怪盗 前編
月夜が照らす水の上
キラキラ輝く翡翠色の髪が靡く
お宝頂戴致します
宝石を掲げて一礼する
水の上では追いかけることが出来ず 、皆固まる
否 、見とれて固まっていた
月夜が照らす浜辺に
ヒラリとまう予告状
怪盗キッド
たったこれだけの予告状
明日に明かされる内容
翡 翠.
おはようございまーす
ぬいぐるみに向かって挨拶をする
翡 翠.
今日は学校をお休み致しますの
翡 翠.
なぜなら 、怪盗キッドが宝石を盗むらしいので
翡 翠.
私が 、先に頂かなくては
返事をしないぬいぐるみにかれこれ、1時間以上話しかけている
手元では 、リボンを棒にクルクル巻き付けている
翡 翠.
さて 、
翡 翠.
そろそろ行かなくてわ
ここには小さな宝箱が1つ
その周りにはガタイのいい男ども
翡 翠.
はぁ 。 ダルいな
キッド.
やぁ 、ヒスイさん
翡 翠.
....
音もなく背後に立つ
淡麗な顔立ちの男の人
翡 翠.
キッド
ニコリと笑うと
ぎゅっ
と私を抱き締めた
キッド.
今回は頂きませんが
キッド.
次回はあなたをいただきます
翡 翠.
へ
キッドは華麗に宝石を盗み
ヒラリと手を振ってどこかへ行った
今宵 、翡翠の宝石を盗みに行きます
ニュースでやっていた
翡翠の宝石とは何か 、世間は騒いでいるらしい
翡 翠.
あぁ。
翡 翠.
もう
顔が火照って仕方がない