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ガタンゴトン…

ガタンゴトン…

当日。

LINEにて

千夏

今日だよね?気をつけて行ってらっしゃい!

風花

報告楽しみにしてる!

紗良

あ〜〜〜〜あああ緊張する〜〜〜

風花

紗良

本当に会うの?本当に会うの?実在するの?って感じ

千夏

会うんだよ!実在するんだよ!

紗良

やばい、あと3駅

紗良

心の準備が

紗良

受験当日並みに緊張してる

千夏

もう着くじゃん

風花

紗良

風花

本当にイノシシだったら、ちゃんと逃げてね

紗良

ねぇ、笑わせないで(笑)

千夏

そうだよ、まじでイノシシの可能性あるからね

風花

身の危険を感じたら、やられる前に逃げるんだよ

紗良

わかったよ

紗良

あああ着いちゃう

千夏

わーついに!!がんば!!

風花

行ってらっしゃい!!

紗良

行ってきます!!解散したら報告するね!

待ち合わせは、改札を出たところだった。

既に着いていると 水元から数分前に連絡があった。

紗良

うーん…?

改札前は人が多すぎて それらしい人を見つけられなかった。

紗良

『何色の服着てますか?』

水元

『黒です。黄色い鞄です』

紗良

黄色い靴…?

鞄を靴と見間違え、 改札前で待ち合わせしていそうな人たちの 周りをぐるぐる2周してしまった。

黄色い靴の人はいなかった。

紗良

『あの、黄色いくつですよね?』

水元

『くつじゃないです!かばんです!リュックです!』

紗良

『あー!!すいません!すぐ探します』

改札前の大きな柱に隠れて 遠目からもう一度よく探した。

ドクン。

紗良

(待って……いる……)

どうしようどうしよう。

緊張が最高潮に達した。

水元

『見つかった?』

早く行かなきゃ。

何分も待たせてるんだから。

紗良

『見つけました』

……よし。

意を決して、 柱の陰から彼の元へ向かった。

紗良

……初めまして

水元

……初めまして

紗良

(あ…全然イノシシじゃない)

それが紗良の水元に対する 第一印象だった。

彼の目に、私はどう映っているのだろうか。

気合いを入れて、 いつもなら着ないような 女の子らしいワンピースを着てみた。

可愛らしいイヤリングもしてみた。

運動部育ちなのもあり 本当はもっと動きやすい格好が好きだが、 今日は頑張った。

可愛いって思ってくれてたらいいな…

水元

俺の知ってる店で大丈夫?

紗良

紗良

あっ、うん、大丈夫。…です

緊張して上手く答えられなかった。

紗良

(背、高いんだ)

紗良

(私も女子の中では高いけど、全然差がある)

ドキドキが止まらなかった。

紗良

(千夏〜〜風花〜〜イノシシじゃなかったよ〜〜)

心の中で2人に報告しながら、 お店に向かった。

着いたのは駅ビルの綺麗な オムライス専門店だった。

紗良

オムライス…

水元

大丈夫?

紗良

うん!オムライス好きです

タメ語と敬語がごちゃ混ぜだった。

紗良

(なかなか良いお店のチョイスなんじゃないの?)

2人とも定番のオムライスを注文した。

紗良

そういえばこの間〜…

紗良

水元くんの学校の文化祭で〜…

紗良

私の学校は〜…

紗良が元々お喋りなのと、 お互い違う学校違う部活なのとで 話題は尽きなかった。

水元くんが自分の話をするよりも 人の話を聞くのが好きだというのは LINEで聞いていた。

紗良

…何か私ばっかり喋ってるけど、いいの?

気付けば敬語を使わなくなっていた。

水元

うん

水元

いうて俺も結構喋ってるよ?

紗良

そっか

水元

食後のコーヒーか紅茶頼む?

オムライスを食べ終え 一息ついたところだった。

紗良

(紅茶好きだけど…)

紗良

水があるからいいかな

紗良

水元くんはコーヒーが好きなんだよね?頼む?

水元

あー…いや、俺もいいかな

逆に気を遣わせてしまった。

紗良

緊張してるしオムライス量多いしでお腹いっぱいだよね(笑)

紗良は冗談を言えるくらい 緊張が解れていた。

水元くんは、話している間ずっと 手元のナイフレストをいじっていた。

真似して紗良もいじる。

紗良

(水元くんはまだ緊張してるみたい)

紗良

(緊張しいなのかな)

食後しばらく談笑した。

水元

…そろそろ、行く?

紗良

うん、そうだね

12時に入店して、かれこれ2時間居た。

店員

お会計は別々になさいますか?

紗良

はい

水元

あ、一緒でお願いします

紗良

えっ

水元

今日は来てもらったから

会計を済まされてしまった。

紗良

ご馳走様でした…本当にいいの?

水元

もちろん

水元

ドリンク券くれたよ。あげる

紗良

えっ、いいよいいよ

水元

俺前に来たときに貰ったから

紗良

そう?なら…

ありがたく貰った。

水元

JRだっけ?

紗良

…え?

JR?電車?

帰るの?

お昼食べて解散?

紗良

うん。水元くんは何線だっけ?

水元

俺は地下鉄なんだよね

紗良

そっか

水元くんが歩き始めたのでついていく。

待ち合わせした改札の方に向かっていた。

紗良

(千夏…風花…お昼だけっぽいよ…)

紗良

(イルミネーションは?)

改札に向かうまで、 イルミネーションの広告が たくさん貼ってあった。

水元くんは広告の前を通り過ぎていく。

紗良

(あ、これ本当に帰るんだ…)

会うの初めてだし、 好きになった訳じゃないし、 全然いいんだけど。

水元

じゃあ…

水元

今日は、来てくれて本当にありがとう

紗良

こちらこそ、ご馳走様でした

JRの改札前まで来てくれたので、 改札を通らざるを得なかった。

改札の外から水元くんに見送られながら ホームに向かった。

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