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12年後

竜胆

兄貴、次の任務なんだけどよ

ボーッ

竜胆

竜胆

兄貴?

あ、なんだ?♡
竜胆

あれから、紬には会ってない

というか、会いに行ってないんだ

でも、俺にとってこの判断は正しいと思うんだ

結果的に俺は反社側の人間になっちまった

今、会ってもきっと…

またあの頃のように仲良くなることはないだろう

でも、

一度でいいんだ…一度でいいから…

紬に…会いたい…ボソッ

竜胆

竜胆

どうしちゃったんだよ、兄貴

あ?♡何が?

竜胆

昔はよく桜の並木を通るとめっちゃ笑顔になってたのに…

竜胆

12年前から桜の並木を通ってもあまり笑わなくなったじゃねぇかよ

うーん…そうか?♡

竜胆

(´Д`)ハァ…

竜胆

自覚なしか

そんなこと、俺でも自覚してる

でも、桜の並木を通ると

やっぱし、紬のことを思い出してしまって…悲しくてたまらなくなる…

竜胆

ほら、次の任務行くぞ

はいよ〜♡

もう、アイツには一生会えねぇ

そう思いながらいつもすごす日々だった

でも、その時

竜胆

なぁ、兄貴…

ん?♡

竜胆

あそこにずっといる人って…誰だ?

何いってんだよ竜胆♡

そんな奴いるわけ…

……カキカキ

…は?

桜の花びらであまり見えなかったが

俺はたしかに見たんだ

紬を

桜と共に綺麗になびく銀髪

ふさふさのまつ毛

外国人か?ってほどの青い瞳

つ、紬…?

竜胆

え?兄ちゃん?

その時、俺の止まってた時間が動きだした気がした

竜胆、ちょっと先に任務の方に行ってくれ

竜胆

え?

タッタッタッ

竜胆

え?ちょっ!兄貴!!

タッタッタッ

ハァハァ

(俺のバカ…なに走ってんだよ)

(今頃、会ってどうするんだ…)

(もしかしたら、俺のことなんて覚えてないかもしれないだろ…)

ピタッ

(つ、ついてしまった…)

……

(あれ…?やっぱ、覚えてねぇよな…)

す、すみません💦急に

……

じゃあ、それでは

(情ねぇ…なにやってるんだよ俺は…)

その時

ギュッ(袖を掴む)

え…?

ら、蘭さ…んですか、?

?!

紬は俺の袖を掴み、

俺の前で初めて…

喋ってくれた

え、おまっ…紬…

喋れたのか…?

ッッ…

な、んとか…リハビリ…して…、

ぼち、ぼち
喋れるよ、うに…

……

そんなカタコト発音で

紬は喋ってくれた

(でも…俺はもう反社側の人間…コイツを危険にさせないためにも…)

蘭、さん?

ッッ…ごめん…

タッタッタッ

?!

(蘭さん‼)

タッタッタッ

竜胆!!

竜胆

うぉ?!
あ、兄貴?

走れ!!
任務に向かうぞ!!

竜胆

え、え?

竜胆

わ、わかっt…

蘭、さん!!
タッタッタッ

竜胆

あ、兄貴?
アイツ…

いいから!!

竜胆

竜胆

わかった

俺は紬からできるだけ逃げようとした もう、これ以上関わったら…手遅れになるかもしれないからだ

ハァハァ

蘭さん、!!

ま、待、って…

私、は…

その時

うぁ、ドテッ
(転ぶ)

紬は俺を追ってる拍子に転んだ

ッッ!!

紬!!

タッタッタッ

竜胆

あ、兄貴?!
任務行くんじゃねぇのか?!

俺は転んだ紬を見て その場に駆け込んだ

紬!!大丈夫か?

ハァハァ

竜胆

に、兄ちゃん…?

や、っぱり…

その時、紬は言った

お、母さんは…

あんなこと…言うけ、ど…

蘭、さんは…

あの頃
み、たいに…まだ…

優、しいままですね…

ッッ…

紬…ポロ

俺は紬の言葉に涙なしでは聞くことができなかった…

竜胆

あ、兄貴?
に、任務…

あ…

ご、ごめん…紬…

もう、俺いかなきゃニコッ

!!

