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久しぶりのコメントでごめんなさい…!気づいたらたくさん更新されていてビックリしました…。。いろんなことが起こり過ぎて頭がパンクしそうなんですけど…?笑 今まで通り孝太くんラブに変わりはないので続きも楽しみにしてます…!
3年のクラス替えで吉田グループはバラバラのクラスに入れられてしまいました。取り巻き達の中で1人だけ柚月君や孝太君と同じクラスになった人がおり、その人が信太郎です。 さらりと取り巻き達の名前が明らかになりましたね😳 信太郎の件もシーズン2第1話で説明しましたが、さして重要じゃないので覚えなくていいです😳 読んでくださりありがとうございました❗
~お詫び~ ワクチン3回目の服反応でぶっ倒れておりました。 更新が遅れて申し訳ございません。
~jealousy 2~
僕の通う中学の校舎はL字型に配置されている。
「L」の縦線部と横線部にあたる校舎は接続されておらず、2つの校舎を行き来するには1度外に出ないといけない。
「L」の横線に平行して自転車通学の生徒用の駐輪場が設けられている。
職員室や校長室は縦線部に配置されている為、つまり縦線と横線が接するこの場所は大人の目があまり届かない。
故にこの辺りは飲みさしの缶がよく転がってるし、先人達による落書きも多い。(内容も過激)
職員室前で吉田に捕まった僕は、「無法地帯」と呼ばれているこの場所に連れて来られていた。
吉田
2つの校舎を行き来するには外に出ないといけない、と言っても、一応上靴のまま移動出来るように渡り廊下のような物は設けられている。
そこを中程まで進むと、吉田が立ち止まり振り返った。
三津屋 篤
吉田
吉田
吉田
まだ誤魔化せる、と思っていた僕を嘲笑うかのように 吉田は核心を突いて来た。
しかもかなり正確に。 ずっとひた隠しにして来た僕の感情を。
__いつの間にか俯いてしまっていたようだ。 視界に吉田の上靴の先が入った_____
___その瞬間。 吉田は片手で僕の両頬を掴むと無理矢理 上を向かせた。
否応なしに吉田と目が合う。 その目が愉しげに細められた。
吉田
吉田
吉田の声が、不思議なエコーを伴って体中を走り回る。
同時に心臓の鼓動もボリュームを上げた。
吉田
吉田
吉田
吉田
吉田
吉田
吉田
吉田
三津屋 篤
僕の顔から吉田の手が離れた。 心臓が煩い。
吉田は笑みを浮かべたまま僕に視線を注いでいる。 僕は逃げるように視線を逸らした。
___吉田の勧誘にYesかNoか、この場での決断を求められている。
答えは決まってる。 息を整えた。
僕は________
三津屋 篤
秀平
吉田
駐輪場の影から、吉田と同じように派手に制服を着崩した男子生徒が出て来た。
彼は3年間吉田と同じクラスで、最も吉田に忠実な取り巻きだ。
吉田が篤をここに連れ込む際も、元とは言え相手は生徒会長だから、と自ら監視約を買って出た。
彼__秀平(しゅうへい)は、篤が去った方向を不満気な顔で睨んだ。
秀平
吉田は賛同も否定もせず、足元に転がって来た空き缶を爪先で弄んでいた。
そんな吉田を見て秀平の不満も徐々に萎んでいき、今度は不安そうに眉尻を下げた。
秀平
吉田
吉田
吉田
秀平
吉田
秀平
吉田
吉田は不機嫌さを隠そうともせず低くく吐き捨てた。 秀平は慌てて矛先を変えた。
秀平
吉田
秀平
吉田
秀平
吉田は空き缶に踵を乗せると舌を覗かせて笑んだ。
吉田
吉田
吉田
吉田
音を立てて 空き缶が踏み潰された。
吉田
心が傾く、とはあの瞬間を言うのかもしれない。
吉田の勧誘は、思わず頷いてしまいそうな不思議な説得力があった。 やはりそう言う才能はあるようだ。
それでも 僕はなんとか自我を保った。
危うく騙されそうになった。あの提案を呑んだら僕はどうなる?
