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夏休みに入った

私は地元に帰ってきた

小さい時目印にしていた、家の前の線路

今日も「カンカン」と音がなる

夏帆

(帰ってきたなぁ…)

大学が遠いため一人暮らしをしていた

年に一度の帰省

ゆっくりしようと思っていた

あれ?夏帆?

夏帆

あ、空!ただいまっ!

なんでいるの??

夏帆

なんでって、帰ってきたんだよ!

夏帆

そんなことよりさー

夏帆

奈津芽おばさん元気ー?

あー、元気だよ

でもお前見たら腰抜かすかもなぁー

夏帆

年に一度しか帰ってこないからなぁ

夏帆

お正月も帰れないし〜

それもそーだなぁ

あ、セミの抜け殻

夏帆

え!どこ!ちょうだい!

お前変わってないなぁー

子供じゃん

そう言って、空は笑った

夏帆

あ、そーだ空

夏帆

ウミヤマ行こ〜

えー、いいけど

夏帆

何よぉ嬉しくなさそうだなぁ

そんなことないよ〜

行こ〜

夏帆

うん!

夏帆

あっ!ウミちゃん!

夏帆

久しぶりー!

海山

おー!元気かー?

夏帆

元気元気ー!

夏帆

あ!このアイスちょうだい!

俺これがいい〜

海山

おおいいぞー、好きなの持ってけー

夏帆

ありがとうウミちゃん!

海山

そーだ、俺さ

海山

今月いっぱいでここ閉めるんだわ

夏帆

えー!なんで??

海山

この町、ほら

海山

若い子居なくなっちゃっただろ?

俺がいるじゃん

海山

お前滅多に来ないだろ笑笑

海山

夏帆も、居なくなっちまっただろ?

夏帆

そーだねぇ、引っ越しちゃったしね〜

海山

だからよ、潮時だからな

海山

俺もいい年だし、結婚相手探すわ

夏帆

そっかぁ、悲しくなるなぁ

海山

まっ!俺が居なくなるわけじゃないし

海山

小さい町なんだから

海山

いつでも遊びに来いよ!

夏帆

うん!ありがとう!

ありがとね、ウミちゃん

海山

いいってことよ!

海山

また来いよ!

夏帆

じゃあねー!

夏帆

…悲しくなるねぇ

そうだな

夏帆

私たちの集合場所だったしね

まぁ、仕方ないんじゃないの?

次帰ってくるとき

うみちゃん結婚してるといいね

夏帆

そうだねー

夏帆

あ、そうだ

夏帆

私高校に行きたい!
見たいものがあるのー

高校?いいよ〜

入れるかなぁ

夏帆

大丈夫でしょー

夏帆

私たちの部活は絶対やってるし

たしかに

じゃー行くかー

夏帆

おー!

夏帆

ほら開いてた

この学校もいい加減だなぁ

海崎先生

おー!久しぶりだなぁ

夏帆

あっ!海崎先生!

ご無沙汰してます

海崎先生

久しぶり

海崎先生

大学はどうだ??

夏帆

んー、大変ですけど楽しいですよ!

そーですねぇ思ったより暇です

海崎先生

そーかそーか

海崎先生

まぁせっかくきたんだからゆっくりしてけー

ありがとうございます

海崎先生

おー

夏帆

ほんと適当だよね、海崎先生

だね、俺たちもよくあの先生のもとで卒業できたよね

夏帆

言えてる

夏帆

っと、確かここにー…

夏帆

あ、あったあった!

なにがー?

夏帆

いつも一緒にいた子達と書いた寄せ書き

うわー、バレたら怒られるぞー

夏帆

いいよいいよ、私は遠く行っちゃうから

逃げるなし!

夏帆

わぁー、会いたいなぁ

そーだねぇ

ゆーてほとんどの人大学一緒なんだけどね

夏帆

ずるいわ!

夏帆

私も地元の大学にしとけばよかった

そうだよ!そうすればさ!

なんでもない

夏帆

何よー、キレが悪いなぁ

ごめん

夏帆

んー、見たいもの見れたし

夏帆

そろそろ家いこーかなぁ

あ、最後にもう一ヶ所だけ付き合ってよ

明日には帰っちゃうんでしょ?

