騒々しい蝉声の中、 ササッと筆を動かす。
誰かに見せる訳でもないが、 その漫画を描き続ける
その内容はよくある 恋愛もので、昔好きだった人を モデルに描いている。
エアコンがなければ気絶でも していただろう。暑い中水分補給は 忘れないようにしなければいけない
話を描いていくうちに なぜ彼を好きだったのか、 愛を望んでいたのか 思い出せなくなっていく
思い出そうとすると、 遠ざかる記憶は、 まるで春の暖かな温もりの ようだったことだけは 鮮明に思い出せる。
彼が、居なくなった時は まるで……まるで 望んだもの全てが崩れていく ような感覚だった。
と、蝉声に対し 無意味なことを呟きながら 今はなき彼と私の恋愛物語を 描き続ける。
コメント
42件
その漫画を俺は読んだぞ…
ほんまの小説っぽくてすき
言葉選びすてき