テラーノベル
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シリンジョン 「……サンプルの反応速度が……いや、こっちの数値は誤差か? もっと再計算を――」 バンバン 「おつかれさま~! はい、コーヒー☕」 シリンジョン 「うわっ!? ……バ、バンバン!? いつの間に背後に!?」 バンバン 「えへへ、驚いた? だって集中してたから声かけられなかったんだよ」 シリンジョン 「……心臓に悪い真似をするな。私は繊細な計測をしている最中だぞ」 バンバン 「だからこそ! カフェインで頭をシャキッとね!」 シリンジョン 「……私は別に、コーヒーなど……必要ない」 バンバン 「え~、せっかく淹れたのに。ミルクも砂糖も入れてないから、苦味そのまま。シリンジョン好みでしょ?」 シリンジョン 「…………ふん。……仕方ないな。受け取ってやろう」 バンバン 「やった! でも飲みすぎ注意だよ~。夜、目が冴えちゃうから」 シリンジョン 「……私は夜にこそ研究が捗るのだ。お前も少しは黙っていれば役に立つのだがな」 バンバン 「えへへ、無言でコーヒー配達するのもアリかぁ~♪」
(続き) シリンジョン 「……ん。……ふむ……苦いな……やはり、バンバンの淹れ方は少し雑だ」 バンバン 「えーっ、そんなことないでしょ! 心をこめたんだよ」 シリンジョン 「……心は測定できない。だが……カフェインの作用は……はっきり……している……」 バンバン 「……ん? シリンジョン、まぶたが重そうだよ?」 シリンジョン 「ち、違う……私は……研究を……続け……な……ければ……」 (机に広げた書類にペンを走らせようとするが、文字がだんだん乱れていく) バンバン 「……あ、こらこら、無理してもダメだって」 シリンジョン 「……すぅ……すぅ……」 バンバン 「……寝ちゃったか」 (少しだけ考え込んだ後、そっと棚の隅から毛布を取り出して、シリンジョンの肩にかける) バンバン 「いつも難しい顔してるけど……寝顔は、なんか安心するね」 バンバン 「……おやすみ、シリンジョン」
(続き) シリンジョン 「……ん……ここは……? ……机の上で……私は……」 バンバン 「あ、起きた? おはようシリンジョン。すごい寝息だったよ」 シリンジョン 「なっ……!? 私は……研究を……続けていたはず……」 バンバン 「でも、途中でウトウトして、そのまま……ぐっすり。だから毛布かけてあげたんだ」 シリンジョン 「……毛布?」(肩に触れて確かめる) 「……これは……お前が?」 バンバン 「うん。風邪ひいたら大変だし。研究よりもまずは体が大事でしょ」 シリンジョン 「……余計なお世話だ」 バンバン 「えへへ、そう言うと思った。でも、ちょっとは嬉しいでしょ?」 シリンジョン 「…………」 (視線をそらしながら) 「……まぁ……悪くはない」 バンバン 「わー! シリンジョンが“悪くない”って言った! これはもう最高の褒め言葉だね!」 シリンジョン 「……騒ぐな。私はすぐに研究に戻る。……だが……少しだけ、このままでもいいか」 バンバン 「じゃあ、もう少し寝ててもいいよ。僕、静かにしてるから」 シリンジョン 「……ふん。好きにしろ」 (しかし心の奥で――ほんの少し、安らぎを覚えていた)
