いつもそばに

4年前

ここは小さな児童養護施設

「ひかりのおうち」

色々な理由で親や親戚と

暮らせなくなったこどもが集まる場所

今は私を合わせて4人の子がいる

1番年上のじゅんいち

中学1年生

頭が良くてしっかり者

親が海外で仕事をしていて忙しいためここへ

小学6年生のかのん

優しくて接しやすいお姉ちゃん

事故で親が亡くなってここへ

小学3年生のひろ

元気いっぱいな男の子

祖父に育てられていたが老人ホームに行ってしまいここへ

そして、私

小学5年生のひなた

親に虐待されここへ

みんなが集まる

見てすぐにわかった

この子は私と同じだ

虐待されていたんだ

顔や腕には痣がある

体も小さくて細い

小さい頃の自分を見ているようだった

見ていられなくて

私は思わず、やって来た女の子を抱きしめた

暴力をしてきて、ご飯も全然くれなくて

あんな辛い思いさせてきた親がつけた名前なんて

捨てた方がいい

私も捨てたんだから

私はさくらの顔を見た

それから、さくらは私にくっつくようになった

最初は大人しくて、全然話さない子だったけど

少しずつ明るくなった

よく話すようになったし

たくさん笑うようになった

私はいつもさくらのそばにいてあげた

さくらがここへ来て2年後

また新しい子がやって来た

はるとは母子家庭だった

お母さんが病気で亡くなってここへ