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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

母さんは、昔作家だったんだよね?

母さん

ええ、まあ一応ね

母さん

物書きみたいに見えるかしら?

いいや、モデルと言われた方がしっくりくるね

母さん

ふふっ、お世辞が上手くなったのね

それなりに有名だったんでしょ?もう、書かないの?

前から疑問に思っていた。 母である清水未鈴はそれなりに知られた作家だった。 だが、何故か突然表舞台から姿を消したのだ。

母さん

そうねえ、もう書く気は無いわ

僕、読んだよ。母さんの作品

母さん

あら、恥ずかしいわ

どうしてもう書かないの?

母さん

母さん

創作意欲が湧かないのよ。それに、小説はもう私を許してはくれないわ、きっと。

許す?

母さん

父さん

まあまあ、湊もそう急かすなって、母さんにも色々あるんだよ

父さんが書斎からでてくる。彼は現役の作家だ。

父さんは、理由を知ってるの?

湊は必死だった。母の小説に惚れ込んでしまったのだ。

父さん

父さん

そうだなあ、まあ、想像は出来るぞ

じゃあ、教えてよ

父が微笑む

父さん

少し、昔話をしようか。いいだろう?未鈴さん

母さん

母さん

はあ…そうね、分かったわ。コーヒーでも入れましょうか?お父さん

父さん

あぁ、僕が淹れよう。母さんはホットでいいかい?

珍しく、父さんがそう言う

母さん

ええ、そうするわ

ポットがお湯を沸かす音だけが響く。 湊は期待していた。 偉大な小説家が紡ぐ物語に興味があった。 そして同じくらい、父と母の物語が聞きたかった。 コーヒーの香りが広がる。

父さん

さて、どこから話そうか

追憶―世代を繋ぐ物語

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