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ノーティーワンズA 「ダダドゥ卿ー! かくれんぼしよ!」 ノーティーワンズB 「次は絶対に僕たちが勝つんだから!」 ダダドゥ卿 「ふむ……かくれんぼ、か。良いだろう。だが覚悟しておけ。私は影と共に歩む者……誰も私からは逃げられんぞ」 ノーティーワンズC 「こわいこと言ってるー!」 ノーティーワンズ全員 「いーち、にーい、さーん……」 ダダドゥ卿 (低い声で)「……十。もういいか?」 ノーティーワンズ全員 「まだだよーっ!」 (数分後、物陰や天井裏から小さな笑い声が響く) ダダドゥ卿 「……聞こえるぞ……小さな鼓動が……」 ノーティーワンズA 「ひっ……! もう見つかった!?」 ダダドゥ卿 「ふふ……捕まえたぞ」 (影のように背後から現れて肩をポンと叩く) ノーティーワンズB 「わあああっ! ずるい! いつの間に後ろに!?」 ダダドゥ卿 「それが“遊び”というものだ。恐れと笑いは常に隣り合っている……」 ノーティーワンズC 「……でも楽しい!」 ノーティーワンズ全員 「もう一回! もう一回やろー!」 ダダドゥ卿 「……よかろう。何度でも付き合おう。お前たちが笑う限り、私は影と共に遊ぼう」
(続き) ノーティーワンズA 「キャー! ダダドゥ卿、こっちこっち!」 ダダドゥ卿 「ふふ……逃げても無駄だぞ。影は必ず追いつく」 ノーティーワンズB 「きゃははっ! こわいけど楽しいー!」 (そんな光景を少し離れた場所から見ていたシリンジョン) シリンジョン 「……またくだらんことをしているな」 ダダドゥ卿 「おや、シリンジョン。監視でもしていたのか?」 シリンジョン 「監視? 違う。……呆れているだけだ。お前のような存在が子どもたちと戯れるなど、悪趣味の極みだ」 ノーティーワンズC 「えっ……シリンジョン、そんな言い方……」 ダダドゥ卿 「ふむ、罵声は刃のように鋭いな。だがこの子らは笑っている。笑いがある場所に、果たして“悪趣味”は存在するのか?」 シリンジョン 「子どもたちを影で惑わして、恐怖と遊びを混ぜる……そのやり口は毒そのものだ! ……お前は、彼らの心を蝕んでいるだけだ」 ダダドゥ卿 「……ふふ。そう断じるのは簡単だな。だがシリンジョン、君こそ彼らに“安らぎ”を与えたことがあるか?」 シリンジョン 「……っ」 ノーティーワンズA 「やめてよ! 二人ともケンカしないで!」 ダダドゥ卿 「……ふむ。子どもたちの前だ。争うのは無粋だな。今日はここまでにしておこう」 (影と共に一歩下がるダダドゥ卿。その瞳には微笑とも冷笑ともつかぬ光が宿っていた)
(続き) シリンジョン 「……まったく、くだらん時間を浪費した……」 ジバニュームインファントの子供 「あっ、シリンジョン先生だ! ねぇねぇ、どうして怒ってるの?」 シリンジョン 「怒ってなどいない。……ただ、愚かさに呆れているだけだ」 ジバニュームインファントの子供 「ふぅん……ねぇ、“影と遊ぶ”って楽しいの?」 シリンジョン 「……誰に聞いた?」 ジバニュームインファントの子供 「さっき、ノーティーワンズたちが言ってた! 『ダダドゥ卿と遊んだ』って!」 シリンジョン 「……ふん。子どもたちは純粋だからな。恐怖と遊びの境目を曖昧にしてしまう」 ジバニュームインファントの子供 「じゃあ先生は遊ばないの?」 シリンジョン 「私は遊ぶ時間があれば研究を進める。無駄を嫌うからな」 ジバニュームインファントの子供 「でも……先生と遊んだら楽しいと思うよ?」 シリンジョン 「……私は“楽しい”という感覚に縛られる気はない」 ジバニュームインファントの子供 「でもね、楽しいとね、頭の中がポカポカして……すっごく色んなこと考えられるんだよ!」 シリンジョン 「……ポカポカ、だと?」 ジバニュームインファントの子供 「うん! だから先生も、ちょっとは遊んでみたら? きっと研究もポカポカするよ!」 シリンジョン 「…………。子どもの理屈にしては……侮れんな」
