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【裏庭】

トウヤ

……鳳さん?どうしたんだ?
寄宿舎には行かないのか?

エム

マンホールが気になっちゃて…
これって開けたままでいいのかな〜?

エム

もし誰かが落ちちゃって…怪我とかしちゃったら…!

エム

でも、穂波ちゃんはフタは放っておいてって言ってたし…

エム

どうすればいいかな?!

トウヤ

ここにあるのはみんな分かっているだろうから、気をつけるだろう…多分、大丈夫だと思うぞ。

エム

言われてみたらそうだね!
杏ちゃんが、また見回りに来るって言ってたし、大丈夫そうだね!

エム

教えてくれてありがとう〜!
じゃあ、あたしは部屋に行くね!冬弥くんもしっかり寝てね〜!

エム

おやすみ!

トウヤ

あぁ、おやすみ。

鳳さんと白石…望月さん。 頼りになる人が沢山いて安心だな。

トウヤ

俺も…部屋に行くか…。

ガチャ…

ここが…俺の個室になるのか…

確かに…悪い部屋では無さそうだが…

トウヤ

…鍵?
これがこの部屋の鍵なんだろうか…

モノレン

ビーンゴ!よくわかったじゃん!
それはこの部屋の鍵だよ!

モノレン

まぁ…ここに盗まれる物なんて無いと思うけど…

モノレン

出かける時は、ちゃんと鍵を掛けておいた方がいいよ!

モノリン

ここで!モノリンのスペシャルヒーント☆

モノリン

他の人の鍵を盗んじゃえば〜…こっそり部屋に忍び込んでサクッと殺れちゃいま〜す☆

トウヤ

…うるさい。そんなヒントなんていらないぞ。

モノリン

お、怒ってる?!☆

モノレン

静かに怒るタイプか…分かりずらいなぁ…

やっぱり…こんな所は最悪だ。 早く…みんなで帰りたい。

トウヤ

はぁ…疲れたな…

と、ベットに倒れ込んだ途端、俺はもう起き上がれなくなってしまった。

あまりに色々な事が起きたせいで、すっかり忘れていたが…

身も心も…もうクタクタだった。

トウヤ

………………

俺は今まで…父さんに言われた事は全てこなしていた。

いや…ただ、やらされていた。

今まで…コンクールで取ってきた賞も、超高校級の称号も… 自分の力で取った訳じゃない。

今日…俺が自分の意思で1人無茶をしたせいで、みんながバラバラになってしまった。

むしろ、その判断さえも、花里さんのおかげでできたんだ。

俺は…自分1人では何も出来ないのかもしれない。

神代さんは俺を『中心人物』と言っていたが、俺には全く相応しくない。

……………

俺はショパンの『雨だれ』を頭の中で再生しながら、浅い眠りへと落ちていった。

キーンコーンカーンコーン

モノクマーズ

おはっくまー!

モノカイト

ふわぁ〜…才囚学園放送部からお知らせだよ。

モノメイコ

朝8時よ!

モノリン

さて、今朝は誰か死んでるかな〜☆

モノレン

殺人はいつでも大歓迎だぜ!

モノメグ

すや〜すや〜

モノカイト

じゃあ、今日もコロシアイ新学期を楽しんできてねー!

トウヤ

……………

トウヤ

朝起きたら全部夢だった…なんて事はやっぱりないんだな…

こんな事を言ってる場合じゃなく…食堂に集まる約束だったよな。

みんな待っているだろうし…早く行かないとな。

トウヤ

おはよう。小豆沢。

コハネ

あ、うん。おはよう…

トウヤ

こんな所でどうしたんだ?
食堂に行かないのか?

コハネ

えっと…今から向かうところだけど…

コハネ

あの…青柳くん。

トウヤ

?…どうしたんだ?

コハネ

…………………

コハネ

ううん…もうみんな集まってるだろうし、早く行こう…!

小豆沢…どうしたんだ? 何か迷っている様だったが…

まぁ…それは後で聞けば良いか。 それより、俺も行かないとな。

【食堂】

トウヤ

あ…みんなもう来ていたのか。
遅くなってしまってすまない。

サキ

ううん、大丈夫だよ!

カナデ

これで…全員揃ったね。

カナデ

犠牲者は出てないみたいだよ。

アン

よ、良かった〜…

エナ

当然の事でしょ!?

ミズキ

ところで、冬弥くんは大丈夫?

トウヤ

え?…大丈夫って…何がだ?…

ミズキ

ほら、昨日みんなによってたかって責められたせいで、落ち込んだでしょ?

アキト

は?急になんだよ。
もう終わった話だろ?

ミズキ

ホント…みんな酷いよね〜。
冬弥くんが可哀想だよ…

ミズキ

みんなを励ましただけなのに、思い通りにならなかったからって責めるなんてさ。

ミノリ

今日の朝、わたしがみんなに説明したのもよくなかったのかもしれないけど…

ミノリ

どうしてそんなに蒸し返すの?

アイリ

ていうか!そもそも最初に冬弥くんを責めたのはアンタじゃない!

ミズキ

えっ?ボ、ボクのせい?…
今度はボクまで…責めるの?

ミズキ

うわああああああああんっ!
酷いよ〜!酷いよ酷いよ〜!

シホ

はぁ…騒がしい。

ツカサ

だが、実際にそうだぞ!
どいつもこいつも無責任に冬弥を責めやがって…

ルイ

まぁまぁ…きっとみんな疲れてただけだよ。

ツカサ

そんなもん…言い訳になるか!!!

トウヤ

つ、司先輩…大丈夫です!
もう全然気にしてませんから…!

