テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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【原神】もしエウルアに姉がいたら

第7話 - 第2幕②

2024年03月16日

#原神

#微クロスオーバー

脊髄パパイヤ

時系列としてはスメールでダインスレイヴが登場する魔神任務の直後からフォンテーヌの第1幕より以前となっています

この物語には以下の点が含まれています・稚拙なセリフ・原作設定の捏造・オリキャラの登場苦手な方はご遠慮ください

ナヒーダ

こんな感じなんだけれども、突発的な出来事だったから対応出来なかったわ...。ごめんなさい

スカラマシュ

はっ！

スカラマシュ

君が止めていなかったら粘って追い返すことが出来ただろうに。

スカラマシュ

なんであんなことをしたんだ？

ナヒーダ

この前も言ったでしょう？

ナヒーダ

わたくしとあなたが全力を出しても敵わない。それにあなたがあれ以上戦っていたとしても結果は見えていたわ。

スカラマシュ

それはやってみないと分からないだろう！

ナヒーダ

いいえ、これだけは断言出来るわ。あなたのことを思っての判断よ。

スカラマシュ

だが！

旅人(空)

これはナヒーダの言う通りだと思う。

スカラマシュ

なっ...

スカラマシュ

旅人も僕を否定するつもりかい？

旅人(空)

俺も実際彼女と対峙して手も足も出なかった。

旅人(空)

ナヒーダの話を聞いて、あれ以上続けていたら命に関わると考えたさ

スカラマシュ

チッ。

スカラマシュ

ふん

そういうとスカラマシュは笠を被ってそっぽ向いてしまった。その背中からはやるせなさと怒りを感じる。

パイモン

ん〜話を聞いてかなり強い奴だということはわかるけどそれでもにわかには信じられないぞ...。

パイモン

実際ナヒーダや旅人が相対してそんな悲惨なことになるか？

旅人(空)

だってパイモンは最初にやられたし...

ナヒーダ

旅人はともかくわたくしは七神と言えど非力な方よ。

ナヒーダ

それに彼女は''律者''よ。相手が悪すぎるわ。

パイモン

リツシャ？

パイモン

うーん？

パイモン

あー！どこかで聞いたことがあるなと思ったらあの時のことか！

ナヒーダ

その通りよパイモン。教令院の暴走を食い止めた後、次の国フォンテーヌについて話していた時に少しだけ...。

旅人(空)

ナヒーダ。

旅人(空)

この際そのことについて知っていることがあれば教えて欲しい。

旅人(空)

実際、俺たちはその律者にやられてる。

旅人(空)

情報がないとどうしようもない。

パイモン

そうだな！オイラも気になるぞ！

ナヒーダ

...分かったわ。

ナヒーダ

ここ数百年姿を表さなかった凶物だから少しだけあなたに喋らなかったの。

ナヒーダ

だけれど、今わたくし達の目の前に出てきた以上知っていること全て話すわね。

旅人(空)

そもそも律者って何？

ナヒーダ

律者...。カーンルイアの厄災が起きた時に生まれた副産物だと思ってくれればいいわ。

パイモン

副産物？どういうことだ？

ナヒーダ

黄金の錬金術師レインドットが作り上げた妖力に満ちた魔物達が七国に牙を向いた...それがカーンルイアの厄災。

ナヒーダ

それはスメールも例外じゃなくて、まさに惨上...阿鼻叫喚の事態よ。

ナヒーダ

魔物の手はついに世界樹まで届き、その結果汚染されてしまったのだけれども何らかの力が働いて汚染されたものごと浄化に成功した。

ナヒーダ

この力に関してはわたくしはよく分からない...。

パイモン

浄化に成功したならいいんじゃないのか？

ナヒーダ

そこからが問題よ。妖力に満ちた魔物と言えども個体差があるの。弱い魔物もいるし、強い魔物も居る。

ナヒーダ

弱い魔物は他の神々が殲滅したり、世界樹の浄化で消滅した。だけど後者はそうも行かない。

ナヒーダ

より深く傷を世界樹につけた魔物にどうしたと思う？

パイモン

うーん...切り取ったとか？

ナヒーダ

正解よパイモン。

ナヒーダ

浄化で全てを消え去ることが出来なかった世界樹は汚染部分ごと追い出すことにしたの。

旅人(空)