(続き) ジバニュームインファントの子供 「ねぇねぇ、先生! なんで怒ってるの?」 シリンジョン 「怒ってなどいない……ただ、呆れているだけだ」 ジバニュームインファントの子供 「ふーん……でもさ、さっきノーティーワンズたちと遊んでたでしょ? あれ、楽しそうだったよ?」 シリンジョン 「……子どもは単純だからな。恐怖と遊びの区別がつかないだけだ」 ジバニュームインファントの子供 「でもね、楽しいといろんなこと考えられるんだよ! 先生も遊んだらどうかな?」 シリンジョン 「……無駄なことを勧めるな」 バンバン 「えへへ、聞こえちゃった? ジバニュームインファントの言うとおりだよ。遊んでみたら、きっと面白いって」 シリンジョン 「……お前まで口を出すのか」 バンバン 「だって、笑うと頭もスッキリするし、思わぬアイディアも浮かぶんだよ? 研究にも悪くないと思うなー」 シリンジョン 「…………ふん……子どももお前も、煩い連中だな」 バンバン 「えへへ、それでもちょっとだけ……遊んでみる気になった?」 シリンジョン 「……少しだけなら、な」
(続き) ジバニュームインファントの子供 「先生、もう一回かくれんぼしよ!」 シリンジョン 「……仕方ないな。少しだけ付き合ってやろう」 バンバン 「じゃあ、ビターギグルとシェリフトードスターも呼んでみようか!」 ビターギグル 「ええっ、遊ぶの!? いいのかシリンジョン、こんな大人げない遊びに?」 シェリフトードスター 「ふむ……まあ、子どもたちの相手なら仕方ないな」 (皆でかくれんぼを始める) ジバニュームインファントの子供 「先生、ここだよー!」 シリンジョン 「……ほう、見つけたぞ」 (思わず小さく微笑む) ビターギグル 「ん……あれ? シリンジョンが微笑んでる……?」 シェリフトードスター 「まさか……子どもと遊んで喜ぶなんて、想像できなかったぞ」 バンバン 「ふふ、いいじゃん、ちょっとくらい楽しんでも!」 ビターギグル 「楽しむだと? あの冷徹なシリンジョンが? 信じられん……」 シェリフトードスター 「まったく……子どもが見ていないところでこんな顔をするなんて、ずるいな」 シリンジョン 「……うるさい……別に微笑んでなどいない」 バンバン 「ふふ、でも皆に見られちゃったね。もう隠せないよ~」 シリンジョン 「……くっ……」 (心の中で、子どもと遊ぶ時間は悪くないと思いつつも、絶賛ディスられて悔しがる) ジバニュームインファントの子供 「先生、笑ってる! ねぇ、楽しいでしょ?」 シリンジョン 「……少しだけ、な」
(続き) ダダドゥ卿 「ほほう……なるほど、シリンジョンが微笑んだとな?」 バンバン 「えへへ、聞いちゃったんだね、ダダドゥ卿」 ダダドゥ卿 「ふふ、想像してみるがいい……あの冷徹なシリンジョンが、子どもと戯れながら微笑む姿……」 シリンジョン 「……なんだ、そなたも聞いたのか」 ダダドゥ卿 「もちろんだとも。聞いた以上は、いたずらをせねば気が済まぬ」 シリンジョン 「……いたずらなど、許すと思うか」 ダダドゥ卿 「さて……君は“少し楽しんでしまった”という事実を隠そうとするだろう? だが……」 (ニヤリと笑う) 「我が目の前では、微笑む顔もまた……滑稽で美しい」 バンバン 「わー、ダダドゥ卿にまで言われちゃった……」 シリンジョン 「……くっ……黙れ……」 (顔を赤らめつつも、心の奥では少し誇らしい気持ちもある) ダダドゥ卿 「ほほほ……心の奥底で楽しんでいることは、隠せぬものだな」 シリンジョン 「……うるさい……だが……」 (小さく、もう一度だけ微笑む) ダダドゥ卿 「ふふ……やはり、美しい光景よ」
