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第6話
玲央からの大胆なキス
夜の風が熱を孕む、蒸し返すようなビルの屋上。 視界には東京の夜景。 無数の光が、まるで星のように瞬いていた。
玲央
玲央の声は、どこまでも穏やかだった。 けれどその眼差しは、まるで獲物を捉える獣のように鋭い。
奈々
玲央
奈々
その先の言葉は、口から出てこなかった。
玲央が、ほんの数歩、奈々に近づいた。 彼の手が、そっと奈々の頬に触れる。
玲央
奈々
玲央
そう囁いた次の瞬間、 玲央は奈々の頬にかけていた手をそのまま首筋に滑らせて、ぐいと引き寄せた。
奈々
距離がゼロになる。 ためらいも、前置きもなかった。 唇が、重なった。
熱い、けれど優しいキス。 指先が触れるような軽いキスじゃない。 心の奥まで見透かされたような、玲央らしいキス。
奈々は思わず目を閉じた。 突き放せばいいのに、できなかった。 玲央の手が震えていたことに気づいてしまったから。
彼もまた、ずっと本気だった。
キスがほどけたとき、玲央はほんのわずかに息を整えた。
玲央
その言葉に、奈々の胸が締め付けられる。 このキスは、きっともう後戻りできないものだった。
……そしてその背後で、ひとつの影が静かに立ち尽くしていたことに、二人はまだ気づいていなかった。
奈々
蒼太
静かな声が、空気を裂いた。
どうだったでしょうか?
次回はもっとバチバチになります笑
次回:壊れた沈黙
お楽しみに