(汚染を消し去るのは相当な代償が必要だ...。マハールッカデヴァタは死力を尽くして浄化を行ったのだろうか。)

ナヒーダ

世界樹から追い出された傷はアビスの深淵へ堕ちていき、そこで生き物に進化するかのように大きな力を持つまで成長した。

パイモン

その力を持ったのが律者か？

ナヒーダ

その通りよ。

ナヒーダ

巨大な力を持つようになったもうひとつの世界樹は自分の力で自壊することを恐れ、4つに分解したの。

ナヒーダ

そして各々4つの力は地脈に潜みランダムな人に寄生する...それが律者。

旅人(空)

それだとゼーレが何百年も生きている人になると思うけど...

ナヒーダ

勿論彼女は数年しか生きていない人間だわ。

ナヒーダ

律者の厄介な所は、強大な力を持っているに加え寄生していた人間が死亡しても、また次の人に寄生するの。

ナヒーダ

世界樹から分化した存在は地脈に潜み人間に寄生することができる...。それがカーンルイアの厄災が治まった後でも中々戦いが終わらなかった原因よ。

パイモン

ふええ...。

パイモン

4つに別れてて、勝手に湧いてくるなら今ごろテイワット大陸なんかめちゃくちゃになっているんじゃないか！？

ナヒーダ

幸い4つの内3つの律者は既にカーンルイアの厄災直後に神達が尽力を尽くして封印ができたの。

ナヒーダ

肝心の残り1つが今彼女の中に...ってことね。

ナヒーダ

残り1つは璃月の暗い暗い底で出現し、そしてモラクスによって葬り去られていたと考えていた...。

ナヒーダ

彼、しくじったのかしら。

ナヒーダ

幸い、一つだけ救い用があるのが時代を追うごとに律者は力を失っている。

ナヒーダ

彼女の中にある世界樹の力はカーンルイアの厄災直後の律者より少ないということになるわね...。

ナヒーダ

これが無ければ今の七神ではまず太刀打ちができない....。

パイモン

おい旅人...オイラ達どうやらとんでもない奴に出くわしちゃったみたいだぞ...。

旅人(空)

次は...絶対に勝つ

ナヒーダ

これがわたくしが知っている全ての情報よ。情報があまり少なくてごめんなさい。

パイモン

いやいや！オイラ達はすっごく助かってるぞ！

パイモン

なっ！旅人！

旅人(空)

うん。

旅人(空)

そもそもあの時に喋ってくれなかったら砂漠でゼーレが律者だということが分からなかったし、今こうして情報交換ができているわけで...

ナヒーダ

だと言いけれど...。

ナヒーダ

ところで、なぜ彼女が律者だということに気づいたの？

旅人(空)

マークが一瞬目に見えた。その時にナヒーダの話を思い出して...。

ナヒーダ

目に？

パイモン

ひし形のマークのことか？

パイモン

それって何を意味するんだ？

ナヒーダ

律者を象徴するマークであり、同時に神の目に近い機能を発すると考えられるの。

ナヒーダ

今まで出現した律者も皆そうだった。

ナヒーダ

だけど目に刻まれたのは初耳ね...

パイモン

マークが現れる場所もランダムなのか？

ナヒーダ

厳密にはそうだけども、神の目は人の心に関連し願いによって現れるのならば、そのマークもその人に思いありがあるところに発現する....

ナヒーダ

...というのがわたくしの前知よ。

パイモン

これに関してはエウルアに聞いた方が良さそうだな。

旅人(空)

だね

ナヒーダ

ん？

パイモン

あーいや！こっちの話だ！

ナヒーダ

そう...。

ナヒーダ

今度はわたくしが質問するのだけれども、あなた達が彼女と出会って砂漠で捜し物していたって聞いたわ。

ナヒーダ

良ければ詳しく聞いても？

旅人(空)

ゼーレは...終焉機っていう魔神の遺物を集めていた。

ナヒーダ

終焉....機？

ナヒーダ

それは...何かしら

パイモン

あれ？ナヒーダも知らないのか？

パイモン

キングデシェレトの王国を滅ぼした悪いやつのことだぞ！今はもう消滅したけど、そいつが作ったコアだけは未だに今も残ってるらしい。

ナヒーダ

ふむ...。

ナヒーダ

ごめんなさい心当たりがないわ。

ナヒーダ

後で調べておくわね。それを探し出し、何かしようと思っているのね？

パイモン

そういうこと！全部で...えーと...