(続き) バンバン 「えへへ、やっぱりシリンジョンが笑うと、雰囲気がふんわりするね!」 ビターギグル 「まさか、あのシリンジョンが……笑うなんて……信じられん」 シェリフトードスター 「……少し和むな、見ているだけで」 ダダドゥ卿 「ふふ、笑う顔もいいが、無理に隠そうとするところも……たまらぬ」 シリンジョン 「……黙れ……」 (顔を赤らめつつ、しかし微笑むのをやめられない) ジバニュームインファントの子供 「ほら、先生、次は鬼ごっこしよ!」 ノーティーワンズA 「うんうん! 僕たちも参加する!」 シリンジョン 「……仕方ないな。少しだけだぞ」 バンバン 「よーし! じゃあ皆で鬼ごっこだー!」 (子どもたちと大人たちが混ざって走り回る) ダダドゥ卿 「ふふ……影を追いかける鬼ごっこ、これはこれで面白いではないか」 シリンジョン 「……くっ……」 (追いかける途中、また微笑みがこぼれる) ビターギグル 「見ろ……また笑ったぞ……!」 シェリフトードスター 「……ほんの少しだけだが、あの冷徹さが和らいでいる」 バンバン 「ね、ほら! やっぱり遊ぶのって楽しいでしょ?」 シリンジョン 「……ああ……少しだけ、な」
(続き) ノーティーワンズA 「ふぁ……もう……疲れた……」 ジバニュームインファントの子供 「……眠い……」 シリンジョン 「……よく遊んだな。無理もある」 (子どもたちの肩をそっと支える) バンバン 「よーし、じゃあ寝室まで運ぶぞー!」 ダダドゥ卿 「ふふ……影のように静かに、だな」 ビターギグル 「こんなに大人しく寝てるの、珍しいな……」 シェリフトードスター 「よし、そっと運べ。寝顔を乱さぬようにな」 シリンジョン 「……ああ……」 (子どもたちを抱えて歩きながら、微かに微笑む) バンバン 「シリンジョンも笑ってる! ほら、楽しそうに見えるよ」 シリンジョン 「……別に楽しんでなどいない……が……」 (心の奥では、今日のひとときが悪くないと思っている) ダダドゥ卿 「ふふ……微笑む冷徹……これはこれで美しいな」 ビターギグル 「いやいや、子どもたちを運ぶ姿まで絵になるとは……笑える」 シェリフトードスター 「……まあ、平和な夜だな」 ノーティーワンズB 「……おやすみ……」 ジバニュームインファントの子供 「……先生も、おやすみ……」 シリンジョン 「……ああ……おやすみ」 (全員を寝室まで運び終えて、深く息をつく)
(続き) シリンジョン 「……やれやれ、全員無事に寝かせたか」 (肩の力を抜き、深く息をつく) バンバン 「ふぅ……子どもたち、よく遊んだね~」 (くるくると手を回して伸びをする) ダダドゥ卿 「ふふ……影の中で微睡む子どもたちも、案外かわいいものだな」 ビターギグル 「いや……微笑むシリンジョンの方がもっと珍しい光景だ」 シェリフトードスター 「……まったく、あの冷徹者が少しだけ表情を崩すとは」 シリンジョン 「……黙れ……だが……」 (小さく息を吐き、ほんのわずかに微笑む)
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バンバンとダダドゥ卿の軽い小話 バンバン 「ねぇねぇ、ダダドゥ卿。あのシリンジョンが微笑む姿、もっと見てみたいな~」 ダダドゥ卿 「ふふ、それは難しいだろう。だが、あの一瞬の笑みを見た時の喜びは……忘れられぬものだ」 バンバン 「えへへ、また明日も遊ばせたら見られるかもね!」 ダダドゥ卿 「ほほほ……楽しそうにしている様を見るのも、また一興かもしれぬな」 シリンジョン 「……ふん、我々大人が何を言おうと、子どもたちの前では微笑むしかないのだろう」 バンバン 「ほらね~、シリンジョンも認めちゃった!」 ダダドゥ卿 「ふふ……微笑む冷徹者を愛でる夜は、まだまだ続きそうだな」
