もう5月だ
夏のように暑い日々
汗ばんでいて
ワイシャツの首元は濡れている
時々吹く風が涼しい
とにかく…急がないと
いつまでも教室で涼んでいたら
外で待ってるレディに 申し訳ないね
僕は走って待ち合わせの場所へ
アキ
お待たせ
待っていた彼女も
5月の暑さに弱いのか
少し疲れていて
首筋の汗が美しい
ヒロノ
大丈夫
そう言って笑った彼女の笑顔は
僕の顔を熱くさせた
木漏れ日の下なのに
まるで日光に直接あたっているかのようだ
暑い…
アキ
それで…話って?
ヒロノ
実はね
ヒロノ
アキ君のこと好きです
ヒロノ
付き合ってください
彼女の僕に対する想いや言葉が
僕を焼き尽くした
あまりの暑さに耐えられず
僕はベンチに座り込んだ
ヒロノ
だ、大丈夫?
彼女の心配がとても寒かった
やっぱり笑顔が一番!
アキ
大丈夫だよ
ヒロノ
良かった!
だから…
僕は困った
「笑わないでくれ」
そう言ってしまうと
南極のように寒くなるだろう
5月なのに冬のような寒さ…
考えるだけで恐ろしい
体の中が沸騰したかのように
湧き上がっている
ヒロノ
へ、返事…
アキ
あ、ごめん…
アキ
実は僕も好きでした
アキ
付き合ってください
こうして僕達は付き合うことにした
ヒロノ
手繋いで帰ろ?
彼女の手は優しく僕を包んだ
その柔らかさや彼女の笑顔に
まだ5月で木漏れ日の下で
僕は日焼けした