旅人(空)

4つ

パイモン

そうそう全部で4つ！

パイモン

そのうち3つを既に手に入れちゃったんだよなー...

ナヒーダ

！

ナヒーダ

残り1つ...

パイモン

揃うと何か起きてるのかな...？

ナヒーダ

正直どんな影響を及ぼすのかわたくしにも予想がつかない。だけど、ろくなことが起きない。

ナヒーダ

これだけは言える。神の勘ってやつね。

スカラマシュ

あの女が言っていたことを思い出した方がいいんじゃないかクラクサナリデビ

ナヒーダ

と言うと？

スカラマシュ

あの機械については僕が1番知っている。

スカラマシュ

あの女が言っていた器。そして終焉機とやらのコア。十中八九終焉機のコアを埋め込むための器のことだろう。

スカラマシュ

元々、神の瞳を収納しても耐えるように知恵を集結させた機械だ。王国を滅ぼした魔神の残骸は少なくともそんじょそこらの物とは違うとは思うね。

ナヒーダ

....

パイモン

お、おいどうするんだ...？

ナヒーダ

もちろんこのまま指を加えて眺めている訳には行かないわよ。悠長なことも言ってられないし、すぐに最後のコアを彼女よりも先に奪取するわ。

旅人(空)

手伝うよ

ナヒーダ

本当にいいの？

パイモン

あったりまえだ！

ナヒーダ

....感謝するわ。ありがとう。

ナヒーダ

だけど、その前にこの子の肩を修理しないと...。

ナヒーダ

ほら、わたくしに見せてちょうだい。

スカラマシュ

いい！

スカラマシュ

あとは自分でやるさ!

ナヒーダ

あら、遠慮しなくてもいいのに

パイモン

ナヒーダもやることがあるみたいだし、オイラ達もできることを探そうぜ....

旅人(空)

そうだね

2人の作業を片目にスラサナンタ聖処を出ることにした。再び目の前には変わりない絶景が広がっていたがここまで落ち着かないのは初めてだ。

パイモン

ナヒーダの話を聞いていて思ったけど、世界樹から分化してできた存在ならゼーレがあんなに歴史を知っていたのが納得だよな...

旅人(空)

うん

パイモン

自分でやれることをやろうぜって言ったけれど何すればいいかわかんないぞ...

パイモン

とりあえずモンドに行ってエウルアに話すか？

旅人(空)

そうしよう。説得できる可能性があるからね。

自分達が石門を通った時突如として雨がポツポツと降ってきた。初めはにわか雨だと思っていたのだが、次第に地面に打ち付ける量が増えていき暴風雨と化した。にわか雨程度なら我慢して早足でモンド城に行こうかとしていたが、流石にこれは.......。

パイモン

スメールと璃月をようやく抜けたと思ったらこれかよ！とことん運が悪いぞ。

旅人(空)

靴に水入った...

旅人(空)

最悪...

パイモン

旅人、バッグに雨合羽あっただろ？出してくれよ

旅人(空)

この前枝に引っかかって破れたよ

パイモン

あ、そうだった。オイラがぶつかって旅人の分も破いたんだった...

パイモン

あのくぼみで休憩しようぜ。もうすぐでモンド城に着くとしてもこの雨じゃ無理だぞ....

何もできることがないので、通り雨だということを信じて窪みで待っていた。冷たい風が自分たちに当たって少々悴むのでパイモンは最初こそくしゃみをしていたが、10分もするとウトウトしはじめ自分の肩に頭を置いてくる。全くと思っていると自分もつられていつの間にか眠っていた。

次に自分が目を開けると雨の中ではなく、白い景色だった。またかと思って前に目をやると予想通り、枯れた木とゼーレがそこにいる。1回目はこの木の正体は分からなかったが、ナヒーダが言った通りだったならこれは分化した世界樹なんだろう。負のエネルギーにさらされている木は枯れ、葉っぱすら残っていない。

ゼーレ

また、会ったわね。2回目？

旅人(空)

俺としては3回目だけどね

ゼーレ

？

ゼーレ

まあいいわ

旅人(空)

それでどういう要件？

ゼーレ

要件って...

