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?!あー、、、?あ!?あ!?あ?!
本田菊
朝の八時半。
いつも通り、僕はパリッとしたスーツを身に纏って、玄関に立つ。
そこに割烹着を着た愛しい妻がちょこちょことこちらへやって来て、僕のネクタイを整える。
これが日課になってしまった。
学生だった頃の僕じゃあ考えられない日常になった。
本田菊
イヴァン・本田
にこりと微笑む妻の手は僕の首のネクタイに集中し、少しずつ首が閉まっていく感覚がしてくる。
本田菊
イヴァン・本田
本田菊
イヴァン・本田
イヴァン・本田
本田菊
本田菊
本田菊
白い肌によく映える赤色の頬が、かわいらしくもぷくりと膨らむ。
かわいらしくてかわいらしくて……思わず笑みがこぼれてしまう。
本田菊
イヴァン・本田
イヴァン・本田
本田菊
本田菊
イヴァン・本田
イヴァン・本田
本田菊
イヴァン・本田
ガチャリ、扉を開ける。
イヴァン・本田
本田菊
優しく柔らかく手を振る妻の姿を、瞳に映して僕は揚々と車に乗り込んだ。
……高校生だった僕たちが、もしこの光景を見たら羨ましがるだろうか。
それとも、幸せになれると自信をもってくれるだろうか。
朝、目が覚めれば愛しい人がそばにいて、その人のご飯が食べられて、ネクタイを整えてもらって……
ただいまと言えば、おかえりが返ってきて。
またご飯を一緒に食べることができて、抱きしめ合えて、愛を伝え合えて……
……少しだけ感情に浸っていよう。
少しだけ、ほんの少しだけ、僕たちの思い出を思い出そう。
今日は大事な日だから、こんなふうに鑑賞に浸ってても、許してくれるでしょ、菊。
イヴァン・ブラギンスキ
高校二年生の夏。
久しぶりに母、姉、僕で食事をとっている時、出来事は起こった。
イヴァン母
アーニャ・ブラギンスカヤ
母は冷酷にまた、冷静に言い放った。
イヴァン・ブラギンスキ
イヴァン母
イヴァン母
イヴァン母
イヴァン・ブラギンスキ
イヴァン母
イヴァン母
イヴァン・ブラギンスキ
僕にとっては悲しいことこの上なかった。
ようやく最近、菊くんと恋人らしいことをしようと意気込んでいたところだったのだ。
それなのに、こうして遠距離になってしまうだなんて……
イヴァン母
イヴァン・ブラギンスキ
一瞬、何を言われているかわからなかった。
もしや僕と菊くんの関係がもうバレてしまっているのか、と頬を赤らめたのも束の間、
母はたくさんの写真を僕の目の前に並べた。
イヴァン・ブラギンスキ
イヴァン母
イヴァン・ブラギンスキ
イヴァン母
アーニャ・ブラギンスカヤ
イヴァン・ブラギンスキ
イヴァン母
母は大きなため息をついた後、僕の額に人差し指をぐりっと押し付けた。
イヴァン母
イヴァン母
イヴァン母
イヴァン母
アーニャ・ブラギンスカヤ
何も、言い返せなかった。
頭が真っ白になって、考えるという行為を頭が停止してしまった。
姉のアーニャの顔が見える。
ずっと申し訳なさそうに目を逸らしていた。
姉さんは知っていたのか。知ってて……
イヴァン・ブラギンスキ
イヴァン母
イヴァン・ブラギンスキ
イヴァン母
イヴァン・ブラギンスキ
アーニャ・ブラギンスカヤ
イヴァン母
イヴァン母
イヴァン母
イヴァン・ブラギンスキ
イヴァン母
アーニャ・ブラギンスカヤ
イヴァン・ブラギンスキ
絶望だった。まさしく絶望だった。
だが、頷くしかなかった。
これ以上、母に言おうとも、母はきっとブラギンスキ家が、の一点張りだ。
イヴァン・ブラギンスキ
イヴァン母
イヴァン母
イヴァン母
イヴァン・ブラギンスキ