コメント
1件
星夜空
星夜空
星夜空
外にも出ない。
食事も少ししか食べれない。
そんな日が続いた。
あのずさんな屋上の戸締まりとは裏腹に、
精神科の対応は丁寧なもので、
部屋には刃物も、紐も、何も無いし、
窓も開けられなかった。
だから何もすることが無かった。
··········、
いや、もう最早何かしたいとすら思わなかった。
何も考えずベッドに横たわる。
いつもそうだった。
········あの日から何日経っただろう。
1週間ほどだろうか。
もう全てがどうでも良くなっていた。
ほとけ
嬉しいって、
楽しいって、
悲しいって、
寂しいって、
なんだっけ。
気づいた頃にはもう遅かった。
何も感じられなくなっていた。
········それでも、
ほとけ
あの人のことを想う時だけは、
少しだけ、
胸が苦しくなった気がする。
いふ
··········いふくん、
いふ
僕は、君が、何をしたかったのか、
いふ
分からないよ。
先生
ほとけ
先生
ほとけ
先生
ほとけ
ほとけ
3日に1回のカウンセリング。
今日も適当に答えて、
適当に済ませる。
何を言ったらいいのかよく分からないので、
とりあえず肯定しておいた方がいいと思って。
先生
先生
ほとけ
ほとけ
言葉に詰まる。
適当に肯定しとこうかなとも思ったが、
何故かそれが出来なかった。
ほとけ
ほとけ
先生
先生
·············、
初兎ちゃん、かぁ··············
そういえば、
もうずっと会っていない。
············あぁ、
会う気も起きない。
そりゃあ、あれだけのことになったら誰だって会いたくない。
でも、
蟠りを解くには、
会った方が、良いのだろう。
······どうすればいいのかな。
ノロノロと、おぼつかない足取りで廊下を歩く。
·······いつぶりだろう、
生理的な目的でなく、
病室を出たのは。
ほとけ
いつもの屋上へ向かう。
もうここまで来たら、行く意味は大して感じない気がした。
それでも、
どことなく、
本当に少しだけ、
何かを感じたから。
遅い、思い足取りで歩いた。
ほとけ
結局、鍵は空いていなかった。
そもそも、鍵が空いている方がおかしいのだ。
きっとこれは、
至極当然なこと。
でも______
何故だろう、ちょっとだけ、
ほとけ
屋上のドアにもたれかかった。
そのまま、ズルズルと壁にするように座り込む。
·········きっと、
きっとここには誰も来ないだろう。
屋上の鍵が空いてないことなんて、 みんな知ってるし、
そもそも、普通に廊下を歩いた分にはここは見えない。
···········誰も来ない、筈。
そう自己完結させ、
うっすらと、目を閉じた。
初兎
初兎
········声がする。
あぁ、寝てしまっていたのか。
この声は______
ほとけ
ガバッと一気に伏せていた顔を上げる。
目の前には、
僕をのぞき込む初兎ちゃんの顔があった。
········そう、
その距離5cmくらいのところに。
ほとけ
初兎
初兎
初兎
ほとけ
沈黙が続く。
お互い、何を言っていいのかがよく分からない。
どう言葉を紡げばいいのかが分からない。
頭の中がぐちゃぐちゃに絡まっていて、
上手く解けない。
ほとけ
初兎
言葉が被る。
2人で顔を見合わせる。
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
初兎ちゃんがお腹を抱えて笑う。
それを、見たからだろうか、
少しだけ、口元が緩んだ。
初兎
ほとけ
初兎
初兎
初兎
初兎
初兎
ほとけ
初兎
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
口を塞がれる。
その先は、話すことができなかった。
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
初兎
初兎
初兎
ほとけ
初兎
初兎
初兎
初兎
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
初兎
初兎
そこで、初兎ちゃんが大きくふらついた。
ほとけ
急いで支えたが、
バタンッ!
僕の手では支えきれず、
次の瞬間にはもう、倒れていた。
ほとけ
ベッドに横たわり、
点滴の針と何かの知らない機械に繋がれた君を見る。
初兎
僕が顔をしかめる。しかめたけど、
君はいつものように、柔らかく優しく笑っている。
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
初兎
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎ちゃんが、微かに笑う。
その後、少しだけ首を俯かせた。
初兎
初兎
初兎ちゃんが顔を上げ、
真っ直ぐに僕を見据えた。
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
初兎
初兎
ほとけ
初兎
初兎
初兎
初兎ちゃんが窓から空を見上げる。
初兎
·········だが、
初兎ちゃんの容態は急激に悪化し___
その3日後に、亡くなった。
僕と同じ、17歳だったらしい。
母
ほとけ
ほとけ
母
母
ほとけ
母
母
母
ほとけ
母
母
母
ほとけ
母
母
母
母
ほとけ
母
母
母
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
母
母
母
母
母さんが、
青い封筒を僕に差し出した。
ほとけ
母
母
母
ほとけ
ほとけ
母
ほとけ
········封筒。
封筒は、濃い深い青色をしていて、 水色のシーリングスタンプで閉じられている。
··········見ただけで、なんとなくはわかった。
封筒から、ゆっくりと丁寧に 水色のシーリングスタンプを剥がした。