ゼーレ

私から来たわけじゃないのに。

ゼーレ

こっちのセリフよそれは

旅人(空)

俺も気づいたらここにいるんだから知らないよ...

ゼーレ

さあ。私も分からない

旅人(空)

何それ...

ゼーレ

だけど予想はできるわ。

ゼーレ

あなたが初めてスメールに足を踏み入れアランナラに遭遇した時世界樹の空間に入り込んだように、律者の中にある世界樹にあなたが接触してしまった.....

ゼーレ

ってとこかしら

旅人(空)

ナヒーダと話して、君のことが少しだけわかってきた。終焉機のコアで何をするのか分からないけど、君を説得するためにエウルアと会いに行くよ。

ゼーレ

そう。楽しみね

旅人(空)

あの時はあんなに素っ気なかったのに？

ゼーレ

なんのこと？

旅人(空)

いや...なんでもない...

ゼーレ

だけど楽しみな反面、罪悪感もあるのが正直な気持ちよ

旅人(空)

罪悪感？

ゼーレ

私のせいでローレンス家は完全に没落してしまった。

ゼーレ

かつてのモンドの圧政によってローレンス家が忌み嫌われているのに加え、没落によってあの子には小さい時から周りに味方なんていなかったし、友達もいなかった。

ゼーレ

モンドを守る騎士になったとしても未だ敵だらけ...。

ゼーレ

こんな状況になったのは自分が弱かったから。自分が我慢出来なかったから。

ゼーレ

全部...自分が悪い。

旅人(空)

...

ゼーレ

あの子に顔向けもできないわ。罵られても文句は言えない....

旅人(空)

エウルアはそんな人じゃないよ。

ゼーレ

....だといいんだけど

旅人(空)

何があ

パイモン

旅人...！旅人....!

旅人(空)

！

パイモンの声によって夢から目覚めた。白い世界から一転し、朝日のような鮮やかしい後継が広がっている。

旅人(空)

...パイモン？

パイモン

ふぅ、やっと起きた。何回呼んでも起きないから心配したぞ....

旅人(空)

どうしたの？

パイモン

どうしたって...晴れたんだぞ！雨が止んだんだ！

旅人(空)

あ、そっか...

旅人(空)

じゃあ行こうか

パイモン

旅人って変な体験ばっかしてるよな！

旅人(空)

体験というか、なんというか...

旅人(空)

ほとんどが受け身なんだけどな....

パイモン

たしかになー。

パイモン

旅人とゼーレが会った回数が違うのは意味が分からなくないか？色々と齟齬が生じてるぞ...

旅人(空)

さぁね

パイモン

それで詳細を聞き出そうとしたらオイラに呼び覚まされて区切られちゃったと？

旅人(空)

そうだよ

旅人(空)

せっかく話を聞き出せるチャンスだったのに...

パイモン

仕方ないだろ...！オイラはそもそも知らなかったんだ！

旅人(空)

それもそっか...

モンド城の門をくぐり、騎士団本部へ行くため長い階段を登っている時に2回も世界樹の世界へ訪れたことを話すとパイモンは目を見開いて驚いていた。

そんな会話をしていると、いつの間にか騎士団に着いていた。いつもなら人集りができている入口は、不気味なほど誰もおらず静寂そのものだ。サボり倒しているグースカピーの警備2人組もおらず、なんだか侘しい。

パイモン

ん？あれ？

旅人(空)

誰もいない...。

旅人(空)

雨が降ってからかな？

パイモン

いや、雨の日でも警備はいるもんだろ...

パイモン

とりあえず入ってみようぜ？誰かいるかもしれない

西風騎士団本部ホール

パイモン

んん！？

パイモン

誰もいないし、あかりもついてない！

パイモン

本当に騎士団だよな？

パイモン

オイラ達間違えて別の場所に入っちゃったとかないよな！？

旅人(空)

パイモン、落ち着いて

リサ

あら驚いた。

リサ

パイモンちゃんとかわい子ちゃんじゃない

パイモン

リサ！ジン！久しぶりだな！

ジン

名誉騎士？何故ここに？

パイモン

少し野暮用でな！

パイモン

ところでなんでこんなに静かなんだ？いつもなら人がいっぱいで賑やかなのに

ジン

ああ、今日は休日でな

旅人(空)

騎士団に休日なんてあったんだ...

