君になりたくて

　ガララ…と体育館へ入る。

一颯と陽真が二人で話していると姿が見えた。

陽真は明里の頭を少し荒く撫でた。

一颯は陽真の手を止める。

その時、凌と修也が小走りでやってきた。

明里は見入るように一颯のトスを見つめていた。

その時、首に冷たいものがあたる。

凌がドリンクを明里の首に押し付けていた。

凌は明里の横顔をじっと見つめた。

凌はぷいっと明里から目を逸らした。

2人は屋上に出た。

凌は明里の口を抑えた。

バシッ……バンッ…バンッ…

凌と一颯が2人で対人パスをしている様子を明里はただ眺めていた。

バシッ…バンッ…トンッ…

明里の声には耳を傾けない。

最初に桐山くんが急に尾瀬先輩にスパイクをし始めて…

凌が強くスパイクを打ってもボールは綺麗に凌の元へ帰ってくる。

バンッ…

一颯が打ったスパイクは凌の腕を弾き、コロコロと地面へ転がった。

凌はキッと一颯を睨みつける。

凌がボールを拾い、強く打ったスパイクは少し浮いてしまい、一颯の顔の横をスっと通り過ぎた。

その時、屋上の扉が開いて……

ゴッ……＿＿＿

陽真の顔面に直撃した。

……10分後。

ずっと3人は土下座させられ、説教を受けていた。

一颯はじっと明里を見つめた。

陽真は腕を組んで唸った。

凌はギョッとして一颯を見つめた。