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バンバン 「おはよう、スティンガーフリン! 今日も元気にいこうよ!」 スティンガーフリン 「元気……というより、うるさい、だな」 バンバン 「えへへ、朝からテンション高めなのさ。ほら、空気も澄んでるし、遊ぶには最高の一日だよ!」 スティンガーフリン 「遊ぶ……か。子どもたちの相手でもするつもりか?」 バンバン 「そうそう! みんなでかくれんぼとか鬼ごっこしたら楽しそうでしょ?」 スティンガーフリン 「ふん……お前の“楽しそう”には付き合いきれんな。大人の務めもあるだろうに」 バンバン 「えー、でもスティンガーフリンだって、少しは笑顔を見せてほしいな~」 スティンガーフリン 「……笑顔か。お前の無邪気さには、時折困惑する」 バンバン 「そう言わずに! ほら、僕と一緒に遊ぼうよ。運動すると頭も冴えるよ?」 スティンガーフリン 「……冴える、か。まあ……付き合ってやってもいい」 バンバン 「やったー! じゃあ最初は鬼ごっこで決まり!」 スティンガーフリン 「ふん……油断するなよ、俺が鬼なら、容赦はしない」 バンバン 「えへへ、それも楽しみだね! さぁ、スタートだー!」
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バンバン 「……シリンジョン? いるかな……」 (静かな寝室に足を踏み入れる) バンバン 「……あれ……?」 (ベッドの上でシリンジョンがぴくりとも動かず、息も静か) バンバン 「……死んでる……?」 (慌てて顔の近くに寄るが、頬を触ると暖かい) バンバン 「う、うん……生きてる! よかったー」 (少し安心して胸をなでおろす) バンバン 「でも……すごく深く寝てる……」 (腕や肩の力を抜いて、静かに見守る) バンバン 「眠ってるときのシリンジョンって、なんだか……普段と違って、ちょっと可愛いかも……」 (小さく微笑む) バンバン 「……起こさないようにしよう……」 (そっと毛布を整えて、そっと部屋を出る)
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クイーンバウンセリア 「……それで、ダダドゥ卿。最近の子どもたちの様子はどうかしら?」 ダダドゥ卿 「ふふ……無邪気そのものですな。跳ね回り、笑い声を上げる様は、まさに生命の輝きよ」 クイーンバウンセリア 「あなたがそう言うのなら、きっと安心ね」 (ゆったりと微笑む) (――その横から、ギラリと強い視線が突き刺さる) シェリフトードスター 「………………」 (黙って二人を射抜くように睨みつける) ダダドゥ卿 「……む? ほほぅ……背筋に冷たい風が吹いたような……」 クイーンバウンセリア 「……あら、シェリフトードスター。あなた、何をそんなに睨んでいるの?」 シェリフトードスター 「別に……。ただ、その会話が……気に食わないだけだ」 ダダドゥ卿 「ほほほ……妬まれているようですぞ、女王よ」 クイーンバウンセリア 「ふふ……まったく、子どもみたい」 シェリフトードスター 「……チッ」 (さらに睨みを強める)
(続き) シェリフトードスター 「……クソッ……! なんであんなに楽しそうに話してるんだ……!」 (壁に寄りかかりながら、苛立ちを隠せない) ビターギグル 「おやおや~、そんなに顔をしかめて。まるでレモンを丸かじりしたみたいだねぇ」 シェリフトードスター 「うるさい……放っておけ」 ビターギグル 「放っておけるなら、とっくにそうしてるよ。でも、見ててわかるんだ。君、拗ねてるだろ?」 シェリフトードスター 「……拗ねてなどいない」 (顔を背ける) ビターギグル 「じゃあ、“悔しい”って顔? ふふ、どっちにしても君らしいねぇ」 シェリフトードスター 「…………」 ビターギグル 「でもさ、あの二人が話してるのは君を置いてけぼりにしたいからじゃない。安心しなよ。君が大事な仲間だってこと、みんな知ってるんだから」 シェリフトードスター 「……本当に、そう思うか?」 ビターギグル 「もちろん。僕がジョーク抜きで言うんだ、信じなって」 シェリフトードスター 「……ふん……少しは気が晴れた」 ビターギグル 「おっ、それでいい! 君が笑ってくれたら、僕のギャグもさらに冴えるってもんさ」 シェリフトードスター 「笑うとは言っていない」 ビターギグル 「いやいや、心の奥ではきっとニヤリとしてる。僕にはわかるんだよ~」