ジン

毎日皆には頑張って貰っている。体を休ませる日も必要だ。

パイモン

その休む日になんでジンとリサが...？

ジン

まあ....そういうことになる

パイモン

(休日でも....)

旅人(空)

(働いてる....！)

リサ

司書の仕事はそこまで大変じゃないから私は休日を潰したところで影響はないわ。

ジン

リサ？

リサ

冗談よ。

リサ

あなたこそ本当に大丈夫なの？あなたが休日を増やすといった言い出しっぺなのに休まないなんて

ジン

仕事は私の部屋の机に山となって置かれているからな。

ジン

それに騎士団が休んだとしてもモンド城のトラブルは休んではくれない。それを対応する人員は必要だろう？

リサ

ならせめて休憩を確保してちょうだい。またあなた目の下にクマができているわよ。

ジン

休憩？休憩なら先ほど取ったじゃないか。

リサ

ん？

ジン

？

ジン

先程地下室で紅茶を飲んだだろう？

リサ

...

リサ

まさかエウルアが出ていったあの後のことを喋っているのジン...

ジン

？そうだが

リサ

ふぅ...

パイモン

今エウルアって言ったか？

ジン

ああ。少し彼女と重要な話が合って非番の日に呼び出してしまったんだ

パイモン

それってだいたい何分前ぐらいかわかるか?

ジン

ん？えーと...

リサ

15分前ぐらいかしら。

リサ

そんなに慌ててどうしたの？

パイモン

オイラ達エウルアに用があるんだ。どこに行ったかわかるか？

ジン

本来彼女は非番の日だからそのまま戻ったんじゃないか？

リサ

ジン。それはないと思うわ。

リサ

風龍廃墟だと...

ジン

...確かに。あの感じじゃそうかもしれない

パイモン

風龍廃墟？そうか!分かった!ありがとう！

ジン

確定では無いぞ...!

ジンの言葉が耳に入ることはなく、2人は慌てて騎士団本部を後にした

ジン

行ってしまった...

パイモン

お、おい！本当にこんなところにエウルアが居るのかよ！

旅人(空)

分かんない....

旅人(空)

だけどジンの言葉を信じるしかない...

パイモン

うぅ...なんでこんなに風が強いんだ...。

パイモン

油断したら飛ばされそうだぞ....

旅人(空)

なんだろうこの元素の量...

旅人(空)

パイモンは吸っちゃダメだよ

パイモン

分かってるって

旅人(空)

(風龍廃墟の入口は暴風のせいで入れなかった...。)

旅人(空)

(幸い風元素の濃度が低いところを見つけて内部に入れ込めたけども...。)

旅人(空)

(それになんだこの高密度の元素は...。霧みたいに前が見えない。)

旅人(空)

(パイモンは吸わないように気をつけてるけど長居はできないな...)

旅人(空)

(１回身を休めれるとこを見つけて休憩しよう...。このままはぐれたりする可能性が合って危険だし...。)

わちゃわちゃしながら歩いていると崩れた遺跡の中に入って落ち着くことにした。風がビュービュー吹いてる音がするにしても、ここなら落ち着いて話すことができる。

パイモン

ふぅ...やっと落ち着いた。

パイモン

なぁ、人影にひの文字すら見つかんないぞ？

パイモン

帰ろうぜ...

パイモン

夜か明日ぐらいになればエウルアもモンド城に足を運ぶだろ...

旅人(空)

うーん...

旅人(空)

(ジンの言葉を聞いて風龍廃墟にすっ飛んできたけど不作だったか...。)

旅人(空)

(これ以上は...無理だな....)

旅人(空)

(パイモンの言う通り明日モンド城に行ってみるか...)

旅人(空)

(ん....？アビスの使徒...？)

ここから20mもしない距離にアビスの使徒がそこに突っ立っていた。アビスも何かを探しているかのような素振りでいる。普通はお互いこの距離なら気づいているが暴風のおかげでここまでの接近が可能になった。

旅人(空)

パイモン

ん？どうしたんだ旅人

旅人(空)

あれ、アビスの使徒だよね？

パイモン

んん？んーー...あ...そう...だな

パイモン

なんでこんなところにいるんだろう。どうする?

