薄暮の空に願い賜ふ

私は其の日

ある事を心に決めました。

これでいいのです。

あの方々に迷惑が掛かるくらいなら

私など

如何して……敦くんが……？

バレてない、よね

嗚呼、敦くんにまで諭されてしまった

どれほどみすぼらしいのでしょうか

でも、そう言って貰えて嬉しかったんです。

嘘だとしても、本当だとしても

其の言葉をかけていただけて

心の底から嬉しかったんです。

あの日

あの場所で会った時

もっとしっかり止めていれば

あの人の考えを読めていれば

もっと変わったのかも知れません。

話し掛けた時、あの人はとても驚きました。

まるで、今会うのはバツが悪いと言う様に

之くらいは僕でも分かります

この笑顔は嘘であると

作りものであると

僕は違和感を覚えとある話をしました。

先輩に対して何を言ってるんだ

国木田さんが居たらきっとそう言われたのでしょう。

其れでも僕は精一杯気持ちを伝えたつもりでした

其れが伝わったのかは分かりません

でも、少しでも〇〇さんの役に立てれば

心を揺さぶることが出来たのなら

嬉しかったのです

ここで納得せずに真意を聞いていれば

きっとあんな事にはならなかったんだと思います。

否、これは社員の行動を確認していなかった私のせいですね。

雨に直接振られたのは何時ぶりでしょう

しがらみは消え、心配する事など何も無い

其れなのに

何故か、雨は冷たく重く

私に降り注ぎました。

此場所は私が助けていただいたところ

気が付けば雨の中

私は其処に向かっていました。

皆さんの下を離れるというのは

思っていたよりも辛く

耐え難いものでした。