まだ俺もぷりも小さかった時
事故の記憶が鮮明に蘇る
詳細は覚えていない
でも気が付いた時には…
ドンッ
俺より一回り小さいぷりの体が宙に浮く
弧を描いて地面に打ち付けられる
まぜ太
アスファルトの上に血の海が広がった
ぷりの目からは光が消えかけていた
いくら幼い俺でもわかった
ぷりは死が近いんだ、と
まぜ太
でもその光景が受け入れられなかった
涙は出なかった
ただ悔しかった
なんで俺が守れなかったんだろうって
通りすがりの人が救急車を呼んでくれた
搬送に俺も同席した
でもその時の記憶は悪夢の様だった
病院に着いてぷりはすぐに手術室に連れてかれた
奇跡的にぷりは一命を取り留めた
だが意識はしばらく戻らないとの事
一旦俺は家に返された
両親は冷静だった
本当に警察から話を聞いたのか疑うほど
悲しい顔一つ見せなかった
なんなら父は仕事の電話をしていた
まぜ太
信じられなかった
我が子が事故に遭って目が覚めていない
それなのに平然としていられる
俺がこんな奴の息子なんて思いたくない
そんな俺にトドメを刺したのは
ぷりの誕生日だった
コメント
2件
面白いです!