旅人(空)

どうするも何も見過ごすことはできないよ

パイモン

そうだな。

パイモン

ちょ、ちょっと！オイラを置いていかないでくれ！

空は気づいたらそこから飛び出して、片手剣を構えながらアビスの後ろを斬り掛かる。なんでこんなところにアビスがいるんだろうと疑問が頭にあったがどうせろくなことでは無い。早めに芽を潰しておいても損は無いなと思いながら急接近すると、流石に相手も気づいて戦闘態勢に入った。

アビス

！？

アビス

貴様っ！

旅人(空)

せやっ！

大きく振りかぶった片手剣の刃は正確に肩あたりを捉え腰あたりまで切る事ができた。大ダメージを負ったアビスは抵抗する術なく崩れ落ち地面に片膝をついているが依然何が起きたかどうかわかっていない様子だ。

アビス

何故貴様がここに！？

旅人(空)

それはこっちのセリフ。ここで何をしているの？

アビス

言うわけがないだろう！

旅人(空)

じゃあ俺も言わない

アビス

ちっ....あの女から逃げ切ったと思ったら今度は貴様か...

旅人(空)

(女...？)

パイモン

旅人！後ろ！！

旅人(空)

！

アビス

油断したな！

旅人(空)

(2体目がいたのか...!)

旅人(空)

(剣でギリギリ受け止めたけど....)

？？

避けて！

遠くから叫び声が聞こえてきた。そして走る音と共に大剣を持った女性が姿を現す。

アビス

また、貴様か！いい加減にしろ！

？？

私に目をつけられたのが運の尽きよ！

アビスの上空から降ってきたつららによってアビスの体が貫かれたおかげで身動きが取れなかった。そこに腰目掛けて大剣を振りかぶった。為す術なくアビスの体は一刀両断されて絶命する。

パイモン

エウルア！？

エウルア

はぁ...はぁ...はぁ....

エウルア

なんであなた達がここにいるのか分からないけど...

エウルア

旅人が背後を取られるなんて珍しいわね

エウルア

もしかして腕が落ちたのかしら？

旅人(空)

油断してた。助かったありがとう

エウルア

どういたしまして

パイモン

どうなるかと思ったぞ。旅人!良かったな！エウルアがちょうどいたぞ

旅人(空)

うん。手間が省けてよかった

エウルア

？

エウルア

何、私になにか用？

パイモン

そうだぞ、わざわざモンド城からここにやってきたんだからな

エウルア

え？聞こえない！

パイモン

モンド城から風龍廃墟まで！来たん！だぞ！

エウルア

え！？

旅人(空)

パイモン、風が強すぎて聞こえないから移動しよう

パイモン

え？

旅人(空)

...

パイモンを半ば強制的に引っ張って先程の遺跡の所まで戻ってきた。

エウルア

私は少し野暮用でここにやってきたけど、道中でアビスの使徒と出くわして......。追っていたらあなた達と会った。

パイモン

そういうことなのか。オイラ、いきなりエウルアが出てきたからびっくりしたぞ

エウルア

それはこっちのセリフよ。パイモン

パイモン

へへっ。野暮用って言ってるけど詳しく聞いてもいいか？

エウルア

....実は、長年行方不明だった姉さんの消息が掴めて...

パイモン

え？

エウルア

これ

パイモン

なんだこの写真

エウルア

ジンから貰ってきたの。その写真に姉さんが映っていて...

パイモン

たまたまか？

エウルア

そうよ

パイモン

よく見たらここじゃないか！

エウルア

そうよ。ちょうどさっき彼女から写真を貰って何か手掛かりがないか調べてたの

パイモン

なるほどなぁ...

エウルア

さっ、私がここに来た訳を話したのだし、今度はあなた達が喋る番じゃない？

パイモン

あー....えーっとだな

旅人(空)

パイモン、最初から話すつもりで来たんでしょ？

パイモン

うう、そうだな。実は...

砂漠で起きた出来事を事細かくエウルアに打ち明けた。終始彼女は驚いて目を大きく開けていたが開いた口が塞がらないとはこのことなんだろう。

エウルア

にわかには信じらないけど...本当？

パイモン

本当だぞ！エウルアのお姉さんのおかげで大変な目にあったんだからな！

エウルア

それはごめんなさい。でもなんでそこに？

パイモン

具体的なことは分かっていないけど、とんでもないことをしでかすことは分かっているぞ...

エウルア

....