(続き) シェリフトードスター 「……フン、少しは気分が軽くなった……が、別に誰のおかげでもない」 ビターギグル 「はいはい、そういうことにしておくよ。ツンデレくん」 シェリフトードスター 「ツン……何だと?」 (背後から、軽やかな足音が近づいてくる) クイーンバウンセリア 「……ふふ。なるほどね。そうやって慰めてもらっていたのね」 シェリフトードスター 「っ……!? き、貴様……聞いていたのか!」 (顔を赤らめて一歩下がる) ビターギグル 「おやおや~、女王陛下直々に盗み聞きとは恐れ入るねぇ」 クイーンバウンセリア 「盗み聞きではなくてよ。ただ、戻ってきたら面白いやり取りが耳に入っただけ」 シェリフトードスター 「……クソッ……!」 (ますます視線を逸らし、耳まで赤い) クイーンバウンセリア 「あなたがそんなに表情を揺らすなんて……珍しいわ」 (小さく笑う) ビターギグル 「ほらほら、バウンセリア様もこう仰ってる。つまり君は、仲間思いで、ちょっと不器用なだけなんだよ」 シェリフトードスター 「……黙れ……!」 (両手で顔を覆ってしまう) クイーンバウンセリア 「ふふ……可愛いわね」 ビターギグル 「でしょでしょ? 僕もそう思ってたんだ」 シェリフトードスター 「………………」 (耐えきれず、さらに俯き黙り込む)
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バンバン 「やあ、ナブナブ! ちょっと話さない?」 ナブナブ 「……っ」 (肩をすくめて、視線を落とす) バンバン 「そんなに緊張しなくていいんだよ。僕は怖くないからさ」 ナブナブ 「……あ、あの……」 (声を出そうとするが、すぐに小さくなってしまう) バンバン 「おー! 今、言いかけたでしょ? 聞かせてよ」 ナブナブ 「……う……えっと……」 (頬を赤くし、手をもじもじさせる) バンバン 「大丈夫、ゆっくりでいいよ。僕、ちゃんと待つから」 ナブナブ 「…………っ……」 (口を開きかけては閉じ、なかなか言葉が出ない) バンバン 「……ふふ、なんだか可愛いなぁ。そんなに頑張らなくてもいいのに」 ナブナブ 「……か、可愛い……って……」 (ますます顔を赤らめて、両手で隠す) バンバン 「わっ、ごめんごめん! でも、本当にそう思ったんだよ」 ナブナブ 「………………」 (小さな声で)「……ありがと……」 バンバン 「うん! ちゃんと声聞けた。ナブナブの言葉、嬉しいよ」 (にっこり微笑む)
(続き) バンバン 「ねぇ、ナブナブ。君はみんなのこと、どう思ってる?」 ナブナブ 「……み、みんな……?」 (戸惑って視線を落とす) バンバン 「うん。無理に言わなくてもいいけど、君の気持ち聞いてみたいな」 ナブナブ 「……」 (少し考えて、小さな声で) 「……ビターギグルは……いつも笑ってて……でも……その笑い声を聞くと、ちょっと安心する……」 バンバン 「ふふ、そうなんだ。いいね」 ナブナブ 「……シェリフトードスターは……怖い顔するけど……本当は……誰よりも真剣で……すごいと思う……」 バンバン 「なるほど、ちゃんと見てるんだね」 ナブナブ 「……ダダドゥ卿は……大きくて……少し圧があるけど……子供と遊んでる時は……すごく優しい……」 バンバン 「ふふっ、そうそう。意外と面倒見いいよね」 ナブナブ 「……シリンジョンは……ちょっと怖い……でも……研究してる時の集中してる姿は……かっこいい……」 バンバン 「へぇー、そう思ってたんだ」 ナブナブ 「……クイーンバウンセリアは……綺麗で……近づくだけで緊張する……」 (小さく俯く) バンバン 「うんうん、それはみんな同じだと思うよ」 ナブナブ 「……で……バンバンは……」 バンバン 「僕? 僕のことも?」 ナブナブ 「……あの……いちばん……話しかけやすくて……いちばん……あったかい……」 (顔を真っ赤にして手で覆う) バンバン 「……わぁ、それは嬉しいなぁ」 (穏やかに笑いながら、ナブナブの頭をそっと撫でる)
