私
私は生きていくのが辛い
私
学校から家に帰れば母親に殴られる。
私
そんな毎日。
私
ある日、私は学校の屋上から飛び降りようとした。
私
放課後、気づけば屋上にいた。
私
フェンスの方へ近づくと、三つ編みの女の子がいた。
私
「ねぇ、やめなよ。」
三つ編みの女の子
「なんで?」
三つ編みの女の子
「私は生きるのが辛いのに」
三つ編みの女の子
「なんで止めるの?」
私
「じゃああなたは何故死にたいの」
私
三つ編みの子は語った。
私
どっかで聞いた事があるような言葉を。
私
どこで聞いたのかは分からない。
私
でも言葉に反応した
三つ編みの女の子
「大好きな人がいたの...」
三つ編みの女の子
「私はその人が私のことを好きなのだと思い込んでいたの」
三つ編みの女の子
「私にだけ笑顔を見せたから。」
三つ編みの女の子
でもそれは違った。
三つ編みの女の子
他の女にとられたの。
三つ編みの女の子
その日を境にその男の子は私に見向きもしなくなったの。
三つ編みの女の子
私はその人に愛されたかった。
私
「ふざけんな!」と、怒鳴った。とにかく先に飛び降りようとしているこの人に怒りが湧いた。
私
「そんなことくらいで私の先をこそうだなんてさぁ!」
私
「もっともっと大切なものを奪われたことなんてあなたにはないでしょ!?」
私
「そんくらいで死ぬんじゃないよ!」
私
こんなふうにどなったら三つ編みの女の子はこう言った
三つ編みの女の子
「話したら楽になった。」
三つ編みの女の子
「ありがとう。私もうちょっと頑張ってみる」
私
と。
次の日
私
毎日憂鬱で、今日も授業を聞き流す。
私
そしてあっという間に放課後になった。
私
気がつけば、屋上に足を運んでいた。
私
辺りを見渡す。
私
やはり誰かがいた。
私
「あなたはなんで死のうとしてるの?」
背の低い女の子
「あなた誰」
私
「そんなんどうでもいい」
私
「私の質問に答えて。」
私
そして、背の低い子は語った。
背の低い女の子
「クラスで私を無視してくるの。」
背の低い女の子
「私は何もしていないのに。」
背の低い女の子
「なんで?って聞いたら、私がウザイから、だって。」
背の低い女の子
だから私は死のうと思った
私
「ふざけんな!」
私
昨日のように、怒りが湧いた。
私
私の方が嫌な思いしてるのに。
私
先に飛び降りようとしているこの人がウザイと感じた。
私
「家ではちゃんと愛されて!」
私
「あたたかくて、美味しいご飯もたるんでしょ!?」
私
「けど私は家に帰るとお母さんから殴られて、蹴られて...!」
私
「あなたとは違うんだよ!」
私
この言葉を聞いて、吹っ切れたように、
背の低い女の子
「お腹がすいた」
私
と、泣いて背の低い子は帰って行った。
私
私はこうやって何人かに声をかけて、
私
悩みを聞いて、怒鳴って...
私
でも私の痛みは誰にも伝わらないまま時が過ぎていく。
私
家に帰るとお母さんから殴られて、蹴られて。
私
お父さんは私がちいさいころに死んだ。
私
だから、誰も止めてはくれない。
私
そんなある日のこと。
私
初めて見つけた。
私
私と同じようなことで悩んでいる子。
私
その子は黄色いカーディガンを着ていたの。
私
その子の悩みは、
黄色いカーディガンを着ている子
「家に帰る度にお母さんやお父さんから殴られて増え続ける痣を消し去るために今ここに立っているの」
私
悩みを聞いて、私と同じような境遇の人がいるんだ、と感動した。
私
またいつものように「ふざけんな!」
私
と叫びたかったけど言えなかった。
私
この子は私と同じだから。
私
だから。
私
「ねぇ...やめ...てよ...」
私
どうしよう。私はこの子に死ぬな、と言えない。
私
私にはそう言う資格がない。
私
「ここから消えて!」
私
「君を見ていると苦しいの!」
黄色いカーディガンを着ている子
「わかった。」
黄色いカーディガンを着ている子
「今日はやめておくよ。」
黄色いカーディガンを着ている子
「ごめんね」
私
と、目を瞑って消えていった。
2日後。
私
今日こそは誰もいない。
私
私1人だけだ。
私
今までの嫌なことを思い返してみる。
私
「私に、嬉しいと思ったことはないじゃんか...」
私
と、泣きそうになる。
私
もう死ぬ覚悟はできた。
私
思い残すことはない。
私
私は黄色いカーディガンを脱いで、
私
三つ編みを解き、
私
長い髪の毛が風になびく。
私
「来世では...優しい両親に、学校でも友達がたくさんいて、恋愛とかもたくさんしたいな。」
私
と、小さく呟き、
私
私は消えた。
私
飛び降りる時の空は、オレンジ。空全体がとえも美しいオレンジ色だった。