パイモン

なぁ、エウルアが直々に説得してくれないか...？

エウルア

ちょっと待って....頭の整理が...

騎士団本部と風龍廃墟で知った事実の量が多すぎて、頭が混乱している。忽然と目の前に現れたものにどうしても狼狽えてしまい、脳が考えるのを辞めてしまうのだ。だけどここでくよくよしてては........。直接会って真実を見極めないと.......

エウルア

まだ整理が追いついていないけど、私も是非あなた達に着いていきたい。

パイモン

おお！頼もしいぞ！

エウルア

それに数年ぶりに会ってみたいから。

1日後

ナヒーダ

缶詰知識が2個足りていない....ですって？

スカラマシュ

そう言っている

ナヒーダ

...

スカラマシュ

管理人が巡回していた時に気づいたそうだよ。

スカラマシュ

教令院の連中はガラクタの1つ2つも管理できないんだね。

ナヒーダ

あなたが起こした騒ぎがきっかけで1層缶詰知識の管理は口うるさく言っていたのに...。

ナヒーダ

どういう種類の缶詰知識がないのかしら？

スカラマシュ

僕もボソボソ話を聞いただけだが、どうやら何も入っていない空の缶詰知識らしい。

ナヒーダ

空の...？

ナヒーダ

盗まれたことは確定ではないにしろ、余程物好きのようね。

スカラマシュ

どうするんだい？

ナヒーダ

申し訳ないけれどこれに関してはアルハイゼンと大マハマトラに任せるわ。

ナヒーダ

わたくし達は一刻も早く正機の神をなんとかしないと

そうこう言ってるうちにスラサナンタ聖処の扉がギギギと開き、パイモン、空、そしてエウルアが入ってきた。初めてスメールに来たエウルアはスラサナンタ聖処の神々しい内装に釘付けらしい。

パイモン

待たせたな！

ナヒーダ

あら、おかえりなさい。

ナヒーダ

...その後ろの方は？

エウルア

私はエウルア。エウルア・ローレンス。

エウルア

砂漠で起きた出来事を聞いてここに飛んできたの。

パイモン

エウルアはゼーレの妹だから説得してもらうために着いてきて貰ったんだ。

ナヒーダ

姉妹だったのね。

ナヒーダ

わたくしはナヒーダ。

パイモン

エウルア、ナヒーダは...えーと...

ナヒーダ

スメールを統治させてもらっているの。俗にいう七神よ。

エウルア

えっ？

ナヒーダ

気軽にナヒーダと言ってちょうだい。

エウルア

え...ええ。

エウルア

(このちっちゃい子供が神？クレーとほぼ同じような年齢に見えるけども....)

エウルア

(この人が本当に神なら、旅人の人脈は侮れないわね....)

ナヒーダ

それでここに戻ってきたということは準備は万全ということでいいの？

旅人(空)

うん。いつでも行ける

ナヒーダ

あまり時間は残されていないおかげで対策が練れていないけれど...。

ナヒーダ

彼女よりも先に最後のコアを取り戻すことが第1目標よ

パイモン

回収するのは良いとしても、オイラ場所を知らないぞ？

ナヒーダ

正直わたくしも分からない。

パイモン

ないのかよ！

ナヒーダ

けれども、伝えはあるわ

パイモン

伝え？

ナヒーダ

ええ。

ナヒーダ

パイモン、終焉機のコアを封印した人は？

パイモン

え、アランナラだろ？

パイモン

....あっ！そういうことか！

ナヒーダ

察しがいいようね。早速ヴァナラーナに行ってみましょう

ゼーレ

げほっ....げほっ....

ゼーレ

(何回目の吐血なんだろう...。もう数えるのを辞めちゃった...。)

震えた指で懐から緑の液体が入った注射器を首あたりに刺した。薬が首に入っていく事にようやく呼吸が落ち着いていき、投げ捨てるかのようにそばに置いた。

ゼーレ

効き目が....薄くなってきた...

ゼーレ

(右目の視界がどんどんぼんやりになってきている...。足のピリピリと痺れててあんまり動かないな...。)

持って数ヶ月...いや数週間か....

早く終わらせないと....

自分が自分で無くなる前に

【原神】もしエウルアに姉がいたら

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脊髄パパイヤ

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【原神】もしエウルアに姉がいたら

第7話 - 第2幕②

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