テラーノベル
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ur
差し出されたペットボトルを受け取る けど曖昧な返事をすることしかできない
病室の外にある談話スペースで 私の正面に腰掛けたurも微笑むだけだ
ur
et
urがくれたお茶を飲む
そこでようやく喉がカラカラに 乾いていたことに気づいた
ur
et
ur
そりゃそうだよ
数年前にいなくなった幼馴染で こんな場所で再会するなんて思わない
et
あの時表情が曇った理由を 今なら理解できる
naさんの好きな人はyanくんだ
et
et
ur
ur
その言葉に糸が切れた
抑え込もうとした感情が一気に溢れ出す
et
et
et
指先が震える
知らなかったんだ
私の中にこんな真っ黒な 感情があるなんて
醜い感情を口にするのが こんなにも怖いなんて
yanくんに出会ってなかったら きっと知らずに済んだのに
et
爪を立てた手のひらに血が滲む
ur
穏やかな声で言ったurの大きな手により 優しく、でも確かな力で解かれる
ur
仕方ないこと
そう言われるとそれが 免罪符になってしまう
et
ur
条件.....?
顔を上げると穏やかに 目尻を下げたurと目が合った
ur
心臓を直接叩かれたようなそんな衝撃だ
et
et
ur
ur
お願い、言わないで
聞いたら、気づいてしまう
目を逸らし続けてきた感情に 明確な名前を与えてしまう
聞いちゃダメだって思うのに耳を塞げ ないのは逃げる事に疲れたからかな
ur
urの言葉はどこにも引っかからず 私の心の中にストンと落ちた
yanくんのためを思うならそばにいる のは私じゃなくてnaさんがの方がいい
わかってるのに、心が嫌だと叫ぶのも
叶わないって知ってるのにバイクの 後ろに一番に乗りたいって思うのも
彼の言葉に一喜一憂したり 胸が高鳴ったりするのも
全部私がyanくんを恋愛対象として 好きだとすると納得がいく
あぁ、そうか、これが恋なんだ
私yanくんのことが好きなんだ
知らないふりをしてきた恋心に真正面 から向きあって存在を素直に認めたら
湧き溢れるように涙が溢れてきた
et
声をあげて聞き分けのない子供みたいに みっともなく泣いてしまった
恋ってもっと甘いものだと思ってた
でも、人生最初で最後の 私の恋はそうじゃないみたい
et
ur
et
この気持ちをyanくんに 伝えることは絶対にしないから
涙に濡れた目でurを見ると urは苦しそうに眉を歪ませた
ur
urってすごいね、魔法使いみたい
私の一番欲しい言葉で肯定してくれる
ur
ur
et
ur
et
私を笑わせるためにおどけて 言ったことには気づいていた
だから、笑った
うまく笑えている自信は なかったけどそれでも笑った
恋は自由
誰を好きでいてもいい
どんな形でも構わない
生まれたばかりの先が見えない 想いにurが光を与えてくれた
et
今はまだ本音じゃない
他の人と幸せになって ほしいなんて少しも思ってない
でも私に未来はないかな
せめて今は強がって時間を かけてでも心を追いつかせよう
ur
urの声はかすかに震えていて urの本心が伝わってくる
病気を打ち明けた時もっと自分の 思い通りに生きればいいのにって 言ってくれたことを思い出す
いつも寄り添ってくれる urの優しさにまた涙が溢れたんだ
病室に戻るともうyanくんはいなかった
ur
ur
ため息をついたurが頭をガシガシとかく
ur
et
気遣うそぶりを見せた urを笑顔で送り出す
するとタイミングを見計らっていたよう にカーテンの向こうから声がかかった
瞬間ドキッと心臓が跳ねる
na
緊張して何も話せないでいる私に naさんの声が静かに響く
na
naさんの声に色々な感情交じる
私はそれをどう受け止めれば いいのかわからない
na
et
自覚したばっかりの恋心を 言い当てられて息を呑む
その気配を感じ取ったのか naさんの小さく笑う声がした
na
et
na
間髪入れずに答えが返ってきて 布団を握る手に力が入る
na
na
そばにいたいと願う気持ちも それが叶わない痛みも
想像がついてしまうから苦しい
na
na
ずっと穏やかに語りかけていたnaさん の声に力がこもったのがわかった
na
凛とした言葉に私は何も言えなかった
コメント
4件
ヤバイヤバイヤバイ、えと彡なら…もう泣く(?)続き待ってます💞
na彡のyan裙の近くにいるからなかなか手強そう、、 et彡頑張れっ!! 続き楽しみ~!