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死んでしまおうと思った!

こんな意味のわからない能力を持って生まれて、

人に蔑まれる人生なんかとっくに捨ててしまおう!

そう思って、家から追い出された時に

こっそり持って行ったナイフを喉に突きつけた。

このまま喉笛を掻っ切ってしまえば、

こんな世の中とはおさらばだ……!

こんないい天気の中死ぬのもなんだか罰当たりな気はするけれど、

そんなこと知ったもんか!

こんなふうに生かせたのが悪いんだ!

震える手でぐっとナイフを喉に突きつけて、

ぷく、と刃が皮膚を掠った時、

フョードル修道士

お、おやめなさい!

と、ナイフを持つ手を男の人に掴まれた。

ニコライ・ゴーゴリ

え?

フョードル修道士

今、あなた死のうとしていましたか?!

ニコライ・ゴーゴリ

……え

フョードル修道士

そんなふうにご自身の命を粗末に扱わないでください!

フョードル修道士

たった一つの命なのですから!

綺麗な現実離れした黒髪に、紫色の優しい目。

そして、修道士服を身に纏って、ニコライの手を必死に掴んでいる。

この男性は、いったい誰?

ニコライ・ゴーゴリ

僕が何しようが、あなたには関係な……

フョードル修道士

関係ないはずないでしょう!

フョードル修道士

あなたは……私のせいでこんな目に遭っているのに……

男性は悲しそうにニコライを見つめる。

綺麗な瞳だものだから、少しドキドキする。

フョードル修道士

……あ、自己紹介が遅れていましたね。

フョードル修道士

私はフョードルです。

フョードル修道士

そこの近くの修道院の修道士です。

男性が指差す方向を見て、

ようやくニコライは近くに修道院があることに気がついた。

なんと。

まさかニコライは修道院の敷地内で死のうとしていたのか。

なんと罰当たりな。

ニコライ・ゴーゴリ

あ、あの……

ニコライ・ゴーゴリ

ここで死のうとして、ごめんなさい……

ニコライ・ゴーゴリ

少し、違うところで……

フョードル修道士

なりません、なりません!

フョードル修道士

死のうだなんてしてはなりません!

ニコライ・ゴーゴリ

で、でも……

フョードル修道士

でももだってもあるものですか

ニコライ・ゴーゴリ

でも、僕は悪魔なんだ!

ニコライ・ゴーゴリ

こんなふざけた力を持ってるから、

ニコライ・ゴーゴリ

みんな僕を怖がってひとりぼっちにするんだ!

ニコライ・ゴーゴリ

パパもママも僕を気味悪がって!

ニコライ・ゴーゴリ

どこにも居場所がないっていうのに、なんで生きろなんて無責任な……!

ニコライは口を閉ざした。

ニコライを見つめる修道士の顔があまりにも寂しそうで、これ以上何も言えなかった。

フョードル修道士

死んだって、良いことはありません。

フョードル修道士

ですが、生きていれば、良いことはあります。

修道士はニコライの手の甲に小さくキスをする。

フョードル修道士

そんなふうに思い悩まないで。

フョードル修道士

自分を責めないで。

フョードル修道士

あなたは何も悪くはない。

フョードル修道士

だから、死ぬ理由はない。

そして、優しく微笑んで、こう、おっしゃる。

フョードル修道士

修道院で、暮らしてみませんか?

フョードル修道士

そこはあなたを大切に思ってくれる方たちばかりですから。

こんな言葉、信用してたまるものか。

そう思っているのに、なぜだか胸の内はわくわくして。

差し出された手を、思わず、掴んでしまった。

フョードル修道士。

洗礼名と本名が同じ修道士。

名字を持たぬ、修道士。

これが、後のフョードル先生とニコライ……いや、アイラトの出会いだった。

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