緋織
これくらい...大丈夫よ
緋織
(やっと...守れた)
信女
...っ
信女
『黒縄島に展開する全部隊に伝える』
信女
『直ちに戦場から離脱しなさい』
信女
『上空部隊は敵艦隊の牽制とともに地上部隊の退却の援護を』
信女
『可能であればこれを収容し離脱を』
信女
『...異三郎は、多分、戻ってこない』
信女
『ここからは各自自分の命を最優先に』
信女
『生き残ることだけを考えて行動して』
信女
『たとえ、見廻組がなくなっても』
総悟
おい、緋織...大丈夫か?
信女
緋織を連れて行って、
信女
早く...
信女
私の気が変わらないうちに、
信女
早くしないと、
信女
来る
緋織
...!!
虚
.......
信女
国の命すら攫う...本物のカラスが
緋織
虚
虚
骸...一度ならず二度までも主を裏切りますか
虚
1度目は、この私を、2度目はあの男を
虚
どちらも命は同じだった
虚
あの男を斬ることだった
緋織
刃物を取る
信女
私はもう...誰の命にも従わない
緋織
!!
信女
それが、異三郎であろうと、貴方達でも...
信女
誰を斬ることになっても、自分の意思でこの剣を振るう
信女
それが、私の贖罪
虚
骸...どうやら君の羽は、とうの昔に散っていたようですね
虚
その羽じゃどこはも飛べはしない
虚
どこへも逃げられはしない
信女
ハッ
虚
まことの八咫烏の羽からは
虚
何者も逃れられはしない
緋織
受け止める
緋織
飛ぶ必要なんてないわよ
緋織
私たちはもうカラスじゃない
緋織
死神でもない
緋織
人なんだから
緋織
ゆっくりでも、自分の道を歩いて行くの
虚
...!!
緋織
逃げなさい!貴方達は
緋織
邪魔よ
緋織
斬り合い
虚
斬り合い
総悟
(あのバケモンとギリギリで渡り合ってやがらァ...)
総悟
(あの剣筋を...感だけで捌いている...)
総悟
(いや、あれは、知っているのか?あの剣を)
総悟
(幾千回交わった剣と邂逅したように、剣だけが、反応している...)
緋織
何なのよ!貴方は!
緋織
何故あの人と同じ顔、声で、同じ太刀筋なのよ!
信女
落ち着いて!そんなんじゃこの化け物には勝てない
信女
加勢する
虚
ふっ笑
虚
地面に叩きつける
信女
カハッ
緋織
信女!
総悟
剣をはらう
緋織
斬る
緋織
貴方達は退いていなさい!
緋織
邪魔なのよ!
神楽
そんな体じゃ緋織が死んでしまうネ!
緋織
信女!虚とは何なの!
総悟
こいつは何者だ
信女
天に仕えながら...天に辿り着いたカラス...天照院奈落
信女
先代首領にして、天導衆になった男
信女
虚
緋織
私がいた時は、虚という人はいなかった
虚
まだ分からないのか
虚
私が松陽を殺した男ですよ
虚
貴方の剣は私には届かないニコ
緋織
ピク
緋織
私に...
緋織
お前が...
緋織
その顔をするな!睨
緋織
お前がァ!松陽を!!睨
虚
首を斬る
緋織
ッ
神楽
緋織ィ!!
信女
冷静になって!本当に死ぬわよ!
総悟
倒れてる
神楽
倒れてる
緋織
ハァ...ハァ...
信女
ハァ...ハァ
虚
突き刺す
緋織
ッ
信女
庇う
緋織
剣を虚の足に刺す
信女
捕まえた
緋織
捕まえた
虚
そちらも...動けるものはもういませんよ
銀時
いるよ
銀時
ここに!!
銀時
俺の剣が届かなくても、俺たちの剣なら届くだろ
銀時
失せろ亡霊
銀時
斬る
神楽
ハァハァ
総悟
ッッ
緋織
ハァ...ハァ
虚
起き上がる
銀時
...!!
緋織
!!
総悟
き、傷が ...
虚
だから言ったでしょう
虚
君の剣じゃ、私は斬れない
総悟
旦那ァ緋織、これ以上は
緋織
.....っ
緋織
(足が...)
総悟
肩を抱く
総悟
しかっりしろ
緋織
ごめん...
総悟
走る
緋織
走る
銀時
走る
銀時
誰だ...あいつは一体...
銀時
誰なんだァ!!
信女
あの人であって、あの人ではないもの
信女
一つだけハッキリ言える...