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ナブナブ 「……あれ……ここ……どこ……? みんなは……」 (園内をきょろきょろしながら、不安げに歩く) スティンガーフリン 「……おい、小さいの。迷ったのか?」 (背の高い影が声を掛ける) ナブナブ 「……っ!!」 (ぎょっとして目を見開き、後ずさる) スティンガーフリン 「おいおい……そんなに怯えるな。俺は――」 ナブナブ 「……ひっ……!」 (涙がぶわっと溢れて、しゃがみ込み泣き出す) スティンガーフリン 「ちょっ……な、泣くな! 俺は別に……!」 バンバン 「――ナブナブ!!」 (駆け寄ってきて、ナブナブを抱き上げるように庇う) ナブナブ 「バンバン……っ……!」 (胸に顔を埋めて泣き続ける) バンバン 「スティンガーフリン! 何をしたんだ!」 スティンガーフリン 「……待て、誤解だ。ただ声をかけただけで――」 バンバン 「“声をかけただけ”? こんなに泣かせておいて?」 スティンガーフリン 「俺の見た目が怖いのは分かってる。だが、脅したりしてねぇ!」 バンバン 「それでも、もう少し気を使えなかったのか? 相手は子どもだぞ!」 スティンガーフリン 「……お前だって知ってるだろ。俺は優しくしてるつもりでも、こうなるんだ」 バンバン 「なら、なおさら慎重になるべきだ!」 スティンガーフリン 「……チッ。やっぱり俺には、子どもに関わる資格なんてねぇんだな」 (背を向けて歩き出す) ナブナブ 「……まって……!」 (泣きながら小さく手を伸ばすが、声は届かない)
(続き) ナブナブ 「……ただいま……」 (しょんぼりと扉を開けて帰ってくる) ナブナブリーナ 「おかえり、ナブナブ。……どうしたの? すごく元気ない顔してる」 ナブナブ 「……えっと……さっき……迷子になって……」 ナブナブリーナ 「迷子? 大丈夫だったの!?」 ナブナブ 「……スティンガーフリンに声をかけられて……でも……怖くて……泣いちゃって……」 (うつむいて、ぎゅっと袖を握りしめる) ナブナブリーナ 「……あぁ……」 (少し息をのんで)「……それで?」 ナブナブ 「バンバンが来て助けてくれたけど……フリンさん、怒られて……帰っちゃった……」 ナブナブリーナ 「……なるほどね」 (優しくナブナブの頭を撫でる) ナブナブ 「……ぼくのせい……ぼくが泣かなければ……」 (涙をこぼしそうになる) ナブナブリーナ 「ナブナブ、泣いてしまったのは仕方ないことよ。怖いって思う気持ちは悪いことじゃない」 ナブナブ 「……でも……フリンさん……悪いことしてなかったのに……」 ナブナブリーナ 「うん……。だから次に会った時は、“ごめんなさい”って言ってみよう? きっとフリンも分かってくれるわ」 ナブナブ 「……うん……言えるかな……」 ナブナブリーナ 「大丈夫。私も一緒にいるから」 (にっこり微笑む) ナブナブ 「……ありがとう……ナブナブリーナ……」 (少し安心したように微笑む)
