あれから
ガラガラッ
愁斗
おはよ(*^^*)
琉弥
…おはよ)小声
あの日から愁斗のことがずっと 見えるようになった
愁斗
今日も朝早いね
琉弥
そう?)小声
愁斗
だって一番乗りじゃん?
琉弥
まぁ…そうかもね)小声
愁斗
…前から思ってたんだけどさ
琉弥
何?)小声
愁斗
何で小声なの?
琉弥
何でって…
周りは愁斗が見えていない
琉弥
俺が独り言ブツブツ喋ってるように見えるじゃん…
愁斗
確かに笑
琉弥
だから極力愁斗とは話さないつもり
愁斗
じゃあさ…こっち来てよ
琉弥
どこに行くの?)小声
愁斗
いいから(*^^*)
愁斗に言われるがままに 連れて行かれた先は
愁斗
ここだよ
琉弥
ここって…空き教室?
愁斗
そうそう
愁斗
ここなら誰も来ないし
愁斗
俺と話せるでしょ?
琉弥
…確かに
日もあたって良い所だ
琉弥
でも俺,この場所知らなかった
愁斗
俺も幽霊になって彷徨ってたら,たまたま見つけてさ
愁斗
ここは別に立入禁止じゃないし
愁斗
琉弥も好きそうな場所だったから
琉弥
…この場所好き
愁斗
やっぱり(*^^*)
愁斗
じゃあ,あそこに腰掛けて話そうよ
愁斗が指さした場所は窓際の棚の上
日がよくあたってる
琉弥
いいよ
琉弥
あのさ…聞きたいことあるんだけど
愁斗
何?なんでも聞いて?
琉弥
愁斗って…何で幽霊になったの?
先生から聞いたけれど,やっぱり本人から直接話を効きたい
愁斗
…事故にあって
琉弥
事故?
愁斗
帰ってたら小さな子が道路に飛び出したのを見かけたんだ
愁斗
咄嗟にその子を庇ってって感じかな
琉弥
へぇ…
咄嗟に行動に移せた愁斗が凄いなと思った
俺は見かけて"助けよう"って思っても ◯ぬのが怖くなってきっと足がすくんで動けなかったかもしれない
愁斗
ごめんね,こんな暗い話
琉弥
いや…俺から話題振ったし
愁斗
…でも何でだろうね
琉弥
何が?
愁斗
ほら,今こうやって幽霊として彷徨ってるじゃん?
愁斗
成仏できない理由とかあるのかなって
琉弥
あぁ…確かに何でだろう
愁斗
何か心残りあったっけな…
手当たり次第質問してみる
琉弥
愁斗って彼女とかいないの?
愁斗
いないよ?
愁斗って明るくて気さくでモテそうなのに…
琉弥
そうなんだ…意外
愁斗
んー,いないっていうより作らなかったからなぁ
琉弥
えっ…そうなの?
愁斗
うん
愁斗
俺,会いたい人がいたんだ
愁斗
だから,彼女とか要らなかった
琉弥
じゃあ,それじゃん
愁斗
え?
琉弥
その人に会えたら成仏できるってことでしょ?
愁斗
…会えたけど成仏できてないんだよね
相手が見えてないと効果がない…とか?
琉弥
んー,じゃあ何だろう
愁斗
多分,俺分かってる
愁斗
成仏する方法
琉弥
だったら…
愁斗
でも成仏できないと思う
琉弥
どういうこと?
愁斗
叶わないことだから
琉弥
そうなんだ…
愁斗
だから,琉弥にお願いがあるんだ
お願い…?
琉弥
何?
愁斗
俺の話し相手になって欲しい
琉弥
別にいいけど…
愁斗
…いいの?
琉弥
ここでなら良いよ
愁斗と話すのは別に苦じゃない
愁斗
やったぁ!(*^^*)
愁斗
俺のこと見えるの琉弥しかいないからさ
愁斗
幽霊になってずっと一人ぼっちだったから,めっちゃ嬉しい!(*^^*)
琉弥
…そっか笑