信女
松陽を殺したのは、貴方じゃない
信女
あの男よ
夜
新八
こっちにも敵が!
新八
逃げ場が...どこにもない!
銀時
クソ...クソッタレがァ!
緋織
ハァハァハァ...
信女
肩を支える
緋織
...!!
異三郎
.......
信女
ハッ
異三郎
バタン
土方
...!!
近藤
...........
総悟
.........!!
奈落
真選組局長近藤勲
奈落
見廻組局長佐々木異三郎
奈落
相違ない
朧
よくやった
朧
貴様達が掲げていた旗はもうない
朧
これで終わりだ
真選組
...ガタガタ
緋織
.....(佐々木異三郎が...この子の、大切な人が...)
銀時
まだ終わってねぇ!!
銀時
勝手に...終わってんじゃねぇ!!
銀時
前を見ろ!剣を握れ!!
銀時
戦え!
銀時
真選組ィ!!!
土方
.....!!
土方
うぉおおおおお!!
数隻の船から味方が降りてくる
朧
...!!
朧
何故奴らが...
近藤
行くぞ真選組!地獄でも極楽でもねぇ!俺たちの江戸に生きて帰るんだァ!!
総悟
笑
神楽
笑
銀時
笑
砲撃
緋織
信女!信女!
信女
...ッ
緋織
ホッ
緋織
(良かった...)
信女
異三郎...起きて...こんなところで死ぬなんて許さない...
信女
約束したじゃない...
信女
貴方は...私が殺すって...
信女
だからまだ...私は死なない...
信女
腕を肩に回す
信女
貴方も死なせない...
異三郎
...そんな古い約束...とうの昔に忘れちゃいましたよ
異三郎
錆びた鎖に繋がれていた貴方も死んじゃいますよ
信女
家族を殺した仇がどうなろうと、貴方の知ったことじゃないでしょう
異三郎
仇なんて、本当はここにはいないんじゃないですか?
信女
...!!
異三郎
ーーーーーーーー
異三郎
気づいていながら私はあなた仇だといい、あなたを利用したんです
異三郎
倒れる
異三郎
私に、命を懸けて守る価値はない
異三郎
貴方がこれ以上利用される理由も...
信女
異三郎...私は貴方の仇...それでいいの
信女
私も貴方と一緒...
信女
たとえ仇であっても...誰かに隣にいて欲しかった...
信女
たとえ仇と呼ばれても、誰かの隣に居たかった...
信女
ひとりぼっちになりたくなかった...
信女
ひとりぼっちにさせたくなかった...
信女
私と貴方が隣にいる理由なんて...それぽっちで足りるじゃない...
信女
だからお願い...立ち上がって足を止めないで...
信女
私たちはまた全てを失ってしまったけど、あの時とは違う...
信女
貴方が私にくれた名前は決してなくならない
信女
今井信女は貴方の隣から決していなくならない
信女
何度何かを失おうと、その目を閉じない限り
奈落
斬ろうとする
緋織
斬る
異三郎
...!!
緋織
片方を支える
信女
私たちは...1人じゃない
緋織
佐々木異三郎...遅くなったけど
緋織
信女を育ててくれてありがとう...
緋織
この子を変えてくれてありがとう
緋織
私の代わりに隣に居てくれて...本当にありがとう
信女
...!!
異三郎
...お礼を言われる扱いしていませんよ
緋織
笑
緋織
私みたいな最低な姉より、貴方の方が生きる価値あるわ
緋織
だから生きてこの子の隣に居てあげて
異三郎
.......
土方
!!
土方
こっちだ!早くしろ!
土方
出せ!
緋織
(あと、少し...)
異三郎
2人を押す
緋織
!!
信女
!!
奈落
刺す
異三郎
これからは貴方が姉として隣にいないとダメですよ
異三郎
家族なんですから
緋織
!!
異三郎
笑
信女
異三郎ォ!!!泣
異三郎
船から落ちる
信女
嫌ァ!!異三郎ォ!!泣
信女
ッッ泣
信女
異三郎ォオオオ!!!泣
緋織
...っ
緋織
.........(信女...)
信女
メールを打つ
信女
空へ投げる
近藤
長官殿に敬礼!!
真選組
敬礼
信女
(異三郎...素敵な名前をくれて、ありがとうだお)
緋織
(私とは全然似てない...)
緋織
(私はあんなに強くは無い...)
緋織
(似なくて良かった本当に...)
緋織
(私の...自慢の妹)
次回♡38