トウヤ

むしろ…俺もあまり周りが見れていなかったよな。あの地下道にこだわりすぎた…

トウヤ

だから…俺の方こそすまない。

ツカサ

………………

ツカサ

そうか……お前がそれでいいなら、オレもそれでいいだろう…。

ミズキ

あー、よかったよかった!これで一件落着!だね!

ハルカ

元はあなたが言い出したことだよね?

ミズキ

あぁ、あれは嘘だよ。
みんなの結束を固めるための優しい嘘ってヤツ?

ミズキ

…知らなかった?
ボクの嘘の半分は優しさでできてるんだよ?

イチカ

それこそ嘘くさいよ…

トウヤ

もういいんだ…またみんなで話し合おう。

トウヤ

どうすれば一緒にここから出られるのか、もう一度みんなで考えよう。

モノクマ

その前に、お知らせがありまーす!

ネネ

きゃぁっ!

マフユ

い、いきなり出てこられたら心臓に悪いんだけど…

モノクマ

あ、ごめん。脅かすつもりはあったんだ。

アイリ

あったのね…

ルイ

で…何をしに来たんだい?

モノクマ

いや、大した話じゃないんだけどさ…

モノクマ

ほら、今って当たり障りなくいいヤツぶってた方が、生きやすい時代でしょ?

モノクマ

いきなりコロシアイをしろって言われても、そう簡単に、人は殺せないだろうから…

モノクマ

オマエラが安心してコロシアイできるように、ボクが”人を殺す言い訳”を与えてあげようと思ってさ。

シホ

…人を殺す言い訳?

モノクマ

つまり、”動機”だよ!
それがあれば、あーら不思議!

モノクマ

もし殺人がバレたとしても、お涙ちょうだいシーンにして誤魔化す事ができるんだ!

シズク

な、何を言っているのかしら?…
よくわからないわ…

モノクマ

では、さっそく、記念すべき最初の動機を発表しまーす!

モノクマ

えー、今回はコロシアイの”初回特典”として、スペシャルな動機を用意しました。

モノクマ

なんとっ!最初に行われる殺人に関しては、学級裁判は行われませーん!

モノクマ

つまり、真っ先に殺人を犯した人物は、無条件にこの才囚学園を卒業できるのでーす!

シホ

学級裁判が行われない?

モノクマ

あれだけ強調しておいて申し訳ないんだけど…

モノクマ

最初の殺人に関しては、学級裁判を行わない事にしたんだ。

モノクマ

なので、安心して殺しちゃってくださーい!先着1名だけの早い者勝ちだよー!

イチカ

初回特典なんて…
ゲームの商法みたいに言わないでほしいな…!

モノクマ

うぷぷ…そんな事言って本当は嬉しいんでしょ?

イチカ

嬉しくなんかないよ…!

トウヤ

い、いい加減にしろ…
それ以上…俺達を馬鹿にするな…

モノクマ

…ん?

トウヤ

自分だけがここから出たいと…
そんな理由で人を殺したりすると思っているのか?

トウヤ

馬鹿にするな!

トウヤ

俺達はお前なんかに負けない…。
みんなでここから出ると約束したんだ…!

モノクマ

おっと、ビックリ!
オマエそんなに張った声出せちゃうんだねぇ!

モノクマ

もっと、自分が生き残る方法を合理的に考えなよ?誰かを殺せばいいだけなんだよ?

アキト

この…クソ野郎が…!

ルイ

なるほど…囚人のジレンマだね。
そうやって非協力ゲームに持ち込もうって魂胆かい?

ツカサ

む?…なんだそれは?

ルイ

お互いに協力する方が、協力しないよりも良いとわかっていながら…

ルイ

協力しない者が一方的に利益を得る状況では、互いに協力しなくなる…

ルイ

それが囚人のジレンマだよ。

ルイ

自分の利益を追及する個人の間で、いかに協力が可能となるかという問題だよ。

ルイ

モノクマは、僕らにそれを突き付けているんだ。

ルイ

青柳くんが提唱した”協力ゲーム”を無効化して、プレイヤーが提携しない”非協力ゲーム”にする為にね。

トウヤ

…え?

コハネ

もし、その状況で最初の殺人が起きたら、私達はますます協力するのが難しくなる…

ハルカ

むしろ、その為に初回特典なんて動機にしたんだろうね。

モノクマ

ね?そんなギスギスした空気は耐えられないでしょ?だったら、やっぱり殺しちゃった方がいいよ!

エナ

な、なによ…それ…!

ホナミ

あ、あなたは本当に…
わたし達にコロシアイをさせたいみたいだけど…

ホナミ

あなたの目的は…一体なんなの?…

ツカサ

目的なんて関係ない!!
これ以上こいつらの好きにさせて堪るか!!!

ツカサ

オレはもう我慢の限界だ…!

と、司先輩がモノクマに掴みかかろうとしたその時だった。

おはっくまー!

モノレン

見せしめヤローの決定だな!

モノカイト

やっとエグイサルの活躍シーンだねー!

モノメイコ

パパに手出しはさせないわ!
パパには毎日笑顔でいてもらいたいもの!

モノリン

まぁ、わたし達に逆らうとこうなるんだよ☆
覚えておいてね。

ツカサ

な、なんだ…?!
お前達…何をするつもりだ!?

サキ

や、やめてよ!

トウヤ

司先輩、逃げてください!

直後、周囲から耳障りな機械音と共に、エグイサルが飛来してきたかと思うと…

「グシャリ」

そんな不快な音を響かせて、彼の体はその鉄の塊の下敷きとなって潰れた。

少し遅れて…彼の断末魔が響き渡った。

ダンガンロンパV3×プロセカ【CHAPTER 1】

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司ぁぁぁぁぁ!!!!!

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