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狐の隠れ家

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狐の隠れ家

12 - 第12話 狐の神様と自縄自縛の幼い少年

♥

951

2025年03月27日

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@ 赤

待って!桃くん!!

赤の声は虚しく、 ただ部屋に響くだけだった

赤に掛ける言葉も見つからず 水の口は閉じたまま

赤の目線は段々下がり、 表情は暗くなって言った

@ 赤

…ごめんなさい、っ

@ 赤

桃にも…事情はあって、

@ 水

うぅん、大丈夫だよ

@ 水

…あ、あと…

『僕の名前は水』と付け足し 彼の耳元でこっそり喋る

@ 赤

…水、さん…

@ 水

次からはそう呼んで?

2人だけにしか聞こえない声量で ひっそり喋る

@ 赤

…、でも…あの、っ

@ 赤

……2人の時は、
かみさまって言っていい?

少しボソボソと、呟く赤

真っ直ぐとした瞳に、 水の首が横を振る事はなかった

@ 水

そろそろ帰るね、

@ 水

また明日。赤くん

@ 赤

うん、また明日

水は赤に背を向け、襖を開けた

襖を閉めると直ぐに姿を消し、 「桃」という男児を探した

桃は隣の部屋の隅で 体育座りをしていた

@ 桃

ごめんなさいっ、…

@ 桃

何で…っ、何でぇ…、

@ 桃

…っごめんなさいっ、

自分の発言に責めているのか ずっと「ごめんなさい」と謝り続けている

@ 水

…、

幼い子が、あんなに自分を責めて、 苦しめているのに、水の心は 締め付けられている

あの年代の頃は、自分中心で 世界が回っていると思う時期だ

そんな子供が、他人を信じれずに 自分を苦しめている

@ 水

…(ごめんね、今は…)

@ 水

(…まだ救えないんだ、)

自分の道徳心を無理やり抑え 彼から目を逸らした

救いたい本能で、足が 鎖のように重い

神社の方面を向き直し 水は空を飛ぶ

彼の背中が、罪悪感と責任感で どんどん重くなって行った

@ 水

…ごめんね。

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