夏帆

そーだねー、帰らなきゃ

夏帆

どこ行きたいの?

俺の家

夏帆

あらやだ空ちゃん

夏帆

ごーいんっ

違げーよ!

夏帆

あははーごめんごめん

夏帆

いいよっ!行こ!

夏帆

なんでここに連れてきたの?

特に意味はない

ゲーム、1人じゃつまんないんだよね

夏帆

そーいうことか

夏帆

いいのか?こんな色気なくて

いいんだよ!

夏帆

まぁいいでしょう

夏帆

とことん付き合ってあげます

1時間後…

なんで勝てねーの!?

夏帆

相変わらず弱いなぁ

俺ずっと練習してたのに…

夏帆

なんでだろーね

夏帆

また来年リベンジだね

来年もちゃんとくる?

夏帆

どうしたの急に

夏帆

くるよ!

ならいいんだけどさ

来年はもっと早く帰ってきてよ

夏帆

そーだなぁ

夏帆

向こうでバタバタしてなければね!

夏帆

結構ここまでくる乗り物混んでるのよ

そーなの!?

夏帆

そーだよ、みんな帰りたいんだもん

あー、それもそっかぁ

あのさぁ、夏帆

夏帆

んー?なにー?

俺、ずっとお前のこと好きだったんだよね

夏帆

えー、知ってた

知ってたの!?

夏帆

こんなわかりやすい男いらなかってくらい

夏帆

わかりやすかった

まじかぁ

まぁだから俺

お前が町でて遠い大学行くの反対しただろ?

夏帆

猛反対されたねぇ

あれ、間違いじゃなかった

なんとしてでも、とめとけばよかった

それか、同じ大学行くとか…

夏帆

空、もう遅いんだよー

夏帆

私と同じとこ行くような頭ないでしょ

まぁそーだけどさ

でも俺…

夏帆

今更だもん

夏帆

いいんだよ、仕方ないよ

でも…

夏帆

いいんだって、これで

夏帆

そろそろ家行かないと

俺も行く!

夏帆

そー?じゃあ行こう

おう

空母

それでねぇ

空母

ってあら空じゃない

夏帆母

あら、ほんとだわ

夏帆母

いらっしゃい

夏帆母

今年もお線香あげにきてくれたの?

夏帆母

毎年ありがとね

いえいえ

あ、おばさん

夏帆母

何かしら?

夏帆、帰ってきてますよ

夏帆母

あら!本当に!?

夏帆母

いつも教えてくれてありがとね

いいんですよ、気にしないでください

空母

明日は送り盆ね〜

夏帆母

そうねー、夏帆も明日帰るのかしら

そーみたいですよ

夏帆母

そうなの

今日は夏帆と懐かしい巡りしてました

夏帆母

そー、あの子楽しそうだった?

とっても楽しそうでした

夏帆母

そう、それは良かった

夏帆母

明日、見届けてあげてもらえるかしら

そのつもりです

夏帆母

ありがとね

夏帆母

あの子のことが唯一見えるのが

夏帆母

空くんで良かったわ

そんな、ありがとうございます

空母

あら、もうこんな時間

空母

帰りましょう空

わかったよ

じゃあね、夏帆

俺は仏壇に飾られた

夏帆の笑顔に手を振った

本当に帰るの?

夏帆

うん、帰らなきゃ

そっか、寂しくなるなぁ

夏帆

また来年会えるじゃん

夏帆

我慢しなよ

まぁ、そうだけどさ

夏帆

泣かないでね?

泣かねぇよ!!

夏帆

あははー

夏帆

まぁ、とりあえず

夏帆

また来年ね

おう、また来年

カンカンカンカン

夏帆

あ、しまっちゃう!

急げー!!

夏帆

じゃあね!楽しかった!

夏帆

いい思い出ができたよ!

おーう!

夏帆

それと最後にー

カンカンカンカン

線路の反対側

君の声

なにー?聞こえないー!

電車が通過した

残ったのは僕と

本当は聞こえてた、君の声

「私も好きだったよー」

これは僕だから

僕だけしか作れない

夏のおもひで。

この作品はいかがでしたか?

50

コメント

1

ユーザー

めっちゃ素敵なお話でした✨

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