テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
54
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
胸の奥で鼓動はまだ荒く、視界の端には光が波打つ。夢と現実の境界は曖昧で、記憶の粒が一瞬一瞬を鋭く刺さる感覚ーーーーまるで心が、鏡の破片の上に立っているみたいだった。 天井を見上げると、白い光がじっと揺れ、僕の心の中で小さく跳ねる。呼吸を整えようとしても、胸の奥の熱は収まらず、手のひらに残る震えは指先まで伝わる。
恵美まどか
声に出すことはできず、ただ心の奥で繰り返す。 浮かぶのは君の顔。笑っているのか、泣いているのか、怒っているのか。すべての表情を同時に覚えているから、どの一瞬も胸を抉る。 君は僕を見抜いているのか、それとも僕が君を見抜こうとしているだけなのか。 答えは暗闇に溶けて、指先でも触れられない場所にある。 昔、僕は人の善性しか知らなかった。世界は温かく、信じることに痛みなど存在しないと思っていた。手を伸ばせば、誰かが必ず受け止めてくれる。世界は優しさで満ちていて、裏切りも嫉妬も知らず、痛みもないと思っていた。 でもーーーー
大衆たち
大衆たち
知ってしまった。人の醜さを。嘘、裏切り、嫉妬、弱さに隠された暴力。 それを知った時、胸が締め付けられ、世界の鮮やかさと同時に残酷さも見えるようになった。信じることの痛みを初めて知った瞬間だった。 そんな時にあいつらの、ライヘンバッハの誘い、迫られる選択。揺れる自分。 でも、あいつらにはついていかなかったけど、もともと揺れていた心は、今さらに不安定に揺れ、胸を重く締め付ける。熱く、痛く、鈍く、しかし確かに存在するその重さに、思考は何度も押し潰されそうになる。 それでも僅かな希望がある。
踏分誠一
神柴健三
柊ミレイ
人の醜さも、美しさも、絶望も、喜びも、全部見てきたから、まだ終わらない自分がいること。そして、君と交わした視線が、どこか通じ合っていること。それが胸の奥で微かな光を灯す。 布団の中で身体を起こし、指先を天井の光に沿わせる。光は小さな波紋のようにゆらゆら揺れ、胸の中に跳ねる。
恵美まどか
深い海の底から浮かび上がる泡のように、感情が弾ける。ぱちん、と小さな音を立てて、僕を現実へ引き戻す。しかし心の中では、まだ君の影が揺れている。揺れながらも、道を見つける羅針盤のように、微かな光を放つ。
???
あの迷子に見えた孤独を抱えた君、今では生意気だけど、もし僕が君に問いをして、君が答えをくれるなら、いや、くれなくても。 僕はもう逃げない。君の言葉がなかったとしても前から決めていたしね。揺れたままでも、痛みを抱えたままでも、ここに立ち、選ぶのだーーーー進むべき道を、立つべき場所を、今この瞬間にでも。 自分を失わず、誰にも迷惑をかけず、ここに立って、揺れながらも前に進むこと。 それが、今の僕にできる唯一の確かな一歩だから。