすってくれてるの、 あったかい....

桜花、美咲がいなきゃ ダメなのかもな、

桜花の体はだんだん地に近くなっていく

　桜花、閉所恐怖症なのかな、

ｶﾞﾀﾝｯ

また大きな音が響いた

今度はエレベーター内の 電気まで消えた

呼吸どころか震えもひどくなっていく 桜花を隣に少し美咲も不安になった

美咲はスマホのライトを桜花にあてた

桜花の目には大粒の涙が溜まっていた

桜花、顔赤い、

そんな中

暗闇の中スマホ1台のライトで 唯一わかるのは桜花が自分に 体重を預けてきたこと

桜花の呼吸がまた荒くなり始めた

体熱っぽい...

すると

ｳｨｰﾝ

ﾌﾗｧｯ

閉ざされた場所から解放された 安心で桜花の体から力が抜けた

人目のつかない部屋へ桜花を運んだ

やっぱ、顔熱ってるな、 過呼吸のあとだから、？

桜花は美咲に謝りたかった

美咲は着ていたコートを桜花にかけて 静かに部屋を出た

ごめん美咲...

桜花、焦ってただけなのに...

ｶﾞﾁｬｯ

ｶﾞﾁｬｯ

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

正直驚いている 39度熱があるとは思えないほど 普通に会話をしているから

美咲は持ってきたコーヒーを一口 パソコンで作業を始めた

そしてふと我に変える

喧嘩してたけど...

結局....しっかり 看病しちゃってたな、

ほっとけないよね。

だし... いつも完璧だから、あんなに

弱ってるところ 見たことなかった。

でも、もし喧嘩した相手が 桜花じゃなかったら....

　考えたくないや。

2時間後

美咲は渋々桜花の隣に腰をかけた

end