テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

一覧ページ

狂人共が行く怪異巡り

第1話 - 怪異

2024年07月09日

#コメディ

#ホラー

#狂人

とても寛大な天の声

‥‥目を開くと、そこには大自然が広がっていた。

田中

俺は自宅で眠っていたはずだ。

？？？

‥‥夢か？いや、夢にしては妙に意識がハッキリしている。
一体何が起きているのだろうか───。

・・・・・。

田中

誰だお前

天の声

天の声です

田中

不審者か？

天の声

天の声です

田中

もしくは殺人鬼か？

天の声

天の声です

田中

さては変態だな？

天の声

天の声です

田中

そうか(諦め)

天の声

これからあなたには怪異を解決してもらいます。

田中

いきなりにも程があるだろ

天の声

どうやらここ最近この付近では神隠しが頻繁に起きているらしい。
何かが原因だろうから頑張って解決してね

田中

拒否権ないのかよ

天の声

解決出来たらお礼に可愛いお嫁さん貰えるかも？

田中

自分にだけ懐いてくれて周りには一切興味を持たない心も開かない警戒心MAXな犬系寄りの猫系でメンヘラ変人ポニーテール低身長覚悟ガンギマリ女子でよろしく頼む。

天の声

注文多いな

天の声

まあいいでしょう。

田中

よし、そうと決まればやるしかない

田中

とりあえず移動するか

〜数時間後〜

天の声

あなたはとある公園のベンチに腰をかける。
その姿はまるでひと仕事を終えたサラリーマンを彷彿とさせるような、どことなく疲れ切ったオーラを漂わせている。

田中

おい

天の声

はい

田中

人はどこだ？
どこにも居ないんだが

天の声

んー。

天の声

もっと人里の方に居るんじゃないかなあ

田中

人里ってどこだよ
その前にここどこだよ

天の声

ここは秋田県だね。人と出会うことすら稀な真のド田舎！
いやぁワクワクするね！

田中

そんなド田舎で神隠しにあってる人が大量発生してるのか。

天の声

はい、このままだと間違いなく人間消えます。

田中

なるほど。
月にどれぐらいの人が神隠しにあってる？

天の声

おっと、詳しくはここら辺の住民に聞いてね。
まぁひとつ言えるのは週に一人は確実に神隠しにあってるってことぐらいかな。

田中

ふむ‥‥

田中

よし移動しよう

田中

やっと人が居そうな所に着いたぞ

天の声

見渡す限り畑や田んぼが広がっているでしょう。
ですがそれとは別に、人の手によって作られたであろう建築物がちらほら建っているのが見て取れます。
パッと見6軒ですね。

天の声

しかし、どこを見渡しても人の気配はありません。
‥‥ここに人は居るのだろうか？

田中

居なきゃ困る

天の声

それもそうだ。

天の声

さあどうする？

田中

探さないことには始まらないしな。
とりあえず片っ端から訪問するか。

〜移動中〜

天の声

少し小さめではあるけど、外装はとても綺麗でまだ新しい感じがするね。

天の声

そんな赤い屋根の一軒家に来た君はチャイムを鳴らすが！？

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

天の声

出てこない！！

天の声

また鳴らすが！？

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

天の声

出てこない！！

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾝﾋﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

天の声

だいぶしつこいな

田中

居ないみたいだな

田中

ところで見渡す限り人の気配はないんだよな？

天の声

ないね。人っ子一人居ないんじゃないかって感じの静けさです。

田中

扉は開いてるか？

天の声

鍵が閉められているね。
ちゃんと戸締りをしていた形跡がある。

田中

俺は扉をぶち破るぞ

天の声

扉は思ったよりも頑丈なようで、あなたの渾身の鉄山靠でもビクともしない。

説明しよう！鉄山靠(てつざんこう)とは、身を屈めながら接近し、立ち上がりざまに背中を突き上げる‥‥いわば“体当たり”である！正式名称は貼山靠(てんざんこう)。中国武術“八極拳”の代表的な技として認知されている！

田中

まあ家だしな、窓ぐらいあるだろう。
そんでもってド田舎だしな、デカい石ぐらいあるだろう。

田中

ってことでそこら辺のデカい石で窓を割って家にお邪魔する。

天の声

なんの躊躇いもなく大きい石をリビングの掃き出し窓に向かって振り下ろすあなた。
デカくて硬いモノをぶつければ当然ガラスは割れるだろう。
ガシャーン！という大きな音が鳴り響き、砕ける。
あなたは赤い屋根の家の侵入に成功する。

田中

何かあるか？

天の声

特に何も無いね

天の声

ただ、何も無さすぎる。
どこの部屋を見て回っても、ついさっきまで人が居たような生々しい生活感を感じることでしょう。

天の声

しかし埃の溜まり具合などから、明らかにしばらく誰もこの家に入ってきていないだろうということが分かる。

田中

きっと神隠しにあった住人の家なんだろうな

田中

この家に使えそうな物はあるか？

天の声

泥棒だぞ

田中

問題ない、元凶を叩くまで借りるだけだ

天の声

ならセーフだな

天の声

ライターやハサミなんかの小物類があるね。どの家庭にも置いてありそうな物と‥‥あと多機能ナイフがあるよ。

多機能ナイフ───。その名の通り多種多様な機能を兼ね備えているナイフである。切る・測る・回す・挟む等など、これ1つあれば大体解決してしまう優れものなのだ。

田中

ありったけのライターと多機能ナイフを持って行く

天の声

他の武器は要らないの？
包丁とか木刀もあるけど

田中

要らん。ナイフがある。
多機能だぞ？これひとつでなんでも出来る。
ロマンが詰まってる。

天の声

唆るよな

〜移動中〜

天の声

さあ！そこそこ大きいが、かなり古びている青い屋根の一軒家を目の前にして君は何をする！！

田中

まずはチャイムだろ
常識的な行動を心掛ける

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ﾋﾟﾝﾋﾟﾝﾋﾟﾝﾋﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾝﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

天の声

これが常識的な行動か？

田中

チャイムは鳴らせば鳴らすほど良いんだぞ

天の声

そうだったのか(錯乱)

田中

よし扉に向かって突進する。破壊できるか？

天の声

さながら獲物を発見した一頭のイノシシのようである。助走をつけて勢いよく扉に突進しますが、破壊はできません。

天の声

というかそもそもこの家の扉は開いてるよ。

田中

なんだよ

田中

まぁ結果オーライか。
これで不法侵入しなくて済む

天の声

いや不法侵入だぞ

狂人共が行く怪異巡り

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

とても寛大な天の声

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

狂人共が行く怪異巡り

第1話 - 怪異

作者の他の作品すべて見る

#コメディの新着小説
一覧

関連するタグ

狂人共が行く怪異巡り

第1話 - 怪異

作者の他の作品すべて見る

#コメディの新着小説一覧

関連するタグ

#コメディの新着小説
一覧