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ある所に 一国を治める御殿様が おりました

傍若無人、厚顔無恥な者であり民の心は素知らぬ振り

そんな御殿様で御座います

御殿様

おぉーい。誰か、酒を持ってこーい

臣下

はい、ただいま持ってこさせます

臣下

おい、酒だ。殿は酒を望まれておる

下女

はい、ただいま

下女の中にそこそこ整った顔を持つ

下女

そういえば“梅”

はい

梅と言う下働きの者がおりました

下女

アンタ、御殿様に御つぎした事ないだろう?行ってきな

え、、、

下女

大丈夫さね。顔は整っているけど、御殿様には奥方がいらっしゃるんだから、手を御出しにはなされないわよ

この梅には、所詮許嫁と呼ばれる互いに恋い慕う武士がおりました。武士は遠くへ仕事へ行っており、帰って来たら梅を妻にとの約束を結んでおりました

下女

もうここで働くのも短いんだろ?最後の経験さね。

ーーさん、、

下女

なんとなくだよ。なんとなく、分かるもんさ。

下女

ほら、御殿様がお待ちだよ。行ってきな

はい!

お酒をお持ち致しました

御殿様

おぉ、入れ入れ

はい

御殿様

(ほほぅ?中々の……)

…殿?

御殿様

あぁ、すまんすまん笑

酒器にお酒をトクトクトクと注ぎます

とく

とく

とく

御殿様

グイッ

良き飲みっぷりで御座います

御殿様

ハハッ、そうかそうか。では、今宵も酒を飲むからな。お前が儂の寝所へ酒を持ってこい

私が、、ですか?

御殿様

あぁ

はい、わかりました

(まぁ、酔ってらっしゃるだけよね、、、)

その後私は逃げて居れば良かったのです

背を這う嫌な感触は、誠知らぬ振りをしてはならぬと、手遅れながらも私は理解したので御座います

いやぁ!!

離して、

離してくださいまし!!!!

御殿様

はははは

御殿様

よく鳴くわ

御殿様

グイッ

御殿様

良い酒のつまみじゃ

臣下

然し良いのですか?殿

臣下

中々の上物。我らに与えてしまわれて

御殿様

よいよい

御殿様

儂も歳じゃ。お主ら程盛っておらぬし、儂には美代という妻がおる

御殿様

それよりも儂は、若い娘の声を肴に酒を呷る方が楽しい

臣下

ふむ、それならば、、、

ひぃっ

臣下

我等で一等素晴らしき声を鳴かせてみせましょう

御殿様

おぉ、それは助かるのぅ

臣下

お任せ下さい!!

助けて、、

誰か!お助けに!!

あんまりで御座います!!!

いやぁ!!いや!いやぁ!!!

もうお許し下さいませ!!!

それから毎夜で御座います。殿の臣下の者達に__

私は、あの人との約束を果たせぬまま、時は過ぎて行きました

私は地下の牢に入れられ、3食のお食餌を与えられていました

然し乍、食べる気にも食欲も、とうに失せておりまして

地下の牢には猫がおりましたから、その猫に与えておりました

とても白く、美しい猫でございます。陽の光に当たれば、その毛は雪のように輝くのでしょう

“お前は外へ、私は此処で”

“命を終わらせるのです”

私は猫に、それを言い続けておりました

そんな中、私にも光が見えたのでございます

その光は_

猫猫仔猫

愛しき猫よ

お前は外へ、私は此処で

命を散らせて逝きましょう

猫猫仔猫

愛らしい猫よ

そなたは生きて

天道様の光を受けるのです

猫猫仔猫

愛しき__

お前は____

命______

猫___

_____

下女

梅!!!!!

っ!?

下女

あぁ、梅。可哀想に、、

下女

私があんな事を言ったから、、、

目の前には、格子に手を掛け涙を溢れさせるーーさんと、愛しき武士様がおりました

(夢を見ているのでしょうか…)

(こんな所に、お2人が居る訳ありませんしね、、、)

下女

こんな頬が痩けて、、、(頬を触る)

触れられた頬は、優しき熱を私の頭に伝え、これは夢ではないと、神様がもたらしてくれた蜘蛛の糸だと

そう、知らせてくれたのです

武士

っ、今すぐここから連れ出してやるからな

はい……はい…!

そう歓喜し、表を上げた私の視界には

今にも刀を振り下ろさんとする臣下と、それに気付かぬ愛しき人

嗚咽を漏らし、顔を下に向け、涙を落とすーーさんが写っておりました

臣下

ザシュッ

武士

ぐあっ!?!?

(あぁ、、、)

下女

な、何?!?!

(神様、私を助けるには、その光は、蜘蛛の糸は、細過ぎたようです)

臣下

お前だな?!?!此奴を連れ込み、其奴を逃がそうとしたのは!!!

下女

いやぁ!!やめて!!!痛い!痛い!

(猫猫仔猫)

(愛しき猫よ)

(お前は外へ、私は此処で)

(命を散らして逝きましょう)

臣下

ドガッ

下女

ぐへぇっ!?

(猫猫仔猫)

(愛らしい猫よ)

(そなたは生きて)

(天道様の光を受けるのです)

下女

だずげで、、も、ゆるじで、、、

臣下

許すものか!!この不届き者が!!!!

下女

あぶげぇっ、、、!

(猫猫仔猫)

(愛しき__)

(お前______)

(命を_______)

(猫___)

(_______)

(______)

(_______)

(_____)

(_______)

Original short 𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲

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コメント

19

ユーザー

うめぇぇぇぇぇ!殿くずじゃねぇか…!

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