曲がり角を曲がったところで 橙色の着物が視界に入る
壁に身体を預けながら覚束無い足取りでゆっくり歩いていた
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なんて呑気なことを考えていた瞬間
ぐらり、
と小柄な身体が大きく前に傾いた
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俺は反射的に叫んだ
sho
俺が叫んでいる時にシャオロンはもう走り出していた
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俺が悶々としている間にシャオロンはロボロを支えており
間一髪ロボロは床に身体を打ち付けることなくすんだ
zm
ホッ、と胸を撫で下ろす
するとシャオロンは此方に向けて手招きをし、小声で
sho
と叫んだ
小声で叫ぶってどういう器用なことしとんねん
なんてことはどうでもよくて
俺はなるべく音をたてぬように駆け寄り
ロボロに障らないように小声で話す
sho
sho
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zm
sho
sho
sho
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zm
sho
その場で別れ、各々の行動を始めた
俺は一先ず氷枕を準備しようと食堂に向かうことにした
氷なら食堂の冷凍庫の中にあったはずだ
色々準備してロボロの部屋に走る
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ロボロ専用の薬持ってくる
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zm
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勿論、シャオロンの方がロボロと長く接しているのは知っている
共に過ごしてきた年月がものを言っているのも十分理解しているつもりだ
でも、そういう体質だったのなら言って欲しい
隠さないで欲しい
シャオロンは知っているのに相棒の俺が知らないなんて、嫌だ。
zm
なんてことをぐるぐると考えていたら
あっという間にロボロの部屋の前に着いた
なるべく音を鳴らさぬよう、優しく、ゆっくりと扉を開ける
扉を開けた先にはベッドにロボロが寝かされており、
荒い息が聞こえる度に 不規則に掛け布団を上下していた
sho
sho
zm
sho
と、シャオロンは会話もそこそこに 部屋を出てしまった
俺と寝ているロボロだけになったこの空間に
ロボロの苦しそうな吐息だけが響く
zm
はやく楽にしてやりたくて 氷枕にせっせと氷を詰める
丸い氷にしたから寝心地は悪くはないはずだ
ロボロの頭を僅かに上げ、 氷枕を差し込む
氷水が張ってある桶にタオルを突っ込んで固く絞り、
絞ったタオルをロボロの額に載せる
眉間に寄っていた皺が 何処と無く減った気がした
zm
そうして見ていると
汗ばんだ頬にペタリと張り付いた髪の毛が気になった
そろり、そろりと頬から剥がす
うっかり触れた頬が熱くて此方が泣きそうになる
泣きたいのは俺じゃないだろうに
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と声をあげ、 ゆるりと長い睫毛が持ち上がる
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zm
zm
rbr
ロボロが身体を起こそうとするもんだから
zm
zm
rbr
喋りすぎたのか、会話が途中で途切れロボロが激しく咳き込んだ
rbr
zm
zm
rbr
zm
zm
zm
ぐるぐると考えている間にも咳き込んでいるロボロが苦しそうで
あたふたとしていると
sho
シャオロンが戻ってきていた
zm
sho
zm
どうしてこういう時に口が上手く回らないんだろう
くだらない話をしている時は執拗い程舌がよく回るというのに
sho
sho
rbr
sho
sho
シャオロンは優しく、丁寧にゆっくりとロボロの身体を起こす
だがあまりにもロボロの重心が定まらない為、
俺はロボロの背もたれになるべく背中に回った
sho
シャオロンは律儀に蓋の開いたペットボトルをロボロの震える手に渡した
シャオロンは手際よく唇を湿らせるようにして水を嚥下させる
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sho
sho
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sho
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ぱちり、と錠剤をシートから押し出し飲み込む
どうやら薬の副作用に眠気があるらしく
ロボロは直ぐに寝てしまった
sho
zm
小声でひそひそと話す俺たちはきっと傍から見たら変人なのだろう
でも、俺たちのできる精一杯の優しさなのだ
sho
zm
zm
sho
zm
そう、初めてだ。
ロボロがこんなにも弱っている姿を見るのは
あんなにも熱い背中を支えるのは
このまま死んでしまうんじゃないかと思うのは
ロボロの苦しそうな顔で胸が張り裂けそうになるのは
全部全部、初めて。
初めてだから、何も出来なかった。
苦しそうなロボロ見ていることしか出来なかった
それがなんだか…悔しかった
sho
sho
sho
zm
俺が我々軍幹部になってロボロの相棒になってから、
かれこれ2年は経っている
それなのに、気付けなかった
zm
sho
sho
sho
zm
sho
sho
sho
sho
zm
sho
sho
zm
sho
sho
sho
zm
sho
zm
''相棒''なんやから、言ってくれたって良かったのに
そんな…頼りないか?
sho
zm
俺の心を見透かしたように言うもんだから
大分素っ頓狂な声を出してしまった
sho
sho
sho
zm
sho
sho
sho
sho
zm
ロボロを起こさないようにと優しく扉が閉じられる
シャオロンの方がロボロの体調不良に慣れている筈なのに
任せてくれたのが何だか嬉しくて
つい顔が綻ぶ
zm
zm
zm
ロボロの寝息と俺の静かな笑いが部屋に響いた
コメント
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「相棒だからこそ」って言うのがいいですよね!rbの相棒だからこそ心配をかけたくないっていう気持ちと、zmの相棒だからこそ話して欲しかったっていう2つの気持ちがぶつかり合ってたな~と思いました!