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私の可愛いオバケくん

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私の可愛いオバケくん

3 - 私の可愛いオバケくん 第3話

♥

1,800

2019年09月18日

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小嶽涼

ちょっと話があるんだけど…

春風花純

(なんだろう…急に改まって…)

春風花純

いいよ

春風花純

じゃあ、今日、一緒に帰ろう

小嶽涼

わかった

春風花純

あっ!絢音に日本史のノート借りる約束してたんだ!

春風花純

また、帰りにね

小嶽涼

うん

彼に挨拶し、私は絢音の席に向かった。

若月絢音

花純ちゃん、遅いよ!

若月絢音

もう授業始まっちゃうよ

春風花純

ごめん、忘れてた

若月絢音

もう!

春風花純

(…また絢音に呆れられちゃった)

春風花純

(でも今まで通り、私のことをいろいろ心配しながら
変わりなく付き合ってくれてるんだよね)

若月絢音

見てたら先にあっち行っちゃうんだもん

春風花純

へへ

若月絢音

でも、ほんとに…

春風花純

ん?

若月絢音

花純ちゃんは大きなものと戦う生き方しかできないんだね

春風花純

なに、それ?

若月絢音

なんとなく、そう思ったの

春風花純

ふーん

絢音が言いたいことはわかったけど、 わかってないような振りをした。

若月絢音

はい、これ

若月絢音

昼休みに返してくれればいいから

春風花純

ありがと!

放課後、学校の帰りにファミレスに入った私たちは、二人でドリンクバーへ行き…

それぞれ選んだジュースを持って向かい合って座った。

小嶽涼

…………

春風花純

(髪の毛が邪魔で飲みにくそう…)

春風花純

ちょっと、待って

小嶽涼

…………!?

春風花純

(私は彼の隣に座って)

春風花純

(ラーメン屋でした時と同じように)

春風花純

(髪をまとめてあげる)

小嶽涼

ありがとう…

春風花純

飲んだり食べたりするときぐらい

春風花純

こうすればいいのに

小嶽涼

…………

春風花純

男子にしては、かなりの美形だと思うけど

小嶽涼

僕は…

小嶽涼

この顔のせいで…

小嶽涼

みんなから嫌われたから…

春風花純

え…どういうこと?

小嶽涼

きっかけは…小学生の時……

小嶽涼

クラスの女子から告白されて断ったら

春風花純

うん

小嶽涼

ちょっと顔がいいから

小嶽涼

調子に乗ってるって…

春風花純

言われたの?女子たちに?

小嶽涼

ううん

小嶽涼

クラスの男子も女子も、両方から

春風花純

そうなんだ…

小嶽涼

中学に入っても何度か女子から告白されて

小嶽涼

その度に断ったんだけど

春風花純

へー、モテたんだね

春風花純

(まあ…これだけの顔してればモテて当然だよね)

小嶽涼

今度は…

小嶽涼

顔はいいけど、性格が悪いって

春風花純

ひどいな

小嶽涼

すごく落ち込んで

小嶽涼

いろいろ悩んだんだけど

春風花純

だよね

小嶽涼

ある時…

小嶽涼

髪の毛を伸ばして顔を隠せばいいんだって

春風花純

思いついた?

小嶽涼

そう

春風花純

ふーん…

小嶽涼

でも、髪の毛を伸ばして顔を隠すようになったら

小嶽涼

今度は…オバケって、呼ばれるようになって

春風花純

そっか

小嶽涼

それからは…

小嶽涼

誰かが怪我すると『小嶽の呪い』って言われるようになって

小嶽涼

噂がどんどん大きな話になって広がって…

小嶽涼

自分で否定してもさらに何か言われるだけだって思ったから

小嶽涼

誰とも話しをしないうちに…

小嶽涼

一人ぼっちになって…

春風花純

…………

小嶽涼

日直の当番で一緒になって

小嶽涼

嫌でも僕と話さなければいけなかった女子が

小嶽涼

次の日に風邪をひいて休んだりした時なんかは…

小嶽涼

自分でも本当に『呪い』があるのかもって

春風花純

なんか…

春風花純

小嶽くんって他人のために生きてるんだね

小嶽涼

え?どういう意味?

春風花純

だって、自分の顔を隠してまで

春風花純

みんなとうまくやっていきたいって思ってるんでしょ?

小嶽涼

…………

春風花純

それって、どう考えても

春風花純

自分のために生きてるって、私には思えないから

小嶽涼

そんなことない

小嶽涼

自分が傷つかないためにやってることだから

小嶽涼

自分のために生きてるってことになるんじゃないの?

春風花純

それは違うよ

小嶽涼

どうして?

春風花純

みんなにどう思われるのかを意識しすぎてるから

春風花純

そういうことするんでしょ?

小嶽涼

…………

春風花純

それって…

春風花純

結局、みんなのために生きてるんだよ

小嶽涼

…………

春風花純

私ね…

春風花純

実は…小学生のとき…

春風花純

クラスのみんなから無視されたことがあるんだ

小嶽涼

え…

春風花純

今もそうだけど

春風花純

昔から付き合いのいいほうじゃないから

春風花純

クラスの中心にいる女子の誕生会に誘われたんだけど

春風花純

断っちゃったんだよね

春風花純

そんなに仲がいいわけじゃなかったし…

春風花純

その子と仲良くなりたいとも思わなかったから

春風花純

それが、きっかけで…

小嶽涼

そうだったんだ…

春風花純

そう

春風花純

でね…

春風花純

私がショックだったのは…

小嶽涼

…………?

春風花純

幼馴染でずっと仲良くしていた子がいたんだけど

春風花純

その子も私と口をきかなくなっちゃったこと

小嶽涼

…………!

春風花純

ある日、その子が近づいて来て

春風花純

こう言ったの…

春風花純

『みんながいないところでは今までどおり話せるからね』って

春風花純

その時、思ったんだ

春風花純

それって、もうその子じゃないなって

春風花純

みんなのために生きてるんだなって

小嶽涼

…………

春風花純

小学生の私なりに傷ついて

春風花純

いっぱい悩んで…

春風花純

もうその子とは付き合わないって決めたの

小嶽涼

春風さん…

春風花純

そして、その時に決めたんだよ

春風花純

私は本当の自分を隠して誰かと仲良くしようなんて

春風花純

絶対に思わないって

春風花純

友達なんて、いなければいないでいいし

春風花純

本当に仲良くなれる子ができたら、心から大切にしようって

春風花純

幸いにも、中学の時からの友達が一人いるし…

小嶽涼

若月さんのこと?

春風花純

よく知ってるね

小嶽涼

オバケだけど、毎日教室にはいるからね

小嶽涼

それくらい見てればわかるよ

春風花純

おっ、言うね〜

小嶽涼

へへ…

春風花純

それと…

春風花純

高校でも、友達がもう一人増えたしね

小嶽涼

え?

小嶽涼

それって…

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コメント

6

ユーザー

無事成仏しました😇

ユーザー

私もいじめられてるから、気持ちすっごい分かる!

ユーザー

涼くん可愛い笑

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