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クイーンバウンセリア 「まあ……ダダドゥ卿。今日も堂々として頼もしいこと」 ダダドゥ卿 「ふ、ふん……当然だ。我が姿は常に威厳に満ちていなければならんからな」 クイーンバウンセリア 「ふふ……でも、子どもたちと遊んでいる姿も見たわよ? あれはとても愛らしかった」 ダダドゥ卿 「なっ……! そ、それは……その……余の慈悲深さを示していただけだ!」 (耳まで真っ赤にする) クイーンバウンセリア 「ふふふ。そんなに慌てなくてもいいのに。照れているのかしら?」 ダダドゥ卿 「ち、違う! 余は照れてなどいない! 断じてだ!」 クイーンバウンセリア 「では、この頬の赤みはどう説明するのかしら?」 (からかうように近づいて微笑む) ダダドゥ卿 「ぐっ……! ま、まことに失礼な女王よ……」 (そっぽを向くが耳はさらに赤くなる) クイーンバウンセリア 「ふふ……強がりなところもまた可愛らしいわ」 ダダドゥ卿 「か、可愛らしいだと!? 余は勇猛なる騎士ぞ! “可愛い”などという言葉、似合うはずがない!」 クイーンバウンセリア 「いいえ、立派で強いからこそ、そういう一面が可愛いのよ」 ダダドゥ卿 「………………っ!」 (完全に言葉を失い、赤面しながら黙り込む)
(続き) シリンジョン 「……ハァ。くだらん……何をやっているのだ、二人して」 (腕を組み、冷たい目で見下ろす) ダダドゥ卿 「な、なにぃ!? シリンジョン、今のを見ていたのか!」 シリンジョン 「見てしまったものは仕方ない。……“可愛い”? お前のような図体で、可愛いなどと持ち上げられて悦に浸るとは……笑わせる」 ダダドゥ卿 「なっ……!? 貴様、余を愚弄するか!」 シリンジョン 「事実を言ったまでだ。……滑稽すぎて、研究の邪魔だ」 ダダドゥ卿 「ほざくな! 余を侮辱することは女王をも侮辱することになるのだぞ!」 シリンジョン 「ふん……その理屈もまた滑稽だ。女王を盾にして、自分の恥ずかしい姿を隠しているだけではないか」 ダダドゥ卿 「このっ……!! 貴様こそ冷血すぎるのだ! 仲間を想う心もなく、ただ研究研究と……!」 シリンジョン 「それが私の存在理由だ。……お前のように甘ったれた感情に縋る愚か者とは違う」 ダダドゥ卿 「な、なんだとぉ!!」 (剣に手をかける) クイーンバウンセリア 「待って、待って!!」 (二人の間に割って入る) 「二人とも、落ち着いて! 私のせいで争わないでちょうだい!」 シリンジョン 「……女王、あなたが彼を甘やかすから、ますます滑稽になるのです」 ダダドゥ卿 「貴様っ……余を笑うのは構わん! だが女王を侮辱することだけは許さん!」 クイーンバウンセリア 「やめなさい二人とも! 本当に困るわ……!」 (頭を抱えてため息をつく)
(続き) シリンジョン 「……貴様、余を甘やかす女王の態度まで利用するとは」 ダダドゥ卿 「ぐっ……黙れ! 余は侮辱されて耐えられん!」 クイーンバウンセリア 「二人とも、落ち着いて! 本当に困るわ……」 (――その時、鋭い声が響く) シェリフトードスター 「何をやってる! お前ら二人、いい加減にしろ!」 (両手を腰に当て、睨みを効かせる) ダダドゥ卿 「し、シェリフトードスター……!」 シリンジョン 「ぐっ……見張っていたのか」 シェリフトードスター 「見張っていた? いや、通りかかっただけだ。だがこの程度のことで争っているとは情けない。いいか、相手が女王であろうと、俺の前で感情むき出しでやり合うな」 ダダドゥ卿 「うう……す、すまぬ!」 シリンジョン 「……承知した」 クイーンバウンセリア 「……ふぅ……やっと落ち着いた……」 (深いため息をつきながら頭を抱える) シェリフトードスター 「次に同じことをやったら、容赦はしない。分かったな」 ダダドゥ卿・シリンジョン 「……はい……」
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なんかバグ?でほとんど見られなかった…