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翌日、玲は本当に駅まで優を迎えにきてくれた。

改札から出てその姿を発見した時優は心はひどく安堵した。

今朝もいつもと変わらず、菓子パンがテーブルにポツンと置かれていたが、

もう慣れているはずなのに、

無性に寂しさが襲ってきて、

なかなかパンが喉を通らなかった。

昨日の入学式での両親のドタキャンがかなり精神的ダメージとして、

優を襲っていたが玲の姿を見るとそんなのも一気に吹き飛んだ。

白石優

おはよ、玲!

園川玲

優、おはよ。

園川玲

あれ、ネクタイは?

白石優

結び方分かんないから外してきた。

白石優

後で教えてくれない?

園川玲

いいよ。

優が恥ずかしげもなく打ち明けると

玲はクスクス笑いながらだが、頷いてくれた。

駅から学校まで徒歩で15分くらいだろうか。

やはり、玲は学校のすぐそばのマンションに住んでいるらしく、

ここまでわざわざ優のために遠回りしてくれたと知って、申し訳なさを覚えた。

白石優

玲、学校は一人で行けるから

白石優

明日は迎えに来なくていいんだからな。

白石優

てっきり俺、この辺に住んでるもんだって思ってたから…

白石優

何か悪いもん…

園川玲

運動になるし!

園川玲

優は気にしなくていいって。

園川玲

優さぁ昨日後ろから見てて思ったんだけど…

園川玲

寂しそうなんだよなぁ

“だから構いたくなる”と

玲が真剣な眼差しを向けてきて、

心の中で溜めていたつもりの哀愁を、

背中にまで漂わせていたのかと優は自身の背中を後ろ手でそっと撫でた。

園川玲

昨日優の親来てなかったろ?俺んとこもなんだ。

白石優

……え。

白石優

そうなの?

優は自分のことでいっぱいでそこまで見ていなかった。

どこの家庭もそれぞれ事情はあるかもしれないけど、

子どもの入学式に出席しない親というのは中々いない。

玲も複雑な事情があるのかと、思ったより上背のあった横顔をジッと見つめる。

園川玲

ま、朝から暗い話はナシだよな。

園川玲

行こ行こ。

白石優

うん……

白石優

玲、大丈夫?

白石優

俺でよかったらいつでも話聞くからな。

言い草からして暗い話なんだと察知すると、

不思議と玲の涼しげな横顔が寂しそうに見えてくる。

園川玲

ありがとな。

せっかく友達になれた玲の内側を無理やり探ろうとは思わない。

だが、優と同じように両親との間に確執めいたものがあるなら、

誰よりも気持ちをわかってやれると思う。

たとえそれがどんな事でも聞いてあげたい。

爽やかでモテそうな外見なのに、

席から一歩も動かなかった理由は何なのだろう。

まだまだぎこちなさが漂う教室に玲と入ると、

席が前後だから担任が来るまでネクタイの結び方を教えてもらう。

園川玲

ここをこうして…

園川玲

こう、な。

白石優

うーん

白石優

なんでだろう。

白石優

うまくいかない。

園川玲

優は不器用なんだな。

もうこれで3度目なのになかなか覚えきれないネクタイを

玲が後ろから結んでくれた。

白石優

ありがと

園川玲

毎日やってたら自然と覚えるから。

園川玲

そんなしょんぼり顔すんなよ。

丁寧に教えてもらったはずなのに

たしかに手先は器用でないからモタモタするし

仕上がりは昨日と変わらない。

あの強面教師も玲もササッと数秒で結んでくれるというのに

優は一回結ぶのに数分を要す。

園川玲

一時限目数学だな。

白石優

あーそうだっけ…

“苦手なんだよな”と

呟くと玲も

“俺も”と同意してくれたが優は数学そのものよりも

教師の方も苦手なので今から気が重い。

温和そうな初老のこの担任が数学担当なら良かったのにな、と

優はHRの間浮かない顔で時計を睨んでいた。

1-4は以上です。

もう言いたいことはわかってもらえると思いますが…

またまたセクシーな男前先生を出せなくて申し訳ないです!

ですが、次は数学の授業=あの先生!なので

ちょっと張り切ります!

応援よろしくお願いします。

いいねたくさん来たら書こうと思います!

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待ってます❗

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