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【週末短編】怪しい小瓶。−後編−

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【週末短編】怪しい小瓶。−後編−

1 - 【週末短編】怪しい小瓶。−後編−

♥

1,257

2022年04月10日

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キヨ。

はぁ…

そんな都合のいいもの、あるわけない。

あの瓶は偽物で なんの効果もないただの液体。

レトルト

ふふふ…

キヨ。

何笑ってんの?

レトルト

いや…溜息ついておもろいなーって

レトさんがさっきからニヤニヤしながら 俺の顔を見ていた。

レトルト

キヨくん

レトルト

俺の紅茶になんか入れたやろ?

キヨ。

えっ…?

バレてた?

わからないようにしたはずなのに。

レトルト

俺を騙せると思うなよ!

レトルト

あんな心配そうな顔で見られたら
さすがに気付くわ!

キヨ。

どういうこと…?

レトルト

嫌な予感がしたから

レトルト

ティーカップ交換したんよ

レトルト

だってキヨくんがあんな優しいわけないもん

キヨ。

えぇー?

キヨ。

そっかぁ…

キヨ。

バレちゃってたか…

珍しく察しがいいレトさんは ご機嫌そうにふんぞり返っていた。

レトルト

で?

レトルト

何入れたん?

キヨ。

えっと…

キヨ。

…これです

俺は小瓶をレトさんの前においた。

レトルト

なにこれ…

瓶をつまんで 説明書を読んでいる。

レトルト

えっ…これって…

レトルト

本物なの?

キヨ。

え、わかんない

キヨ。

それを確かめようと思って

キヨ。

レトさんに試しました…

レトルト

ふーん…

ジトっとした目をして 俺を見つめるレトさん。

レトルト

ねぇ

レトルト

俺に媚薬使って何するつもりだったの?

キヨ。

それは…

キヨ。

まぁ…わかるじゃん?

レトルト

じゃあさ

レトルト

俺が交換したその紅茶

レトルト

キヨくんが飲んでみてよ

キヨ。

えっ!?

レトルト

それ飲んで、本物かどうか
確かめてみてほしいなー

手を付けていない目の前の紅茶を 俺はじーっと見つめる。

キヨ。

嫌だなぁ…

レトさんは期待の眼差しで こちらを見ている。

キヨ。

いただきます…

ゴクッ

レトルト

どうどう?

レトルト

なにか変化ある?

少し甘いような味はしたが 体に変化はないようだ。

キヨ。

特には…

そう思ったその時だった。

キヨ。

うっ…

体が急に熱を帯びる。

違和感を感じ、水を飲もうと 立ち上がろうとした。

レトルト

キヨくん!?

キヨ。

っはぁ…ごめ…力はいんない…

レトルト

あれ本物なの!?

レトルト

どうしよ…

レトルト

とりあえずベッドいこ

俺の体を支えながら ベッドに寝かせてくれた。

レトルト

俺、水取ってくるから―

キッチンに向かおうとする レトさんの腕をがっしりと掴む。

キヨ。

レトさん…っ

ドサッ

レトルト

ちょっ…

レトルト

キヨくん…?

キヨ。

ごめん、なんか…

キヨ。

抑えられなくて…

キヨ。

今すぐあんたをめちゃくちゃにしたい

自分でもわかってる。

とんでもないことを口走っていること。

レトルト

うえっ!?

レトルト

でもキヨくん…息荒くなってるんだから

レトルト

休んだほうがいいんじゃ…

キヨ。

無理

キヨ。

ほんと…どうにかなりそうだ

あの媚薬は本物だった。

こんなに制御ができなくなるほどの 効果があるとは…

レトルト

キヨくん…つらいの?

恐怖からか少し泣きそうな顔で 俺を見つめるレトさん。

ああ…そんな顔されたら…

レトルト

俺でキヨくんが楽になるなら

レトルト

いいよ

レトルト

このまましても

キヨ。

ほんとに…?

レトルト

うん…

レトルト

だって…

ふにゃっと笑って 俺の頬をそっと触る。

レトルト

こんなキヨくん、新鮮なんだもん

レトルト

求められるって、嬉しいね

レトルト

最近忙しくて相手できなかったから

レトルト

拗ねちゃったのかな?

キヨ。

……うん

キヨ。

レトさん冷たかったから

レトルト

それはごめんね

レトルト

謝ったから

レトルト

ほら、好きにしていいよ

そう言って両手を俺の首に回す。

キヨ。

…煽るなよ

そこで俺の理性の糸は プツッと途切れた。

THE END.

この作品はいかがでしたか?

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コメント

4

ユーザー

まさかのキヨに…!!新鮮!!嬉しい!

ユーザー

うわぁぁぁぁぁぁ!!!R来るかと思ったら来なかったけど最高すぎるぅぅぅぅ!!!!ありがとうございますぅぅ!!!!

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