アーサー・カークランド
今、仕事で日本に来ているのだが、今回は菊との仕事じゃない。
どうしても菊に会いたくて。 少しだけでも菊の姿を見たくて。
たまたま会った菊の上司に、どうにか会う方法がないかたずねると、菊はこの時間にここに来るはずだと教えてくれた。
……のだが。
アーサー・カークランド
帰りの飛行機に乗る前に、どうしてもどうしても菊に会いたくて、必死で人混みの中に菊の姿を探した。
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
そう思い、少し近づくと、
アーサー・カークランド
菊と、菊ととても近い距離にいる女性の姿が、俺の目に飛び込んできた。
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
そう思った、次の瞬間。
菊と女性が、目を見合せて、顔を赤らめて、微笑んだ。
アーサー・カークランド
そこだけが、その2人の表情だけが、 その瞬間だけが、
やけに鮮やかに、切り取られたようにはっきりと、俺の目に映って。
アーサー・カークランド
やっぱり、 俺じゃ菊の隣にはいられない。
やっぱり、 俺にあの笑顔は向けられない。
虚しさや、悔しさや、情けなさが、 急に心を痛めつけてきて、
泣き出してしまいそうになるのを堪えるので必死だった。
アーサー・カークランド
俺は、あのまま感情に飲み込まれて行動してしまうのが怖くて、逃げるように立ち去った。
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
少し落ち着いて、冷静になると、 つい、涙が溢れてしまった。
アーサー・カークランド
一度溢れ出したら、もう止まらない。
あぁ…ダメだ…
あんなにも決定的な瞬間を目の当たりにしたくせに、まだ諦められないなんて…
まだ、好きでいることを辞められないなんて…
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
自嘲的な苦笑いがこぼれる。
アーサー・カークランド
俺は、菊にこっぴどく振られることを、この時本気で覚悟した。
前回の世界会議から数ヶ月後。
今年2度目の世界会議が行われることになった。
いつも通り会議開始時間の30分前に来てルートさんとお話していると、
アーサー・カークランド
本田菊
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
いつになく真剣な、何かただならぬ決意が感じられる表情だった。
本田菊
本田菊
アーサー・カークランド
本田菊
スタスタと去っていくアーサーさんの後ろ姿を見つめながら、
本田菊
と、告白を期待している私がいた。
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