じゃあな…

そうやって、任務の時間がきた

「俺は、紬の前からまたあの頃のように急に消えるのか?」

そんなことを考えながらこの場を後にしようとしたら

ら、んさん!

紬がなにか鞄から紙を取り出した

これ、私の連絡、先…

それは、紬の連絡先が書かれた紙だった

え、

で、では!

タッタッタッ

そうやって、紬は俺の後を去った…

竜胆

で、兄ちゃん…

竜胆

なんだったの?
アイツ…

……

いや、なんでもねぇ♡

俺はその時、とにかく複雑な心境だった

あれから1週間

……

俺は紬から連絡先をもらったにも関わらず

紬と連絡先を未だに繋いでなかった

竜胆

兄ちゃん、大丈夫か?

…ん?何が?♡

竜胆

いや、なんでも…

……

竜胆

ッッ…、兄ちゃん!

竜胆

やっぱり、あの桜の並木を通ったときからおかしい

竜胆

前よりも食事をあまり食べなくなってぇし

竜胆

どうしたんだ?

………

いや、ちょい考え事をしてただけ♡

竜胆

兄ちゃん!!

ビクッ

竜胆

たまには俺を頼ったっていいんだぜ?

竜胆

俺は兄ちゃんの

弟だ

ッッ…

そう竜胆に言われ俺は洗いざらい全てを話した

紬のこと

あの桜の並木での出来事

そして、なにより

12年前の紬の母との出来事

竜胆

それは…キツイな…

……

竜胆

でも、まさか兄ちゃんがそこまで悩むなんてな

ははっ…依存なんて…カッコ悪ぃよな

竜胆

……

やっぱ、竜胆♡

俺は大丈夫d…

竜胆

好きなのか?

え?

竜胆

だから、兄ちゃんはその紬って奴が好きなのか?

は?そんなこと…

竜胆

そういや、たしかに…

竜胆

兄ちゃんが変だったのは12年前からだった

竜胆

いつもやっていた女遊びを12年前からパタリとやめて

竜胆

いつも、桜の並木を見ては悲しそうにしてた

……

竜胆

兄ちゃん、それならためらいなく

竜胆

紬っていう奴と連絡先を交換したほうがいいよ

ッッ…でもよ!

俺はもう反社側の人間なんだよ!!

こんなクソみたいな人間…紬は絶対、仲良くなんかしたくないと思う…

竜胆

兄ちゃん…

……

竜胆

……

竜胆

なるべく、この方法はよしといた方がいいかもしれねぇが…

え?

竜胆

兄ちゃん、この世には

バレなきゃ犯罪じゃねぇという言葉がある

?!

竜胆

その言葉の言う通り、その紬って奴には兄ちゃんが反社側の人間だってことを秘密にしとけばいいんじゃねぇか?

……

そんな上手くいくのか…?

竜胆

大丈夫だ

竜胆

上手くいく

何を根拠に…

竜胆

俺が保証する

竜胆

俺ができる限り、バレないようにサポートする

……

竜胆

兄ちゃんにはいつも頼りっぱなしだ

竜胆

次は俺に兄ちゃんが頼れ

竜胆…

竜胆

だからよ!兄ちゃん!お構いなく連絡先交換しろよ!

おう!

俺は竜胆からの言葉に背中を押され

とうとう紬と連絡先を繋いだ

紬…?

俺だ、蘭だ

連絡先を繋ぐのに1週間もかかってごめんな…

こんな俺でよければ…返事くれないか?

待ってるな

(……やっぱりこねぇよな…)

(もう1週間だ…)

(きっと俺のことなんか…)

蘭さん、久しぶりです!

っていっても、1週間ぶりでしたね

(?!)

あぁ、そうだな

これから、よろしくお願いします

おう、よろしく

緊張してしまって、それ以上の会話はしてなかった…

でも、俺はなぜか心臓が張り裂けそうなくらい紬と連絡を繫げたのが

嬉しかった

蘭の初恋は声が出せない女だった

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ウオオオオアアアア\( 'ω')/アアアアアッッッッ!!!!! 繋がって良かったぁ蘭頑張るんだー

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