僕が無いと言ったら無いことになる? それは便利な隠れ簑(みの)と言うこと。
利用されているだけじゃないか。つまり吉田より身分が下と言うことになる。
僕は「一番」になりたいんだ。
でも
誰にもどこにも吐き出せなかった僕の感情を
吉田は根こそぎ掬い取った。だから今日はぐっすり眠れる気がする。
そう思うのもまた事実だ。
やはり昨日に比べると全然よく眠れた。 体が軽い______
____のは下駄箱までだった。 鳴沢 柚月と山崎 孝太が連れ立って歩いていた。
「いい子」を演出するため挨拶してあげることにする。
三津屋 篤
鳴沢 柚月
山崎 孝太
相変わらず怪物を相手にしているような怯えた目と警戒する目。 気に入らない。
これ以上会話を続ける気は無いので、営業スマイルをサービスしてさっさと2人を抜き去る。
___下駄箱の側面に、なにやら派手なポスターが貼られているのに気がついた。
以前吉田の取り巻き達が幼稚なビラを貼っていたが、今回は違う。 「英語の勉強は順調か!?」と暑苦しいフォントが紙面いっぱいに踊っている。
あぁ…もうすぐ「それ」の時期か……と思っていると、後ろのいけすかない2人もポスターの存在に気づいたようだ。
鳴沢 柚月
山崎 孝太
僕は舌打ちしたくなるのを堪(こら)えながら下駄箱をあとにした。
____鈴木先生は3年の全クラスの英語を担当している。 そして一般入試が近づくこの時期に、入試頻出単語100問の抜き打ちテストを行うのだ。
1年の時に配られる英単語帳の「入試頻出」の欄に載っている単語からしか出ないし、あの派手なポスターは近々そのテストを行うことのサインだ。
「100問テスト」はこの学校の伝統みたいな物になってるから、先輩や家族から聞いている人も多い。
つまり抜き打ちと言ってもちゃんと対策出来るテストだ。 当然僕は生徒会に在籍していたので、先代の生徒会長からそのテストの存在は聞かされていた。
____そしてこれは生徒会にも部活にも在籍せず、交遊関係も狭い鳴沢柚月にとって大きなハンデだ、と思っていたのだが。
それも今日までだ。 テニス部に在籍し、既にテストの存在を知っていたのだろう山崎孝太が鳴沢柚月に教えてしまった。
どうしてあの人は余計なことばかりするんだ。 これで鳴沢柚月のハンデはなくなった。
きっとあの人はそのテストでも高記録を叩き出す。 僕は。僕はまた___
___気がつけばまたランキング表の前にいた。 どれだけ目を凝らして探しても、鳴沢柚月の上に僕の名前は無い。
一番になりたいのに、どうして。どうして…
「ローリスクハイリターンなやり方教えてあげようか?」
不意に、吉田の声が聞こえた気がした。そう言えば昨日この場所で同じ誘い文句を_______
____振り替えると、昨日と同じように吉田が立っていた。 脇に忠実な腰巾着、秀平も控えている。
吉田
√2の平方根も言えないくせに、この洞察力は何なんだろう。
顔を逸らした僕に秀平の野次が飛んだ。
秀平
吉田
しかし吉田は片手で秀平を制する。 そして僕に視線を固定したまま、その目を細めた。
吉田
秀平
秀平
吉田
秀平
三津屋 篤
秀平が足軽のように廊下を駆けて行った後、僕はやっと言葉を滑り込ませることに成功した。
吉田は目を細めたまま僕の肩に手を置いて囁いた。
吉田
吉田
その日の体育の後の授業中、筆箱の下に折り畳んだルーズリーフが挟まっていることに気づいた。
鳴沢 柚月
山崎 孝太
鳴沢 柚月
鳴沢 柚月
山崎 孝太
鳴沢 柚月
そっと紙を開いてみた___
信太郎に柚月の英単語帳盗ませた。体育の後。信太郎がめっちゃダッシュしてたの気づいたか?
今お前の机の中にある。 確認しただろ今w
リスクを負ったのは単語帳を盗んでこの手紙をお前の机に置いた信太郎だけ。 お前はただ持ってるだけ。
ローリスクどころか公言しなかったらお前はノーリスク。
ハイリターンってのは言わなくても分かるよな優等生w
お前の様子は信太郎を通じて把握できる。そのまま単語帳を持っとくなりチクるなり それはお前の自由だ。
オレはお前が学年1位になる手助けをしたつもりだけど、この状況を上手く利用したら絶対お前が1位になると思うけど
元とは言え生徒会長だから不正は許せないってのはあるかもな。だから別にチクってもいい。
ただそれでハイリターンかどうかは保証出来ないけど。
それともう1つ。 もしお前がチクらないって選択をしたら
オレと共闘成立ってことになるよな? 大歓迎だぜお前なら。
オレと一緒に発散しようぜ! 別に返事とか書かなくていいからな。信太郎を通じて把握できるし。
吉田
信太郎
吉田
信太郎
吉田
通学路を外れた所にあるハンバーガーショップ、「パクドナルド」。
放課後。 吉田と取り巻き達は店の中央に陣取り、周囲を気にせず騒いでいた。
隣のテーブルに座るサラリーマンが聞こえよがしに咳払いした。 ___しかし吉田達は意に介さずお喋りを続ける。
吉田に奢って貰ったチョコパイのカケラをテーブルに大量に落としながら かぶりついていた信太郎が口を開いた。
信太郎
秀平
信太郎
秀平
秀平と信太郎が揃って首を傾げた。他の取り巻きも吉田を見る。
吉田
吉田
吉田
吉田
_____涙混じりの絶叫が花火のように頭の中で鈍く響いた。 それは遠い昔の_____
__吉田は軽く頭を振ってそれを押し返すと、ポテトを口の中に放り込んだ。
吉田
吉田の手が再びポテトに伸びた時____
??
__隣席のサラリーマンが、吉田達に体を向けていた。
騒いでいた取り巻き達がぴたりと押し黙った。 じろり と吉田はサラリーマンに視線を向ける。
??
??
吉田
肩をすくめてサラリーマンから視線を外した瞬間___
??
__サラリーマンはゆっくりと、その単語を口にした。 吉田の目が再びサラリーマンに向いた。
??
??
吉田
??
??
取り巻き達の顔が一気に青ざめた。 サラリーマンは温度の低い目で彼らを順番に撫でる。
??
??
??
吉田が舌打ちした。 吉田の目もまた鋭く、冷たい光を放っている。
??
サラリーマンの顔からついに笑みが消えた。
??