淡 い 青 春 の 想 い 出 。
夏休みに家族で水族館に行った。
そこで買った一対のキーホルダー。
水色のイルカと,淡い赤色のイルカ。
つがいのイルカが透き通った海の中を,
戯れ合うように泳いでいる様子を想像させる。
気付くと手に取っていた。
きっと,今の僕の気持ちを表しているのだろう。
夏休みの部活終わり。
グラウンドへ向かうアスファルトの道には,
放課後でも日差しが照り付けている。
僕は木陰でその時が来るのを待ち,
押し付けるように先輩に渡した。
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
先輩の反応が気になる。
でも,嫌だったらど~しよう…なんて考えると,
別の意味で怖かった。
小さな紙袋に入ったキーホルダーを先輩の手へ押し付け,
僕は脱兎の如くその場を走り去った。
完全に怪しい人物だ。
水_Hto
あんな対応だったら,捨てられても仕方が無いなんて思う。
でもやっぱり,好きな人に嫌われるのは嫌で…。
その日は何度も枕に顔を埋めながら,
自分の不器用さを呪った。
水_Hto
赤_Liu
先輩はど~思っているのだろう。
カバンに付けられている水色のイルカを想像し,
そんなはず無いと頭の中からかき消す。
その連続。
水_Hto
そして,段々先輩と会う事を避け始めていた。
赤_Liu
彼はいつも,月曜日の図書室に姿を現す。
サッカー部は土日に練習がある為,
月曜日はオフになっているらしい。
図書委員の僕は担当が月曜日で,
いつの間にか先輩が来るのを心待ちにしていた。
水_Hto
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
何て会話をしたのを覚えている。
この学校でトップを飾る程,頭が良い先輩。
彼が決まって読むのは昭和文学だ。
夏目漱石や太宰治,
僕が手を出さないような本に没頭している。
先輩の本に向ける眼差し,
ページを繰る指先,
いつの間にか,彼の姿から目を離せなくなった。
僕の思いは一方通行。
叶わないなんて分かってるのに…。
月曜日の図書当番は変わってもらった。
先輩にど~顔を合わせて良いか分からない。
水曜日,放課後の図書室は静寂に包まれている。
水_Hto
勢い良く図書室が開いたかと思うと,
そこに居たのは紛れもなく先輩だった。
一瞬,何処か隠れる場所を探したが無駄だった。
彼の視線は僕を捉えている。
水_Hto
俯いたままの僕。
そして気付く。
足音と共に聞こえる,聞き慣れた鈴の音。
僕の前に立った彼は,徐に筆箱を取り出す。
筆箱には,あのキーホルダーが付いていた。
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
頭の中が疑問符だらけになる。
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
赤_Liu
まだ疑問符だらけの僕。
そんな僕を見て小さく笑った先輩は,
鈴付きの御守りをくれた。
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
試しに御守りの鈴を振ってみる。
僕が送ったキーホルダーとはまた別の音色で,
先輩の聞き慣れた鈴と同じ音がする。
この音色が,僕は大好きだ。
今日はとても寒い。
昨日からの大雪,ブーツでも一苦労だ。
水_Hto
赤_Liu
滑って転びそうになった僕を,
先輩の手がしっかり支えてくれる。
あれから毎日一緒に登下校するようになった僕ら。
両想いと発覚するのは,まだ先のお話__.
思い付いたので勢いで書いてしまいました‼︎ 一方通行のような…,両片思い…✨ 考えれば考えるだけ面白いシチュです…🥹🫶 リクエスト大募集してます!!
コメント
8件
最高だぁ~! 僕のリクエストなんだけど… ホットケーキ組か天才組どっちか書いて欲しいです(僕はどっちも書いて欲しいです!)